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シトリックスが「モバイルワークスペース」を強く提唱する理由なぜ“攻め”の企業に必要か(1/3 ページ)

シトリックスが「モバイルワークスペース」と呼ぶ概念を強く提唱している。イベント「Citrix TechDay」で技術ポートフォリオと各製品の最新情報とともにその意図を説明した。

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 シトリックス・システムズ・ジャパンが2015年7月、都内で自社イベント「Citrix TechDay」を開催した。デスクトップ仮想化(VDI)の主力ベンダーであるシトリックスは、主力製品「Citrix WorkspaceSuite」に含まれる「Xen App」を中核に“モバイルワークスペース”を実現する総合ベンダーへと位置付けを拡大させている。このイベントは同社がもつ幅広い技術を紹介するもので約800人が登録、合計19のセッションが開かれた。

 午前中の基調講演では、シトリックス・システムズ・ジャパンで営業推進本部プロダクトソリューション推進部の竹内裕治シニアプロダクトソリューション推進マネージャーが、シトリックスが示す「モバイルワークスペース」をキーワードに同社の技術ポートフォリオと各製品の最新情報を説明した。主として、2015年5月に米国で開催された年次イベント「Citrix Synergy 2015」で発表された内容が中心となる。

photo VDIの技術を中心に「モバイルワークスペース」の重要性を説くシトリックス

 「どこにいても、いつでも、当たり前のように仕事ができる世界」

 竹内氏は同社が示す“モバイルワークスペース”の概念の意図をこう説明する。モバイル=スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末とその周辺だけでなく、ユーザーの移動に合わせて、その状況に適した端末とネットワーク環境で、自分が利用したいデータやサービスへ自由に、かつ安全にアクセスできることを目指すものだ。

 例えば、緊急の手術をすることになった外科医の場合。自宅で病院から手術の依頼についての電話を受け取り、自宅のPCから病院の仮想デスクトップへセキュアにアクセス、スケジュール管理に手術予定を入れ人員を招集する。電車移動中にタブレットからアクセスし、患者の最新状況、MRI画像などをチェック。病院に到着後は病院のPCで、直前の準備を行う。手術終了後、帰りの電車でタブレットから術後の患者の経過を確認する。こんなシーンだ。極めて重要な情報を扱う業務のため、セキュリティは大丈夫か? と心配してしまうが、これができるならば効率を高められることはいうまでもない。

 「個々のアプリやサービスへ個別にアクセスするのではなく、XenAppのようにVDIとして用意された環境へログインする考え方が有効。その中で提供されるWindowsデスクトップ、モバイルアプリ、Webアプリなどの必要なリソースへ安全にアクセスできる」と竹内氏。これを実現するXenAppは先日、仮想デスクトップのLinuxサポートも実現し、さらに利用・対応範囲を広げた。「Linuxの仮想利用は、低コストなVDIを実現するという点で特に期待されている」(竹内氏)という。

photo XenAppの仮想環境はLinuxにも対応。デモではSUSE Linuxのデスクトップにアクセスしてみせた

 仮想Windowsは、新バージョン「Windows 10」も当然サポートする。Citrixクライアント「Receiver」でのWindows 10サポート(「Receiver for Windows 4.3」を提供)、VDIとしてのWindows 10サポート(準備中)、アプリケーション互換性確認ツール「AppDNA」を利用したWindows 10でのアプリケーションマイグレーションのサポートを順次行っていく。

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