Xbox 360の前にXboxを遊び尽くすPlay! Xbox その1(1/2 ページ)

今回からスタートするXboxコーナー「Play! Xbox」。「なんでいまさら?」という声も聞こえてきそうではある。筆者が現在、個人的にもっとも使い倒しているハード、Xboxの魅力がいま一つ伝わっていない日本で「Xbox 360」発売の前に少しでも伝えられれば幸い。

» 2005年06月03日 16時52分 公開
[松井悠,ITmedia]

今だからこそプレイしたい「Xbox」

 「E3 2005」において大々的に発表され、三雄そろい踏みといった感のある次世代機戦争。その中で海外の盛り上がりと比べると、国内では少しばかり冷ややかな目で見られている感のある「Xbox 360」。

 現行機のXboxは2002年に国内で発売されて以降、ディスクの外周に傷が付いてしまうという不具合の発生や、ユーザー期待のMMORPG「トゥルーファンタジーライブオンライン」の開発中止、電源コードの全交換など、ネガティブな話題ばかりが先行し、なかなかその真価を人々に理解されることがないまま、マイナーハードの位置に甘んじている。

 だが、欧州・北米のマーケットでは、ゲームキューブを追い抜き、プレイステーション 2に次ぐシェアを獲得、昨年11月には大作FPS(一人称視点のシューティングゲーム)「HALO 2」の発売本数が600万本を超えたりと、その実力は相当なものだ。しかし、日本では初めての登場である海外ハードウェアメーカーであるマイクロソフトと、日本向けにハードとソフトを提供し続けてきたソニーコンピューターエンタテインメント&任天堂とは「日本人好みのソフト供給」という点で大きく水をあけられてしまっていた。

 その反省を活かしたのか、今度のXbox 360では「ファイナルファンタジー」の生みの親である坂口博信氏、「Rez」や「スペースチャンネル5」などで知られる水口哲也氏、ゲームリパブリック代表の岡本吉起氏などの著名クリエーターと共にオリジナルタイトルの開発を進行。さらにスクウェア・エニックス、ナムコ、セガなど多くの日本ゲームメーカーの参入が発表され、筆者は「Xbox 360、いけるんじゃない?」という気がしている。しかし一部では「でもなぁ、Xboxだからなぁ」という声も変わらず聞こえてくる。

 そもそも本当に“Xboxにはロクなゲームがない”のか? 答えは否、である。「別にXboxはやらなくてもいいよ」と思っている方に、あえて今、次世代機が発表されているこのタイミングで申し上げたい。「Xboxの名作タイトルの数々をプレイしておかないのはもったいないですよ」と。

Xboxは確かに大きいし、野暮ったいイメージがある。しかし、この筐体も見慣れてくるとだんだん愛着がわいてくるものなのだ、というのはファンのひいき目なのか

Xboxユーザーから見たXboxの魅力

 実は筆者、発売直後にXboxを買ったわけではない。しばらくの間「Xboxは……ねぇ?(苦笑い)」という分かりやすい表情で購入を見送っていた。ところが、全長1メートル近く、ボタンの数は40個を超えるコントローラーとセットでのみ販売された伝説のタイトル「鉄騎」をプレイするために本体を購入してみたところ、5.1chスピーカーの環境でゲームがプレイでき、メモリカードいらず、さらにはネットワーク越しで多人数プレイが“快適に”遊べるXboxの魅力にずっぽりとはまりこんでしまう。

 今ではゲームサーバ用のものを含め、購入したXboxは6台を数え、ほぼ毎晩の用にXbox Liveに接続しては仲間といろいろなゲームを遊び倒すという、自他共に認める生粋のXboxマニアになってしまった。

 Xboxユーザーでない方は「なにが理由でそんなにはまっているの?」と思われるだろう。それでは、Xboxのどこにそんな魅力があるのか、1つずつ説明していこう。

 まず、現行のソフトウェアラインアップは常々指摘されているように、Xboxには日本人好みの壮大なロールプレイングゲームや、美少女満載のアドベンチャーゲームは極端に少ない。MMORPGに至っては1本も存在しない。ところが、欧米で人気のジャンルのレースゲームやアクションゲーム、FPS(1人称視点のシューティング)ゲームになると、タイトルはがぜん充実してくる。

 実車の挙動をほぼ完璧に再現した「Forza Motorsport」、日本でもアーケードで爆発的な人気を誇ったスパイクアウトのXbox版「スパイクアウト バトルストリート」、リアルな戦闘が売りの「レインボーシックス」シリーズなど、このほかにも高いクオリティのタイトルがそろっている。

 また、環境のセットアップにややハードルがあるものの、5.1chスピーカーや、高解像度のTV(別売の「Xbox コンポーネント AV パック」が必要)を使用すれば、今までのゲームライフとは比較できない高解像度のゲーム画面、そしてありとあらゆる局面で実感できるサラウンドの迫力を楽しむことができる。

 「音なんてどうでもいいじゃないか」という意見もあるだろうが、一度この迫力を体感してしまったら、TVのスピーカーではもう満足できなくなること間違いなし。

 さらに、先述したタイトルはすべてオンラインサービス「Xbox Live」でのプレイが可能で、オンラインプレイを行うことでさらに楽しさが広がる。……というよりも「ネットワークにつながなければ、タイトルの魅力の半分も味わえていないのでは?」と思えるほどオンラインプレイが面白い。

 「Xbox Live」については、次回記事で詳しく紹介するとして、まずは「Xboxでゲームをするならコレは押さえておきたいタイトル」をピックアップしていく。

先日発売されたばかりの「Forza Motorsport」。使い倒されてきた表現ではあるものの、その美麗なグラフィックには目を見張るばかり

「Halo 2」で海外作品のクオリティを感じる

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