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「Windows 10 Fall Creators Update」徹底解剖――企業が今すぐ移行すべきOSか?Enterprise IT Kaleidoscope(1/4 ページ)

10月に配信が始まった「Windows 10 Fall Creators Update」。企業向けには、セキュリティ機能を中心に大幅に強化された。今回はその機能を細かく解説していく。

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 10月17日に配信が始まった「Windows 10 Fall Creators Update(バージョン番号1709)」は、コンシューマー向けにはMixed Realityなど、先端的なVR機能などが搭載された。その一方で、企業向けの機能も多数強化されている。

 Windows 10 Fall Creators Update(以下、Win10 FCU)においては、OS自体が提供する機能よりも、クラウドを含めた機能強化が行われているのが特徴だ。今回はその機能を詳しく解説していこう。

Fall Creators Updateで進化した、企業向けセキュリティ機能をチェック

 Win10 FCUの企業向け機能としては、2016年8月にリリースした「Anniversary Update」で追加されたアンチウイルスやファイアウォールなどの機能を持つ「Windows Defender Advanced Threat Protection(WDATP)」が強化された。

 それに加え、ブラウザのEdgeをコンテナ化し、不正なWebサイトにアクセスしても、ウイルスなどがクライアントPCに侵入しないようにする「Windows Defender Applicaiton Guard」、廃止された脆弱性緩和ツールのEMETを進化させた「Windows Defender Exploit Guard」などのセキュリティ機能が追加されている。

photo Windows 10 FCUの企業向け機能は大幅に追加されたわけではない。OS自体よりもクラウドを前提としたサービスが拡充されたイメージだ

 WDATPは、Windows 10に搭載されているセキュリティ機能のWindows Defender、AppLocker、Device Guardからの情報をクラウドで一括管理できるソリューションだ。利用するにはWindows 10 Enterprise E5などのライセンスが必要になる。

 WDATPは、ウイルスなどの侵入を防ぐというよりも、侵入した後の検知や対策などに特化したソリューションだ(侵入防止については、Windows Defenderなどの対策ソフトウェアが対応する)。進化するセキュリティ上の脅威をいち早く検知し、クラウド上の管理ポータルから、どのクライアントにウイルスが侵入しているのか、普段とは異なる動作をしているのか、といった情報を瞬時に把握できる。

photo クラウド上の管理コンソールから各クライアントのセキュリティを確認できる。
photo トラブルを起こしているクライアントのプログラムをクラウドのコンソールから確認できる

 社内のクライアントからの情報に加え、Microsoftが持つセキュリティ関連の情報も管理できる。新たな脅威に関しても、Microsoftやセキュリティパートナー企業からの脅威情報データベースを参考にし、脅威が社内にまん延する前に防げるというわけだ。

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