アリ、クモ、ムカデ、巨大昆虫再襲来。こんなのアリ!?(2/2 ページ)

» 2005年08月10日 17時59分 公開
[立花裕壱,ITmedia]
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新兵種、ペイルウイングが参戦

 ここまでは前作にも登場した、地上で普通に戦う「陸戦兵」の話。今作では新兵種「ペイルウイング」が追加されている。ペイルウイングは、肩に背負った飛行ユニットで空中を高速移動できる女性兵士のことで、エイリアンのテクノロジーを応用して作られた光学系武器で敵と戦う。

 「零距離銃」とも呼ばれる超近距離用兵器「レイピア」、空中から稲妻を発生させる魔法のような兵器「サンダー・クラスター」、なぜか2本のレーザーをV字型に照射する「LARG-V」(コメントによると「市民への誤射が懸念されることから、この武器の使用を問題視する声もある」とか。実際かなりテクニカルな武器)と、その種類は多彩だ。

 エネルギーを消費して雷や光の弾を発射する様子はまるで超能力者のようで、見た目も派手で面白い。ただし、陸戦兵より防御力は弱め。敵との真っ向勝負には向かない。

photo ペイルウイングの動力源はプラズマ・エネルギー・ユニット。光学兵器と飛行のエネルギーを共有している
photo 専用兵器のレイピアは射程が極端に短いが、範囲内なら絶大的な破壊力を持つので、巣穴などで使いやすい

 実際の戦闘では、×ボタンを押し続けることでエネルギーのある限り空を飛ぶことができる。陸戦兵だったら大量のアリに押し込まれて囲まれてしまう場面でも、ペイルウイングなら空中を飛んで安全地帯に避難すればいい。

 筆者が気に入っているのは、ビルの屋上に乗って敵を狙撃する作戦。これを勝手に「ゴルゴ13作戦」と呼んでいるが、たいていすぐに敵が登ってきて、効果はイマイチだったりもする。

 ペイルウイングが入ったことで、2人協力プレイの幅も広がった。2人とも陸戦兵でもいいが、1人が陸戦兵、1人がペイルウイングを担当すると、お互いをフォローし合って効率がいい。

 重火器を持った陸戦兵が正面から正攻法で戦う一方で、後ろに回り込もうとする敵をペイルウイングが掃討する作戦もありだし、ペイルウイングの機動力を生かして、いきなり敵の発生源を叩く先制攻撃もできる。

 あまり近くで行動すると、味方同士の攻撃が当たるので、ほどよく距離を取るのがコツだ。ペイルウイングは危なくなったらひたすら逃げるという手もあるので、カップルでの協力プレイもオススメしたい。

photo 縦2分割画面で戦う協力プレイモード。声をかけあっての連携攻撃が友人との絆を深める!? 対戦モードもあり

 武器を選んだあとは、ステージに出撃し、難易度を設定する。レベルは「EASY」、「NORMAL」、「HARD」、「HARDEST」、「INFERNO」の5段階ある。基本的にクリア条件は変わらないが、敵の固さや攻撃力が異なっているのが特徴だ。

 特に最高レベルのINFERNOはすさまじい。試しに1面をINFERNOにしてみたら、最初に突っ込んできた1匹目のアリに1〜2度かじられて即死だった。(「スーパーマリオ」のクリボー瞬殺よりも恥ずかしい。シャレで選んじゃダメなモードです)

 説明書を読むと「世界広しといえど、この難易度をクリアできるのは1〜3人程度だと思われます」と豪語されていた。アクションに自信がある方はぜひどうぞ。

 ちなみに、レベルが高いほうが、敵が強い武器を落としやすくなっている。死んでしまっては元も子もないが……(ゲームオーバー時も、特にペナルティもなくやり直せるが、そのステージで取ったアイテムはなくなってしまう)。

キモさもレベルアップ

 登場する敵もパワーアップしている。前作でおなじみの巨大アリ型生物やゴジラのような怪獣以外にも、羽アリやクモ型の凶虫「バゥ」、巨大ムカデ型生物などが地球に襲来してくる。昆虫ばかりではなく、空飛ぶ円盤も種類が増え、特にこちらが撃った弾を跳ね返す「鏡面円盤シールド・ベアラー」は、混戦のときは厄介な存在だ。

photo 大量に飛んでくる羽アリ。羽が透けている感じがリアル? 攻撃力はそれほど強くないので、ひたすら撃ち落とすのみ
photo 巨大ムカデがビルに巻きついている様子に、背筋がゾワゾワッとする。撃つと分裂するので苦戦必至だ

 前作では、倒れたアリたちはあっさりと消えていったが、今作ではピクピクと動き続け、芸が細かい。リアルな虫が持つ質感は多少抑えてあるものの、やはり大量にシャカシャカと動かれると来るものがある。

 地上ではクモの糸に絡まれて、空中からは羽アリの攻撃、そこにアリの体液が降ってきたらもう……。まあ、これだけ気持ち悪いと、逆に容赦なくやっつけてやろうという気になって燃えるものなので、3Dシューティングに必要不可欠な爽快感と、敵を一掃する達成感が今作にはあると言えるだろう。

 ステージは、1面のロンドン市内から始まって、東京のビル街、巣穴と化した地下鉄の線路内、敵が押し寄せてくる浜辺とパターンは多い。ステージごとにメリハリがあって、飽きない構成になっている。

 前作でも、市街地では、ロケットランチャーなどで撃てばビルや建物が倒れたが、今作は、ガラスが飛び散って演出が派手になった。エイリアンを倒すという大義名分のもと、邪魔なビルを破壊する。これが結構爽快で、気がつけば東京一帯が焼け野原と化していることも……これじゃ、地球防衛軍ならぬ地球破壊軍だが、それもまた本作の醍醐味だ。

photo 陸戦兵はステージ上の戦車やヘリコプター、エアバイクが操作可能。機動力が高いので、うまく使いこなそう

最高レベルのコストパフォーマンス

 相変わらずステージごとに難易度のバラつきがあって、急に難しすぎない? と思うことはあるが、全体のデキとしては非常にすばらしい。初心者でもとりあえず□ボタンを押していれば何となく遊べるし、上級者には、極悪難度のINFERNOが待ちかまえる。

 スムーズに行けば、15時間〜20時間でクリアできるが、武器のコンプリートや、陸戦兵とペイルウイング、両者でのクリアなどを目指すと、50時間以上楽しめてしまうのではないだろうか。費用対効果という点では、おそらくゲーム史上No.1と言ってもかまわないと思う。

 地球防衛軍シリーズを作った制作会社はサンドロット。過去には、巨大ロボットを操作する「リモートコントロールダンディ」(リアルスケールの市街地で巨大ロボットがビルを壊しながら殴り合う名作だ)や、その流れを継ぐロボットアクション「ギガンティック ドライブ」も制作している。こう考えると本シリーズのクオリティがなぜ高いのかもわかる。

 地球防衛軍によって、SIMPLE2000シリーズのブランド力はぐっと向上した、と筆者は思う。次世代ハードに移行したとき、このシリーズがどのような形になるか、まだ分からないが、収入の上がらない筆者のためにも、本シリーズは2100円で進化を続けてほしい、ものだ。

SIMPLE2000シリーズ Vol.81 THE 地球防衛軍2
対応機種プレイステーション 2
メーカーディースリー・パブリッシャー
ジャンルアクション
発売日発売中(2005年7月28日)
価格2100円(税込)
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