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2005/04/04 21:35 更新


フロム・ソフトウェアが新機軸打ち出す「アドベンチャープレイヤー」を発表

本日、フロム・ソフトウェアは、データを入れ替えるだけで様々なアドベンチャーゲームが楽しめるPSPの機能を使った新しい遊びを提案。ゲームを“あそぶ”から“つくる”、そして“みせる”へ。

 4月4日、フロム・ソフトウェアはPSP用ソフト「アドベンチャープレイヤー」の説明会を開催。PSPの新しい可能性を提示した。

 「アドベンチャープレイヤー」(以下、ADVP)は、既存の1つのゲームソフトから1つのゲームという枠を取り払い、データを入れ替えるだけで様々なアドベンチャーゲームが楽しめるソフト。ユーザーはパソコンでADVP公式サイトにラインナップされたゲームコンテンツをダウンロードし、それをPSPのメモリースティックデュオにセーブ。PSPのランチャーで表示されたデータをセレクトするだけで遊ぶことができる。コンテンツのダウンロードは無料。

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はじめに挨拶に立ったフロム・ソフトウェア代表取締役・神 直利氏は「ADVPは目のあたりにしないと大変わかりづらいソフトで、決してアドベンチャーゲームそのものではない」と前置き。その上で、「ADVPはPSPの新しい機能とPCやネットとの親和性、個人とのつながりで面白いことができないかと模索した上での画期的なタイトルとなる」と発言

 ADVPは、コンテンツデータを入れ替えるだけで様々なアドベンチャーゲームを楽しめる再生エンジンだ。ユーザーはゲームで遊ぶだけでなく、オリジナルコンテンツを作ってほかのユーザーに見せたり、メモリーステッィクやインターネットを利用して、世界中に配布したりすることができる。

 これがADVPのもうひとつの特徴である専用のゲームデータ製作ツール「ADVPスタジオ」だ。これを使えば、パソコンで誰でもゲームを創ることが可能で、パソコンソフトで描いた画像や、デジカメで撮影したデータも取り込める優れものなのだ。。ゲーム以外にもスケジュール管理ソフトやオリジナルアルバムといった様々なジャンルのコンテンツが製作できる。ADVPスタジオは無料で配布もしくはダウンロードできる。

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 作ったコンテンツデータはPSPで他のユーザーに見せるだけでなく、メールやメモリースティックデュオを利用して、自由に配布交換可能。また、無線LANでPSP同士直接データをやりとりすることも。さらにインターネットでデータを公開すれば、世界中のユーザーにオリジナルコンテンツを配布することができる。アイディアとセンス次第ではここからヒット作品が誕生することもあるのだ。ユーザーがプレイヤーとして、時にはクリエイターとして参加することで、ADVPのコミュニティは無限に広がっていく。

 ADVPスタジオはパソコンを介さないとゲームの製作ができない仕様になっているが、パソコン上で製作したゲームはPSPに落とさないと遊ぶことはできない。ただし、ゲームのシーンごとの確認はできるため動作確認などは可能とのこと。

 ADVPプロデューサー谷口篤士氏は、アドベンチャーゲーム製作ツールとして打ち出しが強い分、取っ付きが悪いことも懸念されることから、ADVPには最初から3本のアドベンチャーゲームコンテンツを製品内に同梱することを発表。

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同梱される3タイトルは「ホラー」でまとめたとADVPプロデューサー谷口篤士氏

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続いて、同梱されるホラー3部作の説明をコンセプトデザイン部の柳 暁氏が説明。実際にADVPスタジオを使って写真を取り込み、いわゆるサウンドノベルのようなゲームを製作して見せてくれた

 ADVPを起動させると通常のゲームとは異なり、ランチャーが表示、そこで立ち上げるデータを選択することになる。メモリースティックに入れたデータはそこに追加するといった流れ。ADVPは絵とテキストとプレイヤーの入力という3つの組み合わせでできており、ゲーム製作も簡単にできることを実演してくれた。

 同梱される3タイトルは以下のようなラインアップ。

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 「怪奇圏」――俗にいうところのサウンドノベル。コンセプトは究極の2択。誰しもが日常で起こりうる身近なシチュエーションで怖い選択を迫られる構成だ。絵とテキストを表示するだけだが恐怖を演出できるとして同梱。シチュエーションの異なる3話を収録予定だ。

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 「ECHO NIGHT #1」――1998年にプレイステーションで発売した3Dリアルアドベンチャーの続編であり最新作。漂流する豪華客船が舞台となっており、そこに留まっている亡霊の願いを叶えていくというアドベンチャーゲーム。こちらは絵とテキストのほかに、「場所移動」や「調べる」などのコマンドを使用して進めていくことでゲームが展開していく。

 「ハコノナカ」――思考型ゲーム。コンセプトは想像力の喚起。白と黒の線画のみを使用し余計な装飾を排除、プレイヤーの想像力を誘導している。コマンド選択で進めるゲームで、プレイヤーは配達人となり、返ってきてしまう郵便物を館の主に届けるために、館の中に仕掛けられたトラップや障害をコマンド選択によって排除していく。

 このような3タイトルがADVPスタジオで製作ができるとのこと。ただし、グラフィカルなものに関しては、ADVPスタジオでも難しく今後の課題として、フロム・ソフトウェアから順次提案していきたいとしている。

 この後、現在開発が進んでいる公式サイトから、無料ダウンロードできるコンテンツ郡が紹介された。開発途中とのことだが、多岐に渡るタイトルが発表された。

 カーソル選択やメニュー画面を組み合わせたパズルゲーム「TRY ANGLE ROAD」や、カーソルウィンドーを大きく4つにとってクイズにした「クイズ 医食同源」、絵とテキストで楽しめる“もしも昔話の主人公が別の昔話に入り込んだら”という読み物系の「とりかえものがたり」、バーチャルな女の子キャラクターと顔文字を使用しての会話を楽しむコマンド選択型の恋愛シミュレーション「ラブ☆ラブ スマイリーフェイス」。

