ベリタス、AWS対応のシステム復旧支援ソフトを発売
異機種混在環境のデータセンターで稼働するシステムがダウンした際に、待機系システムを用いた迅速な復旧作業を支援するという。
ベリタステクノロジーズは2月10日、データセンター向けのシステム復旧支援ソフトウェア製品「Veritas Resiliency Platform」(VRP)を発表した。同月7日から提供している。
同製品は、海外では既に提供されており、最新版のバージョン 2.1から日本での提供を本格的に始める。異機種混在環境で稼働するシステムが災害や障害などでダウンした際、バックアップサイトに用意された待機系システムを用いての復旧が迅速にできるという。
記者会見したインフォメーション・アベイラビリティ・アーキテクトの星野隆義氏によると、近年はクラウドを活用してシステムの災害復旧(ディザスタリカバリ=DR)対策を講じるケースが徐々に広まっている。
ただ、DRのためにデータをクラウド環境へバックアップしていても、数百システムもの規模ではデータをリストアして復旧させるために非常に長い時間がかかるほか、不慣れな復旧作業に手間取ったり、人員を急いで確保したりしなければならないなど、多くの課題が存在するという。
VRPは、オンプレミスで稼働する本番系システムの復旧先として、パブリッククラウドサービスのAmazon Web Service(AWS)やDR専用のデータセンターを選択できるという。同社のデータセンター向けバックアップソフト「NetBackup」やVRPのデータ転送用アプライアンスと連携し、障害が発生したシステムからDRサイトにある復旧システムへの更新データの転送と、復旧用システムへのデータのリストアおよび立ち上げまでを1つの管理画面上で操作できるとしている。
星野氏は「複雑なシステム構成などの現状を把握し切れていないなどの課題があり、VRPではシステム状況を可視化し、作業を簡素化することで迅速な復旧を可能にしている」と説明する。
先行提供されている海外では、電力会社がシステムのDR対策で導入しているなどのケースがある。国内提供に際しては、伊藤忠テクノソリューションズが日本語のOS、ハイパーバイザー上での動作を検証を開始したという。
想定ユーザーは、100台以上の仮想マシンでシステムを運用している企業やデータセンター事業者、DRサービスを提供するクラウド事業者など。ソフトウェアの利用料は、ベースとなる仮想アプライアンスが1仮想OSあたり年間5万2700円(税別)、データ転送用アプライアンスが転送データ量1GBあたり100円(税別、例えば1TBでは年間約10万円)となる。
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