コグニティブ技術で銀行の業務変革を支援する「Smart Branch」、日本IBMから
日本IBMは、コグニティブ技術を活用し、銀行の業務変革の支援を強化。営業店を起点とした業務変革を支援する「Smart Branch」と、新たなビジネスモデルの創出を支援するデータ活用の場「IBM データ・オン・クラウド」を発表した。
日本IBMは4月7日、コグニティブ技術を活用した銀行の業務変革支援を強化し、次世代の営業店向けソリューション「Smart Branch(スマート・ブランチ)」と、IBMクラウド上のデータマーケットプレイス「IBM データ・オン・クラウド」を発表。同日にサービス提供を開始した。
同社によると、銀行業界は顧客志向経営、業務の効率化や高度化、ビジネスモデルの変革がより一層求められているという。従来、主要な銀行業務は帳票や現金といった物理的なものを扱っていたが、今後は「データ」がその役を担い、顧客は自身の都合に合わせていつでもどこでも取引や手続きができるようになるとしている。
Smart Branchは、営業店を起点とした業務変革を支援するソリューションで、セルフオペレーションスタイルの確立、RPA(ロボティクスプロセスオートメーション)などを実現するためのコンサルティング、システム構築を提供する。行員の業務効率化、顧客ごとのパーソナライズされたサービス、24時間365日のサービス提供や無人店舗の展開など、さまざまな観点からの営業店業務の変革を実現するという。
既存データを流用することで、インプットする項目を最低限のものとし、形成されたデータを行内にも、業務提携先にも連携することで、必要なオペレーションを大幅に簡潔化、スピード化できるほか、行員による承認や取引時の確認などは、コグニティブコンピューティングで自動化し、新しいオペレーションスタイルや顧客接点を提供するとしている。
IBM データ・オン・クラウドは、データ提供企業、データ利用企業、サービスプロバイダー向けに、IBM Bluemix上でAPIによるデータ活用の場として提供されるデータマーケットプレイスだ。
データ提供企業とデータ利用企業双方のデータのやりとりだけではなく、サービスプロバイダーはデータの価値を向上させた新規サービスを開発できる。銀行業だけでなく、小売業、公共機関、サービス業といった異業種が参画することで、既存の銀行業務の枠を超えたデータ活用と業務連携が可能という。
IBM Bluemix上に構築しているため、データ提供企業やサービスプロバイダーによって新たに作成されるAPIや、IBM WatsonをはじめとしたIBM製APIとの連携が容易で、さまざまな分析や業務アプリケーションを高速に開発、導入できるとしている。
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