日立グループ、フィジカルセキュリティデータを一元管理する統合プラットフォームを開発
日立製作所とグループ会社3社は、フィジカルセキュリティデータやIoTのセンサーデータを一元的に収集・蓄積・分析する統合プラットフォームを発表。人やモノの動線・動作・状況を分析することで、業務改善や経営課題の解決を支援する。
日立製作所とグループ会社の日立産業制御ソリューションズ、日立国際電気、日立システムズは3月22日、監視カメラや入退室管理システムといった各種フィジカルセキュリティシステムのデータやIoTの各種センサーデータなどを一元的に収集・蓄積・分析する基盤として、統合プラットフォームを開発したと発表した。
同社によると、フィジカルセキュリティデータは、従来それぞれのシステム内で独立して扱われており、複数のシステムが導入されることが多い監視や入退室管理業務などの現場では、異なるシステム間でのデータ共有ができず、監視情報の分断やオペレーションコストの多重化といった課題が生じていたという。またIoTの進展とともに、各種センサーデータを収集・分析して業務改善や経営課題の解決を行うデジタルトランスフォーメーションの実現に向け、フィジカルセキュリティやIoTのデータをビッグデータとして活用するニーズも高まっているという。
今回開発されたプラットフォームは、監視カメラや入退室管理システムなどの各種フィジカルセキュリティデータを一元的に収集・蓄積し、対象データを見える化することができるという。
またIoTの各種センサーデータの収集・蓄積にも対応しており、フィジカルセキュリティデータと併せて、AIやアナリティクスソフトウェアで人(従業員、来訪者など)やモノ(設備、在庫、業務環境など)の動線・動作・状況を分析することで、業務改善や経営課題の解決につなげることができるという。
これにより、従来の課題を解決し、セキュリティの向上に加え、セキュリティへの投資を業務改善や経営課題の解決へも活用できるという。
日立グループは今後、このプラットフォームを活用し、顧客のセキュリティ向上や業務改善・経営課題解決に貢献するソリューションを順次開発し、電力、交通、製造、空港、物流、金融、自治体・街区などを対象に大規模案件を中心にソリューションを提供していくとしている。また、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」と連携し、さまざまな分野に対応していく予定だという。
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