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2005/03/01 21:34 更新

アジア オンラインゲーム カンファレンス2005:
Xbox、そしてXbox Liveはプラットフォームの垣根を取り除くのか

2月28日、3月1日にかけて行われている「アジアオンラインカンファレンス2005」。マイクロソフトのセッションでは、Xbox事業本部アドバンステクノロジー部の久田圭彦氏が、「Xboxの提供するオンライン・ゲーム環境」と題して講演を行った。

Xbox Liveの現状と今後の展開

 Xbox Liveとは何か?からセッションをスタートさせたXbox事業本部アドバンステクノロジー部の久田圭彦氏。Xbox Liveとは「ブロードバンド専用に設計されたXboxのオンラインゲーミングサービス」のことで、その主な機能は「ボイスコミュニケーター」「ゲーマータグ」「フレンドリスト」「プレイヤーサーチ」「ダウンロード」などに分類される。

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マイクロソフト Xbox事業本部 アドバンステクノロジー部の久田圭彦氏


 日本でサービスが開始されてから2年が経ち、全世界におけるXbox Live加入者は140万人を超えているとのことだ(2005年1月20日時点)。これには全世界で640万本以上を売り上げた「Halo2」の効果が大きいという。

 「Halo2」はオンラインでのプレイ時間が9100万時間に到達しているタイトルで、1セッションあたりの平均接続時間が92分に達しているとのこと。この92分という数字を久田氏は「1回のゲームで、ログインしてサーチするまでが2〜5分、プレイ自体は10分程度で終わりますから約15分くらいになります。つまり、1回の接続で6ステージはプレイしているということです」と説明してくれた。

 また、久田氏はXbox Liveのビジョンを、悪い意味ではない「中毒になる」こととしている。これは別の言い方をすればハマらせることを意味しているのだろう。「魅力がないと意味がない」と続けた同氏の言葉はそれを証明していたように思う。

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Xbox Liveのビジョンはこのようになっている。その中から久田氏は「中毒」という言葉を抜粋して説明してくれた


 Xbox Liveの今後、つまり次世代のオンラインゲームに関しては、昨日講演を行ったスクウェア・エニックスの和田氏と同じ見解、「前世代の3Dのような革命的な出来事が起こる」と予想している。現状で取り組むべき点としては、「今後はほとんどのタイトルをオンラインに繋げるように要請していきたい」と語ってくれた。

 またここでのテーマとなっていたXbox Liveに関しては、「あくまでコンソール専用であり、インターネットではない」と強調。ビデオチャットやボイスコミュニケーターといった機能は、あくまで「基本的な考え方」が実現したものであると説明した。

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ゲームを楽しむための、ゲームに使われるための機能であるXbox Live。基本的な考え方を実現した今、今後どのような楽しみ方が提供されるのだろうか


 Xbox Liveの特徴としては、ポータブルなアカウントが実現されていることで、特定のXboxに依存しないという構成が取られている。これはアカウントさえ持っていれば、友人宅のXboxからでもXbox Liveに繋げられるようになっていることを意味している。

 また、今後はダウンロード機能にも力を注いでいくつもりだという。これには「リアルタイムの統計データ、天候状況」「単体、コース、戦闘機、武器などのアップデート」が挙げられた。

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すでにワールドワイドでのオンラインを展開しているXboxには、リアルタイムの統計データを採取するのも難しいことではないのか?現地の状況とリアルにリンクするというのは面白い機能だろう


 前者に関して久田氏は「たとえばゴルフゲームをプレイしていて、場所がハワイだったとします。ここで3月1日の現地の状況をリアルタイムで把握しダウンロードすることで、あたかも自分がそこにいるかのような状況を作り出すことができる」と説明した。

 他にも検索機能やボイスコミュニケーションを使いマルチプレイヤーゲームを目指す点や、マイクロソフトがまとめて料金を徴収することでのユーザー、メーカー双方へのメリットのあるシングルリビングの構築。子どもが勝手にアカウントを作成できないようペアレンタルコントロールシステムを確立し、グローバルなXboxコミュニティを作る点などが今後の課題として挙げられた。

 では、Xbox Liveの環境をここまで整えてマイクロソフトは何を目指すのか?これに対し久田氏は「世界中のすべての人々に、ビジネスの可能性を最大に引き出すための支援を行うこと」だと語る。なお、この「支援」とは、如何に面白いゲームを作ってもらうか、開発だけに集中できる環境をいかに提供するか、という意味になるとのこと。

Xbox Live Arcade、XNAの導入は何を生み出すか

 北米では2004年11月にサービス開始がされた「Xbox Live Arcade」。これは新しい「カジュアルゲーム」のダウンロードサービスのことで、提供されるゲームはボイスチャットやスコアランキングのアップロードなど、Xbox Liveの基本機能に対応しているという。

 日本でのサービスは今春を予定しているので、まだ提供されるタイトルなどは明らかにされなかったものの、最新のゲームリストからお気に入りのゲームをダウンロードできる予定になるとのことだ。

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「Xbox Live Now」に続いての新機能「Xbox Live Arcade」。実際にどのようなものかを見ることはできなかったが、オンラインを使った新たな楽しみが追加されるのは間違いなさそうだ


 また、発表こそされていたものの、今ひとつピンとこない「XNA」に対しての詳しい説明も行われた。XNAはWindowsやXbox、Mobileなどに共通の開発フレームワークを与えるもの。これによりマイクロソフトがメーカーに対してのイニシアチブを取ることが可能になるという。

 とは言え、マイクロソフトだけが便利になる機能ではもちろんない。共通の開発フレームワークである、ということはプラットフォーム別に開発を行う煩わしさが解消されることでもあるからだ。「これまでの開発というのはゲームを作る準備段階で80%の労力がかかっていた。これがXNAにより逆転、つまり開発自体に80%の力を注げるようになる」と久田氏はXNAの効果を語る。

 ただしその先にあるもの、「どういったことが可能になるのか、どういったビジネスモデルを構築することができるのか? というアイディアは、ぜひゲームクリエイターの皆さんにも考えてもらいたい」と述べた。

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すべてのプラットフォームの土台となりえるXNA。ワールドワイドという考え方だけでなく、ゲーム機自体も統一してしまおうとする試みは圧巻だ


 単にソフトを作るだけではなく、それにより日本のゲーム市場をどう拡大していくのか、ユーザーにどんな新しい世界を提供できるのか? ある意味では開発の準備以上に労力のかかる命題だろう。だが、それを敢えてつきつけるマイクロソフトからは、本気で「支援」しようとする姿勢が伺えた。

 最後に、質疑応答にて「Xboxでのオンライン利用においての支払い方法」についての質問が出たので紹介する。現在、Xboxでオンラインを利用する際の支払いはすべてクレジットで行われている。これに関して久田氏は「ワールドワイドで一元化を図ったためにクレジットになった。だが、今後はクレジット以外も想定しており、実際にそうなるように動いている。」と回答してくれた。

 これまでXboxオンラインゲーム、Xbox Liveの導入にあたって、クレジットカードという壁に苛まされてきたユーザーは多いと思う。その問題が解消されるというのは、意外な効果を生み出す可能性があるかもしれない。

[ITmedia]

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