えっ、結婚できるサッカーゲーム!? 再び(3/3 ページ)

» 2005年06月13日 19時24分 公開
[卯月鮎,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

山狭浩次、ヨーロッパを席巻する

 さて、ここからは当トレセンの記念すべき最初の選手、MF山狭浩次の人生をプレイレポートしよう。

 まず、ゲーム冒頭はトレセンを設置する国を選ぶ。「欧州で暴れ回るサムライ!」を理想とし、日本をセレクト。同じ日本人、思い入れもグッと深まる。

 1年目の9月1週、トレセンの資金はなんと1000万円のみ。これで選手を獲得しなければならない。リストには30人ほどいるのだが、DF茂木照雄3150万円、MF長谷田牧夫4420万円、FW福良健一も1650万円と予算オーバー。仕方なく、670万円と破格のお値段だった山狭浩次をピックアップする。コメントは「未知なる成長力を秘めたミッドフィルダー」。これはお買い得。

 実況の呼び方は“ヤマ”に決定。身長・体重・顔もエディットできるが、今回はそのままでスタート。トレセンにいる選手は、「目標プレイヤー」を決めることで、成長の傾向が変わる。

 しばらくして、イタリアとフランスの2クラブから待望のオファーが舞い込んだ。迷った挙げ句、イタリアのリボルノACと入団交渉。やはり日本人のミッドフィルダーといえばイタリア。年俸はズバリ1000万円。こちらの希望を聞かれて、とりあえず1000万と言ったらあっさりOK。もっとふっかければよかったか。

 何はともあれ、入団会見も済んでリボルノACの一員に。迎えた初戦はリザーブマッチ。前半すぐに画面がモノクロになり、FISが発動。お題はシュートだ。“これを決めて男になれ!”。気合いを込めてタイミングを合わせると、ボールは見事にゴールに吸い込まれた。いきなりの大活躍!! プレイが認められてか、シーズン開幕戦には堂々のベンチ入り。が、待てど暮らせど90分間出番なし。そして次の試合からはなんとベンチ外へ。明らかに不思議の国ジャポネから来たお客さん扱い。こんな状況が半年以上続いた。

 シーズン後半から、チームのミッドフィルダーとフォワードのケガもあって、時折ベンチ入りするも、監督にスタメンの直訴をしても断られる……。チームも負けまくって1部残留も危うい。“これは逃げ出すしかない!”。さっそく届いているいくつかのオファーを検討し、ミッドフィルダーが手薄なフランスリーグ、メツSCへ移籍を決意。

 練習よりも試合での成長のほうが大きいため、試合に出られなければ意味がない。この選択は正しかった。メツSCではシーズン序盤でレギュラーを獲得。自身の活躍もあって、チームもリーグ5位に躍進する。2年目の契約では年俸も5000万に! 中級フランス語教材も買って、コミュニケーション力も上げた。

 ここで彼に、出会いが訪れる。イタリア人女性のカーラだ。ひょんなことから街で出会ったカーラと意気投合。オフシーズンには、海へ行ったり、高原へ行ったりとデートを重ね、高級ブランドバッグを貢ぐ日々。順調にハートマークの熱愛度も増え、ついにプロポーズ。21歳、若さに任せて押しまくる! しばらく経って彼女からの答えは「OK」。山狭浩次にもとうとう守るものができた。結婚して落ち着いたからか、能力もアップしたようだ。

 このあとは、同じリーグの上位チームに移籍し、日本代表にも呼ばれるまでに成長。彼のサッカー人生は順風満帆のように見えた。と、こんな感じ。人生というドラマが少しずつ積み上がっていくのが本作の醍醐味だ。

photo 移籍交渉も済んで、入団会見。心機一転して、新たなクラブでの活躍を誓う
photo 試合で活躍したらインタビューを受けることも。選択肢のうちからひとつを選ぶと、監督信頼度やプライドなどが上下する
photo 故障率が上がるアクシデントゲージを下げるため、手術を受ける。数週間は試合に出られないが、故障がクセになるよりはマシ

 最後に不満点を挙げるなら、前作から今作にかけての進化の度合いが期待よりも少なかったこと。前作は、粗さと輝きを併せ持つ、まるで原石。プレイした者に大いなる可能性を予感させた。だからこそ、前作からのファンには本作はやや物足りなく映る。

 遊びやすくはなったが、試合シーンひとつを取っても、前作と見た目に大きな変化はない。実況やその他の演出は、サカつくと比べても華に欠ける。ダビスタのレースシーンが豪華でないからといって怒る人は少ないように、本作にとってビジュアルは本質的な部分ではないが、やはり続編である以上、さらに一歩踏み込んだ進化がほしかった。

 イベントの数も、プライベートなものがもう少しあってもいいと思う。サッカー選手もひとりの社会人、父親として、さまざまな状況に直面する。こうした部分を描けていれば、ライトなサッカーファンも取り込めるだろう。

 先ほど不満と書いたが、これはほとんどエールに近い。“もっとこうしたらすごいゲームになるのに”と、思わせるだけの期待感を、2になっても相変わらず秘めている。人生という切り口の新鮮さも薄れてはいない。進化形を想像するとワクワクできる、最近では数少ないゲームのひとつ。まだまだ邁進してほしい。

 いずれはウイニングイレブン、サカつくと肩を並べ、サッカーゲーム界日本代表の、2トップに割って入る資格は十分。今はU‐20代表の平山や森本といったイメージだろうか。

photo 得点機や決定的なチャンス中心にダイジェストされた試合シーン。さらに短縮したバージョンも選べるが、FISなどは発動しない
photo 世界の有名選手が3000人以上実名で登場。仮名の選手もいるが、モデルの想像がつく名前も多い
photo 今作は複数の選手を同時に管理するのが楽になった。が、できれば1度にプレイするのは4〜5人くらいに留めたほうが思い入れを持ってプレイしやすい
サッカーライフ2
対応機種プレイステーション 2
メーカーバンプレスト
ジャンルサッカー育成シミュレーション
発売日発売中(2005年6月9日)
価格7140円(税込)
adidas, the adidas logo, ROTEIRO and the 3-Stripes mark are registered trade marks which are owned by the adidas-Salomon Group, used with permission the use of real player names and likenesses is authorized by FIFPro Foundation and its member associations.(C)1996JFA (C)2002JFA.MAX (C)cavia (C)BANPRESTO 2005


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/27/news008.jpg 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. /nl/articles/2404/27/news009.jpg しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  3. /nl/articles/2404/27/news003.jpg 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  4. /nl/articles/2404/27/news005.jpg “女子小学生”がメンズカットしたら……「え!」 その驚きの大変身に「な、なに!?」「絶対モテる」と反響
  5. /nl/articles/2404/28/news005.jpg 「とんでもないものが売ってた」 ハードオフに“33万円”で売られていた「まさかの商品」に思わず仰天
  6. /nl/articles/1901/08/news126.jpg 正体不明の「なにかふしぎなもの」がハードオフで販売→Twitterで情報集まり正体が判明
  7. /nl/articles/2401/18/news035.jpg 「起動しません」 ハードオフで4000円のジャンクPS4購入→電源入れると“驚きの結果”に「そんなことあるんだ」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  10. /nl/articles/2404/28/news023.jpg 飼い主へ驚きの理由でブチギレるタコ 「こんなんうちの3歳児じゃん」「めちゃくちゃ人間くさい生き物ですね」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」