Windows 10のアップグレードには従うべき。ただし……:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
ちょっと強引なWindows 10のアップグレードに困惑した皆さん、実は私はセキュリティの観点からアップグレードを強く推奨しています。でも、それを阻む問題が……。
Windows 10がリリースされたのが2015年7月29日。その1年後、2016年7月29日をもって、Windows 7/8.1からの無料アップグレードが終了します。
私は仕事柄、リリース直後にワクワクしながらわれ先にとアップグレードをしていましたが、世間では大変な「嫌われ者」として扱われているようです。Twitterに流れてくる記事を見ても、“いかにこのアップグレードを止めるか”を解説する記事ばかりです。
ある程度のスキルがある人は「言うほど悪くないよ」という感想を持っているようですが、やっぱりOSのアップグレードというのは、普通の人にとってはやっかいなもの。アップグレードではなく「買い換えてしまう」という人も多いようです。それはそれでアリな選択肢ですね。
個人的には、個人で使うOSは「新しければ新しいほどいい」と考えています。そのため、基本的にはなるべく早めにWindows 10にアップグレードして、いまから慣れておくべきだと思います。マイクロソフトは、Windows 10にさえしておけば、今後は細かく高い頻度で、そして自動でアップグレードするとしています。この中には、脆弱性に対する修正も含まれるはず。だからこそ、私は個人で使うPCのアップグレードを強く推奨します。これが「最後のメジャーアップデートである」ならば。
Windows 7から離れられない理由は?
とはいえ、「Windows 7や8.1でとどまりたい」という気持ちも分からなくはありません。「Windows 10にしたら、これまで使っていたアプリが使えなくなるかも」と不安に思う人もいるでしょう。しかし、今やほとんどのアプリはインストールすることなく、ブラウザで使えているものばかりではないでしょうか。
「使い勝手がまた変わる」というのも、Windows 10に移行したくない理由の1つでしょう。マイクロソフトのOSはメジャーバージョンアップごとにコントロールパネルの中身が変わり、どこから設定すべきか全く分からなくなります。Windows 8や8.1におけるスタートメニューの変化は全く意味が分かりませんでした。しかし、これもWindows 10になって落ち着いたと思います。
こうした背景もあり、個人的には「このタイミングで一度、Windows 10を試してみてはいかがでしょうか」と言いたいところなのですが、残念ながら気楽にお勧めできるものではありません。なぜなら「バックアップツールが簡単には使えないもの」だからです。
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