LoRaWAN網でガス・水道メータからデータ収集――福岡市でIBMなどがIoT活用の実証実験
日本IBMなど7社は、福岡県福岡市にてIoT向け通信技術「LoRaWAN」を活用した実証実験を行う。LoRaWANネットワークーで、都市ガスメーター、LPガスメーター、水道メーターからデータを収集し、通信性能などを検証する。
アズビル金門、グリーンハウス、セムテック・ジャパン、東京エレクトロンデバイス、日本IBM、Braveridge、菱電商事の7社は3月30日、IoTを活用した住みやすい社会インフラの構築に向け、長距離無線通信を低消費電力で実現する通信技術「LoRaWAN」を利用した実証実験を福岡県福岡市で行うと発表した。実証実験の期間は2017年4月から7月の予定。
福岡市は、実証実験フィールドの調整や提供などの面で連携・協力する予定。また、2017年度に市内広域にLoRaネットワークを構築し、誰もが利用可能な実証環境整備を行うことで社会実装や事業化に向けた実証実験を促進し、新たなイノベーション創出を目指すとしている。
LoRaWANは、低消費電力で長距離通信を実現するIoT向けLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの1つで、米SEMTECH、米IBMなどによって設立されたLoRa Allianceを通じて標準化が推進されているオープンな国際無線通信規格。10キロを越える長距離の無線通信を低消費電力で実現し、広範囲に配置されたセンサー機器からのデータをわずかな消費電力で収集できる。電源の確保や長距離通信といった課題に対応できる通信方式として注目されている。
今回の実証実験では、福岡市西区にあるBraveridgeの本社を拠点にLoRaWANネットワークを構築。都市ガスメーター、LPガスメーター、水道メーターからのデータを収集して、通信性能を検証し、実用化に向けた課題点の洗い出しを行う。
また、街の安全安心を高める実証として、河川などの水位モニター、大気環境のモニタリング、多機能通知ボタンなどの検証も実施。さらに、「スマートゴミ箱」の多面的活用を実証する。
これにより、LoRaWANを利用したデータの活用方法、今後の適用分野の検討を開始し、福岡市に世界的に注目されるLoRaWAN実証プラットフォームの構築を検討していくという。
実証実験での各社の担当として、アズビル金門は都市ガスメーター・LPガスメーター・水道メーター、グリーンハウスLoRaWANセンサーデバイスを提供。
セムテック・ジャパンはLoRa無線の技術支援、東京エレクトロンデバイスはデバイスモジュールの検証、日本IBMは自社の「LoRaWAN for Watson IoTソリューション」を利用し、IoTの基盤となるサービス「Watson IoT Platform」や「IBM クラウド」の利用支援に取り組む。
またBraveridgeは独自開発の「LoRaWAN&BLEモジュール」と「LoRaWANスタックon BLEスタック」を基にエンドデバイス製品の開発と製造を、菱電商事はゲートウェイを中心としエンドtoエンドでの検証を行い、トータルソリューションを実施する。
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