Nokiaの暫定CEO、「これは新たな150年の始まりだ」
「モバイル端末事業のないNokiaはこれまでと大きく変わるが、ネットワーク、地図、先端技術という3本柱で強い企業になると確信する」とリスト・シーラスマー暫定CEOは語った。
フィンランドNokiaの会長兼暫定CEOを務めるリスト・シーラスマー氏は9月11日(現地時間)、米Microsoftへの携帯端末事業の売却と今後について、公式ブログで語った。
シーラスマー氏は、携帯端末事業の売却にともなってMicrosoftに移ったスティーブン・エロップ氏に代わって暫定CEOとなった。Nokiaは現在、新CEOを探している。
Nokiaはこの売却で、8万8000人の従業員中の3万2000人を失った。
NokiaはMicrosoftに対し、モバイル製品のブランドとしての「Nokia」「Lumia」「Asha」を10年間利用できるライセンスを供与しており、Microsoftに移った元Nokiaのチームがこれらのブランドの端末を開発していくことになる。
「モバイル端末事業のないNokiaはこれまでと大きく違った企業になるだろう。だが、健全な経営と、ネットワークインフラサービスのNokia Solutions and Networks(NSN)、地図サービスのHERE、先進技術開発とライセンス部門のAdvanced Technologiesという3つの柱を持つわれわれは、強い企業になるだろう」(シーラスマー氏)
NSN部門は特にLTEに強いモバイルネットワークのスペシャリスト集団であり、今後も多様なソリューションを立ち上げていく。HERE部門では、先日発表した自動運転機能を含む「HERE Connected Driving」などの最先端の地図技術の開発を続ける。HEREの地図サービスは世界196カ国で、カーナビは95カ国で利用されているという。先端技術部門は、動画や音声のエンコーディング技術、Bluetooth LE(BLE)、画像関連など、約1万件の幅広い特許ポートフォリオを保有しており、今後も研究開発に力を入れる。
Nokiaは1865年創業の老舗企業。最初は製紙会社だった。創業から約150年のこの節目は、「Nokiaの次の150年の始まりなのだ」とシーラスマー氏は語った。
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