 星座にまつわるエピソードをクイズ形式で楽しめるだけでなく勉強にもなる星座の早見表「STAR BOOK 十二の星座」や、手軽に文学に楽しめるコンテンツとして「文学ノ扉 -罪と罰-」、パラパラ漫画を使用してルーレットで運勢を占うミニコンテンツ「アニマル・ラッキー ルーレット」など誰でも製作できそうなコンテンツも用意。

 さらに、デジカメを使用してのコンテンツもあるアドプレアドレスシリーズの「華彩ななのアドプレアドレス」のように、グラビアタレントの華彩ななとの旅行日記が楽しめるフォトビューワーなどもある。また、「IQ診断 知識の泉」や、絵を見ながら英会話をクイズ形式で答える「Welcome to English」などの知識系コンテンツも充実。「とりかえばや〜」と同じようにイソップ物語のストーリーに“if”を設定した「きまぐれイソップ」などの読み物系も取り揃えている。

ちなみにADVPスタジオなどで製作したデータは、アドホック通信によって交換が可能だが、公式サイトからのコンテンツに関しては、暗号キーが施されておりデータを渡すことはできないようになっている。

 ほか、ゲーム会社のIPを使用することで、新たなコンテンツの参加も発表された。参入メーカー第一弾として、アルティの龍堂龍之介探偵日記シリーズより「琥珀色の遺言」とJ・B・ハロルドシリーズより「マーダー・クラブ」の2作品がリリースされる。今後も参入メーカーを募り増やしていく予定だ。

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ソニー・コンピュータエンタテインメント コーポレート・エグゼクティブ佐伯雅司氏は映像で参加。「PS2発売からPSP発売までの5年間で一番変化したことは、PCがごく普通なものになったこと。PSPの記憶媒体がメモリースティックに対応したのもそういう理由であり、PCとの親和性も強いADVPならば、受動的な遊び方から能動的な遊び方をユーザーに示唆できる。意欲的なソフトなだけにぜひ成功してほしい」と応援コメントが届いた

 続いて宣伝部の瀬川圭一郎氏から販売戦略プランが説明――「個人をつなぐ新しいコミュニケーションツールとなりえるADVPは、昨今のブログの流行など、個人からの情報の発信はますます盛んになっていく世情にあったタイトル。遊ぶだけでなく、発信して遊ぶという楽しみを見出してほしい」と、“あそぶ”から“つくる”そして“みせる”へと進めていく動機付けが説明された。

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 「あそぶ」の動機付けとして、ダウンロードコンテンツの充実によってADVP&PSPでの話題性を作り、新しいライフスタイルを提案。それにより創作意欲が喚起できるようADVPスタジオの重点配布により作ることができることの認知度を向上させ、WEBサイトなどでの制作紹介や雑誌編集長制作などでの話題作りを経て、インディーズ作品の充実ぶりで自分でも作ってみようと喚起、ゆくゆくは自己表現の啓蒙としてユーザー作品の正式コンテンツ化やゲームポータルなどからの配信、コンテストなどの実施などで見せることをケアしていきたいと述べた。

 ADVPは、PSP所有ユーザーだけでなく、ツクール系のオリジナルコンテンツを作成したいと思う層と、既存の自作品を発表する場を探しているクリエーターや、新旧アドベンチャーゲームファンを狙っており、他業種とのコラボも視野に入れて展開している。その例として、アミューズメントメディア総合学院やスターダストプロモーションとの提携を挙げた。

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アミューズメントメディア総合学院 ゲームクリエイター学科 プロデュサー 小宮英武氏は、学生作品をインディーズコンテンツとして公式サイトにてラインナップすることや、学内教材としてADVPを導入することを明かした

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スターダストプロモーションからは長谷川みねひこ氏と3人のタレントが駆けつけ、5月よりはじめるスターダストオーディションにおいて「ADVPフォトジェニック賞」を設置、受賞者にはDVDや写真集、少年漫画誌の表紙、巻頭グラビア展開に加え、ADVPの公式コンテンツにおいて主演として出演することを発表

 所属タレントが出演する公式コンテンツも予定しており、ミスマガジンコンテスト2003 審査員特別賞の天川美穂さんとバーチャルデートが楽しめるゲームも披露された。

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本日ゲスト・右からヤングジャンプ制服コレクション2005準グランプリ・松原静香さん。第29代クラリオンガール・葵さん。ミスマガジンコンテスト2003 審査員特別賞の天川美穂さん

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神氏は「10年くらいゲームを作ってきているが、最近は作らされている感があったので」と、クリエイティブよりな作品であることを強調した

 ADVPスタジオの気になる点として、自ら画像を取り込み製作できる構造上、著作権や肖像権などに抵触する可能性がある。一応、ADVPスタジオを導入する際、誓約書を交わすことになるのだが、根本的な問題解決にはならないと予想される。悪質な著作権無視や肖像権を侵害するゲームデータなどについてはメーカー側が発見次第削除、取締りをするとのこと。このグレーゾーンの整備をどうするのかは今後の課題であろう。

(C)2005 FromSoftware,Inc.All rights reserved.
ADVENTURE PLAYER(アドベンチャープレイヤー)
対応機種PSP
メーカーフロム・ソフトウェア
ジャンルアドベンチャーゲームツール
発売日2005年6月30日
価格3990円(税込)

[加藤亘,ITmedia]

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