「データ分析ツールは“大人のオモチャ”のような存在であればいい」――カブドットコム 齋藤社長(1/4 ページ)
業務改善から新ビジネス創出まで、幅広い分野でデータ分析を駆使しているカブドットコム証券。データ分析ツールの利用者を増やし、データで物事を語る文化はどのようにして生まれたのか? 講演後のパネルディスカッションでその秘密が見えてきた。
社長が自らデータに触れて、分析や活用を進めるカブドットコム証券。同社代表執行役社長の齋藤正勝氏が日本データマネジメント・コンソーシアムが主催するユーザー会で、データ活用の取り組みについて講演を行った。
同社では、社内のメンバーが積極的にBIツールを使い、社内外のステークホルダーのためにデータを分析して顧客満足度の向上に努めているという。講演後のディスカッションでは、参加者からデータ活用に関するさまざまな質問が出てきた。本記事ではその議論の様子をお届けしよう。
Excelは「統計処理」には向いていない!
参加者A: Tableauって単なるBIツールだと思っていたのですが、齋藤さんの利用方法を見ていると、さまざまな可能性があるんですね。
齋藤氏: とても優秀なExcelだと思えば良いんですよ。表示だけではなく計算もできる。僕はMultiplanのころから使っているヘビーユーザーでしたけど、今はExcelはあまり使っていない。もっぱらTableauです。
寺澤: なぜ、Excelを使わないんですか?
齋藤氏: 「全然違うツールだから」としか言いようがないです。昔は履歴書にOfficeが使えると書けば評価されたけど、今はそれが当たり前。今はBIツールを使えると言えば、就職や転職にとても有利になる。うちも社員にBIツール使えると、転職に有利だから使えって言っていたりね(笑)。
寺澤: 昔、マイクロソフトの人と話したときに「Excelには多くの関数が含まれていて、多くの利用者はそれを使えていないので、Excelが持つ本来のポテンシャルを生かせていない」と言っていましたね。
齋藤氏: 関数も多く用意されていますが、実際にはなかなか使いづらく、VBAなども駆使しなければいけません。やはり、Excelはあくまで「表計算ソフト」なのであって、統計処理には向いていませんよ。
寺澤: なるほど。Excelはソフトウェアの成り立ちに従って、表計算がしたいときに使えばいいというわけですね。BIツールは統計処理以外にどんなメリットがありますか?
齋藤氏: インタラクティブであることですね。ユーザー部門が分かりやすい形でデータをDWHに用意して、データをさまざまな角度からスムーズに見ることができる。インタラクティブであるというのは、リアルタイムであるということ。リアルタイムに社内外のデータを提供できれば、リアルタイムな分析もできる。BIシートを配ったり、会議で使ったりすることで、即座に意思決定ができることも良い点だと思います。
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