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夢の高速移動システム「Hyperloop」構想も、クラウドERPが後押しSuiteWorld 2016 Report(2/2 ページ)

シリコンバレーのど真ん中、サンノゼでクラウドERPの雄、NetSuiteの年次カンファレンス「SuiteWorld 2016」が開幕した。夢の高速移動ネットワーク「Hyperloop」を開発するベンチャー企業も顧客としてステージに上がった。

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ステージに立ったHyperloop Oneのロブ・ロイドCEO(右)

 昨年9月にCEOに就任したロブ・ロイド氏は、Cisco Systemsで20年働き、プレジデントまで務めたベテラン。4万2000人の大企業からわずか40人のベンチャー企業への転身だ。

 「世界を変えるプロジェクト。これまでの列車のような大量輸送とは違い、行き先ごとに数十人単位で“パケット化”する高速移動ネットワークだ」とロイド氏はインターネットになぞらえる。先週には、ラスベガス郊外で推進システムのテスト走行を公開し、話題をさらったばかりだ。資金調達にも成功し、年内には社員も250人へと急成長する見込みだという。

 「一人ひとりが大胆かつスピーディーに動かなければならない。スピードありき、のビジネスだ」(ロイド氏)

 「スマートヘルメット」を開発・販売するDaqriもNetSuiteの顧客企業だ。


ステージに立ったDaqriのブライアン・マリンズCEO(右)

 この異色のヘルメットには複数のカメラやセンサーが搭載されており、それらで収集するデータを基に、例えば、工場で作業に必要な情報をバイザーに表示して現実世界に重ねることができる。マニュアルなどが表示されるほか、計測器を視野に入れると、正常数値範囲が表示され、その計測器の数値が正常かどうかまで確認できるようになるという。

 同社のCEOを務めるブライアン・マリンズ氏は、「状況に応じて必要な情報を提供し、正しい意思決定を迅速に行えるようにするプラットフォーム」と胸を張る。

 Hyperloop OneやDaqriのようなベンチャー企業がさまざまな業界で大胆な取り組みに挑もうとしているが、クラウドを活用する新しい経営は、伝統的な企業にもスピードをもたらし、さらに競争力を高めてくれるとザック氏は話す。

 「クラウドエコノミーでは、インテリジェンスによるプロセスの自動化や、商品の売り切りだけでなくサービス化まで組み合わせた多様なビジネスモデルのサポートなどがカギになる」(ザック氏)

「クラウド」こそ最後のコンピューティングアーキテクチャ

 この日、NetSuiteは、「Intelligent Order Management」を発表した。単一のシステムとそこから得られるインテリジェンスを生かし、複雑なオムニチャネルの受注と配送を最適化する機能だ。店舗とWebが分断されておらず、在庫管理も同一のシステムで稼働しているNetSuiteだからこそ、オンラインで購入して店舗で受け取る、といった顧客のニーズにも柔軟に応えられる。どの倉庫から出荷すれば最短で最も安く届けられるのかを判断し、顧客体験をより良いものにすることもできるという。

 また、企業が利用ベースのサービス化やサブスクリプション化にも対応できるよう「SuiteBilling」も発表している。商品の売り切りだけでなく、サービス化やサブスクリプション化においても、受注から課金、さらには売上計上に至るまで単一のNetSuiteが処理できるようになるため、企業はこれらの多様なビジネスモデルを組み合わせ、収益の最大化を図ることができるという。

 「千年先までは分からないが、わたしたちが知り得る限り、クラウドは最後のコンピューティングアーキテクチャであり、ビジネスのアーキテクチャでもある」とザックCEOは話す。

取材協力:ネットスイート株式会社

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