地方自治体の水道をIoTでスマート化、三菱総研らが推進事業
設備老朽化や人口減少などの課題が顕著な地方自治体が経営する水道事業でのIoTおよびサイバーフィジカルシステムの活用を推進する。
三菱総合研究所と日立製作所、NTTデータは7月28日、経済産業省の2016年度「IoT推進のための社会システム推進事業」を受託したと発表した。地方自治体が経営する水道事業でのIoTおよびサイバーフィジカルシステム(CPS)の活用を推進する。
同事業は、経産省が2015年度に実施した「我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(水道事業におけるCPS実装のための調査研究)」の報告書を踏まえて推進するもの。水道事業でのCPS/IoT活用のあり方や、必要となるルール、対処すべき課題などが検討され、2016年度は地方自治体の水道事業を対象にIoTおよびCPSを実装するためのフレームワークとその実現に向けたロードマップを議論する。さらに、議論を踏まえてCPS/IoT活用の具体的なシナリオを実証し、水道事業に限らない社会インフラ分野全般におけるCPS/IoT活用の有効性なども検証していく。
3社によれば、国内の社会インフラは設備老朽化や人口減少に伴う需要減、職員高齢化による技術継承などの課題を抱え、特に給水人口が5万人以下の地方自治体が経営する水道事業では顕著だという。効率性を重視しながらも強じんな水道インフラの構築を実現する上では、CPSやIoTの活用が不可欠だとしている。
事業ではセキュリティなども含めリスクとその対処方法などを併せて検証する。また、「社会インフラCPS/IoT推進マネジメント事業および他の社会インフラへの展開可能性調査」と「水道CPS/IoT実証事業の実施」の2つのテーマに分けて事業を推進する。
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