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情シスが“運用を手放す”第一歩に? オラクルが「自律型データベースクラウド」を出す理由Weekly Memo(1/2 ページ)

本連載も今回で500回目。この節目となるタイミングで、これもまたエンタープライズIT市場動向の大きな節目となりそうな「自律型データベース」をオラクルが国内で発表したので取り上げたい。

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クラウドプラットフォームの“フラッグシップ”

 「新サービスは、オラクルが提供するクラウドプラットフォームの中でもフラッグシップとなるものだ」――。日本オラクルの竹爪慎治 執行役員クラウドソリューション営業統括は、同社が4月19日に開いた新クラウドサービスの国内での提供開始を発表した会見で、こう強調した。

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会見に臨む日本オラクルの竹爪慎治 執行役員クラウドソリューション営業統括

 新サービスの名称は「Oracle Autonomous Database Cloud」。すなわち、オラクルの主力製品である「Oracle Database」に「Autonomous」(自律)機能を持たせて「Cloud」にしたものだ。米Oracleが2017年10月に自社イベントで発表し、2018年3月に米国で提供開始した。

 米国の発表では、同社の創業者であるラリー・エリソン会長兼最高技術責任者(CTO)が「AI(人工知能)技術を活用した世界初の自律型ミッションクリティカル・データベース」であることを強調するとともに、クラウドサービスで先行するAmazon Web Services(AWS)への強い対抗意識を示したことでも話題になった。

 今回の日本での発表会見では、Autonomous Database Cloudは「Oracle Databaseをお使いの既存のお客さまだけでなく、データを活用した新しいビジネスやサービスでイノベーションを起こしたいという新規のお客さまにもお使いいただきたいデータ管理プラットフォーム」(竹爪氏)として提案していく考えを示した(図1)。

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図1 Oracle Autonomous Database Cloudの位置付け

 また、図2を示しながら、Autonomous Database CloudがこれまでのOracle Databaseの30年以上にわたる進化を経て登場してきたことを強調。特徴としては、機械学習技術をベースとして、全ての管理・拡張・監視・チューニングの自動化を行う「自動管理」(Self-Managing)、外部からの攻撃や悪意のある内部ユーザーからの防御を行う「自動保護」(Self-Securing)、計画停止を含む全てのダウンタイムからの保護を行う「自動修復」(Self-Repairing)といった3つを挙げた。竹爪氏によると、それぞれのユーザーメリットとしては、自動管理がコスト低減と生産性向上、自動保護がリスク低減、自動修復が事業の継続性への貢献だとしている。

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図2 Oracle Databaseの30年以上にわたる進化

 なお、日本オラクルではAutonomous Database Cloudの第1弾として「Autonomous Data Warehouse Cloud」を提供開始し、2018年夏に「Autonomous OLTP Database Cloud」をリリースする予定だ。これらの詳しい内容については発表資料をご覧いただきたい。

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