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SuiteWorld 2017 Report:

ぴったりフィットするクラウドERPスイート? Oracle傘下のNetSuiteが常識を覆す新モデル (1/2)

クラウドERPの雄、NetSuiteがOracleによる買収後、初となる年次カンファレンス「SuiteWorld 2017」をラスベガスで開催した。クラウドの強みをさらに生かすべく、ERPの常識を覆す新たなモデルを発表した。

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会場となったベネチアンホテル

 目抜き通りには、テーマパークのような巨大な名門カジノホテルが軒を連ねるラスベガス。今ではもっぱらデジタル家電の祭典であるCESで訪れる街となりつつあるが、かつては世界最大級のCOMDEXが開催され、コンピュータ業界のメッカだった。

 クラウドERPの雄、NetSuiteは米国時間の4月25日、ネバダ州ラスベガスのベネチアンホテルで年次カンファレンス「SuiteWorld 2017」をスタートさせた。これまでは身の丈に合わせてサンフランシスコのホテルやサンノゼのコンベンションセンターを会場としてきたが、まるでOracleによる買収に合わせるかのようなタイミングで初のラスベガス開催を果たした格好だ。

 世界の顧客企業が4万社を超えたNetSuiteは、企業のERP/財務会計および顧客管理、e-コマースなど、業務全体を単一の統合されたクラウドスイートでカバーしようという野心的なもの。総勘定元帳を単にコンピュータシステムに載せ換えるという発想ではなく、顧客レコードにひも付けて全ての情報を一元管理することで、営業、サポート、財務会計、配送、請求書など、さまざまな業務を継ぎ目なく進めることができるほか、ビジネスインテリジェンス機能とダッシュボードを併せて提供し、経営の「見える化」はもちろん、プロセスの自動化まで視野に入れているのが大きな特徴だ。

 ERPではさまざまな業界で求められる機能を一つ一つ満たしていく必要があり、やはりそれなりの時間がかかる。Oracleの技術者だったエバン・ゴールドバーグCTOが、総帥ラリー・エリソン氏の出資を得てNetSuiteを創業したのは、COMDEXが華やかなりし1998年のこと。もう20年近く前のことだ。「ネット上で一つのシステムを」というアイデアが実を結ぼうとする今、彼は古巣への売却を決めた。「Next Starts Now」という今年のSuiteWorldのテーマには、彼の思いが込められているのかもしれない。

サプライズ! Oracleのマーク・ハードCEOが飛び入り


Oracleのマーク・ハードCEO

 「4万社の顧客に感謝したい」

 開口一番、そう勢い良く話したのは、オープニングの基調講演にサプライズで登場したOracleのマーク・ハードCEO。ステージには上がらず、聴衆に直接語り掛けるスタイルはいつものとおりだ。

 「NetSuiteは独立した事業部門として維持され、顧客はこれまでのサービスや契約をそのまま継続できる。さらにOracleは積極的にNetSuiteへ投資し、新興企業からグローバル企業にも利用してもらえるクラウドERPナンバーワンの地位をより確かなものにしていく。それはOracleのクラウド戦略にとってカギとなるものだ」(ハード氏)

 会場の顧客からSAPとの競合について質問が出ると、「彼らはS/4HANAでデータベースを書き直すことにしたが、それは大きな誤りだ。われわれはクラウドERPナンバーワンのNetSuiteに投資し、シェアを奪っていく」と応じた。


NetSuite部門を引き続き統括するジム・マッギーバー執行副社長

 これまでNetSuiteの社長を務め、買収に伴って執行副社長として引き続き同事業部門を任されたジム・マッギーバー氏も、Oracleの傘下に入ることで、グローバル化、新たな人事管理アプリケーションの追加、そしてすぐに使える業界別ソリューションなど、顧客はより多くの恩恵が得られるとする。

 例えば、NetSuiteは今後、Oracleの営業オフィスやデータセンター、R&Dの拠点とそのリソースを顧客のために活用していくことができる。

 マッギーバー氏によれば、営業拠点は、欧州、中南米、中国、インドで新たに13カ所が開設され、合計26カ所へと倍増するほか、データセンターも日本を含むアジア太平洋地域を中心に6カ所開設され、こちらも倍増以上の11カ所となる。さらに日本、中国、インドなど4カ所で開発拠点も開設されるという。

 「日本ではセールスも開発も専任を増やしていく。日本企業のビジネスを理解するのは極めて重要だ」とマッギーバー氏。

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