日本企業のモバイル活用は「顕著な遅れ」 競争劣位とIDCが厳しい評価
米国に比べて活用の成熟度が非常に低く「投資姿勢を改めないと、競争劣位に陥る可能性が高い」と指摘する。
IT専門調査会社のIDC Japanは9月1日、日本企業のモバイル活用状況に関する調査結果を発表した。5段階による導入活用の成熟度では下から2番の割合が最も多く、「米国での同様の調査結果に比べてく遅れが顕著」と厳しく評価している。
5段階の成熟度は、最高のステージ5を「継続的革新」、最低のステージ1を「個人依存」として分類(さらに「未導入」のステージ0がある)。その結果、国内ユーザー企業では、ステージ1が企業が12.8%、ステージ2が55.1%、ステージ3が23.4%、ステージ4が6.6%、ステージ5が2.0%となった。
米国における同様の調査では、ステージ4とステージ5の合計が3割弱を占めるのに対し、国内は1割に満たない状況で、IDCは「米国に比べてモビリティを活用したビジネス競争が活性化されにくい」と分析。さらに、「グローバル競争に晒されている国内企業が投資姿勢を改めないと競争劣位に陥る可能性が高い」と指摘する。
調査は、モバイル活用に取り組む従業員500人以上の企業で、モバイル戦略や計画に関する意思決定関与の部課長職以上の200人にアンケートした。PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの敷田康氏は、「調査結果に安堵する企業があるかもしれないものの、これを差別化のチャンスと捉える企業とそうでない企業では、今後の顧客満足度や従業員の生産性といった領域で競争力に差が出てくるだろう」とコメントしている述べています。
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