Google、老化と病気に取り組むバイオテクノロジー企業「Calico」設立 Apple会長がCEOに
自動運転カーや気球式インターネット網などの“ムーンショット”を手掛けるGoogleが、老化と病気に取り組む新企業「Calico」を設立し、Apple、Genentech、Rocheの会長を務めるアート・レビンソン氏をCEOに迎えた。
米Googleは9月18日(現地時間)、老化と病気に取り組むヘルスケア関連の新企業「Calico」の設立を発表した。CEOには、米Appleの会長で、遺伝子工学企業の米Genentechおよびスイスの製薬会社Hoffmann-La Rocheの会長も務めるアーサー(アート)・D・レビンソン氏(63)を迎える。
ラリー・ペイジCEOは発表文で、「病気と老化は家族すべてに影響を与える。ヘルスケアとバイオテクノロジーに関するムーンショット的な考察で、数百万人を延命することができると信じている」と語った。
同氏は個人のGoogle+では、このプロジェクトがGoogleの他の事業とあまりにもかけ離れていることを認めながら、このプロジェクトへの投資は“非常に少なく”、ヘルスケア部門におけるテクノロジーの可能性は非常に大きいと説明している。
同社は共同創業者のサーゲイ・ブリン氏が率いる「Google X」部門で、自動運転カーや気球式インターネット網など、さまざまな“ムーンショット(途方もない、の意)”プロジェクトに取り組んでいる。
ブリン氏は2008年に、自身がパーキンソン病を発症する可能性を持っていることを発表している。また、Googleはゲノム企業の23andMeに出資している。
レビンソン氏は「私は人生の多くを科学技術に捧げ、人間の健康増進を目標としてきた。ラリー(ペイジ氏)の桁外れの取り組みに触発された」と語った。同氏はワシントン大学で理学士号を取得、プリンストン大学で生化学の博士号を取得し、1980年にGenentechに入社した。Appleの会長には2011年11月に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の後を継いで就任した。
レビンソン氏はGoogle+への投稿で、Calicoという社名は「California Life Company」に由来するとしている。calicoには三毛猫という意味もあるため、「猫を連想した人もいるかもしれない。“猫に九生あり”ということわざは好きだ」とも書いている。
Appleのティム・クックCEOも「あまりにも多くの友人や家族が早世する。アート(レビンソン氏)はこれはあるべきことではないと強く考える人だ。Calicoの(老化と病気に取り組むという)ミッションを率いるのに最適な人物であり、成果が楽しみだ」と語った。
関連記事
- Googleのラリー・ペイジCEO、声の不調について説明
- Googleが目指す“魔法”=Moonshotを生み出す「Google X」とは
- マーク・ザッカーバーグ氏、サーゲイ・ブリン氏らと“生命科学のノーベル賞”立ち上げ
- Google、謎のプロジェクト「Solve for X」を立ち上げ
Googleが、“世界的な問題を打開するラディカルな解決方法の実現を目指す”プロジェクト「Solve for X」のWebサイトを立ち上げた。 - Google出資の23andMe、カナダと欧州でも遺伝子情報サービス開始
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.