トレンドマイクロは5月29日、日本語の音声でウイルス感染を警告するに偽セキュリティサイトを確認したと発表した。27日時点で国内から約7000件のアクセスがあったといい、注意を呼び掛けている。
同社によると、偽サイトへの誘導経路は不明ながら、ユーザーが画面を表示すると女性の声でウイルス感染を検知したとのメッセージが流れ、閲覧者の個人情報が危険に晒されていると警告する。さらに、インターネット接続を切断して偽サイト上に表示された「03」で始まる番号に電話し、対策ガイドを聞くよう促される。
偽サイトで流れる日本語音声の内容
警告、あなたのコンピュータでウイルスが検出されました。直ちに提供された番号に電話していただくと、あなたのコンピュータ上のアドウェア、スパイウェア、ウイルス除去のためにガイドされます。
このメッセージが表示されたということは、あなたの個人情報、写真、パスワードやクレジットカード情報が危険にさらされているということです。
提供された電話番号に連絡していただけるまでは、インターネットの使用、Webサイトにログインすることや、オンライン上での商品の購入はなさらないで下さい。
同社では日本語の音声で偽の警告を行う手口を初めて確認。同一のサーバ上で少なくとも15の偽サイトが稼働していたという。
海外では2012年に、企業のサポート担当者を装う人物が電話でPCなどのサポートを持ちかけ、金銭を要求する「テックサポート詐欺」が問題になり、米連邦取引委員会(FTC)が各国を連携して犯罪組織を摘発する出来事があった。電話以外にメールやチャットでサポートをすると呼び掛けて金銭をだまし取る犯罪も確認されている。
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