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2005/09/16 03:15 更新

Xbox 360「ギアーズ オブ ウォー」開発、Epic Gamesインタビュー:
走り回って撃つだけではつまらない――考える要素がいっぱい詰め込まれた「ギアーズ オブ ウォー」

有名FPS「アンリアル」シリーズを手がけるEpic Gamesが、Xbox 360用超ド級アクションゲーム「ギアーズ オブ ウォー」を開発している。今回は、本作のリードデザイナーであるクリフ・プレジンスキー氏と、マーケティング VPであるマーク・レイン氏に話を聞いてみた。

技術デモ的な意味合いも兼ねる「ギアーズ オブ ウォー」

 世界で最も有名なゲームエンジンである「アンリアル エンジン」。その名の通り、FPS「アンリアル」シリーズ用に制作され、ゲームとともに進化を重ねてきたものだ。現在の最新バージョンは「アンリアル エンジン 3」である。そのエンジンを開発するEpic Gamesが、「アンリアル エンジン 3」を用いて、FPSではなく、タクティカルアクションとサバイバルホラーの魅力を併せ持ったタイトル「ギアーズ オブ ウォー」を開発中だという。

 まだ、日本での発売が正式に決定していないタイトルではあるが、今回、Epic Gamesのクリフ・プレジンスキー氏とマーク・レイン氏にデモを見せてもらいつつのインタビューを行うことができたので、その模様をお伝えしていく。

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(右)「ギアーズ オブ ウォー」リードデザイナー クリフ・プレジンスキー氏。(左)Epic Games マーケティング VP マーク・レイン氏

―― 日本では「ギアーズ オブ ウォー」の情報が、まったくといって良いほど出ていません。まず、本作の概要について教えてください。

クリフ・プレジンスキー氏(以下、クリフ) 本作の舞台は、「セラ」という惑星。穴がいっぱい空いていて、その下に敵となる「ローカスト」が住んでいます。この敵が急に攻めてきて、大変な事態になるわけです。

 プレーヤーは、主人公の「マーカス・フェニックス」となり、彼らに立ち向かいます。マーカスは軍隊の刑務所から出てきたばかり、さらには戦況もかなり芳しくない、という状況です。人類にとってとても不利な状況の中、仲間である「ドミニク」と一緒に、どうやってこの状況を打破していくか? それを考えながら戦いにおもむくのです。

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右からふたりめが、主人公のマーカス。キャラクターの質感は、圧倒的の一言。こんなゲームが遊べるんだから、すごい時代になったモノだ

―― ゲーム画面を見る限りだと、近未来が舞台のようですが。

クリフ 本作の舞台であるセラは、地球によく似ている惑星、という設定です。ただし、過去か未来かというタイムラインは具体的には設定していません。地球とは切り離し、あくまでセラという星で起こっている物語、と捉えてください。

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本作の舞台は「惑星セラ」。突如地下より現れた異形の者に襲われ、人類は大ダメージを受けてしまう。建物の大半は廃墟になってしまったのだろうか

―― では、敵となる「ローカスト」についてもう少し詳しく教えていただけますか?

クリフ とても大きなジャイアントから、いたずら好きな小型タイプのものまで、非常にバラエティに富んだローカストが登場します。彼らは地中に住んでいるため、光にアレルギーがあります。この特性を利用し、明るい場所で戦ったり、時には光を武器として使ったり、という戦略的な楽しみ方も出てくるわけです。

 また、一般的なアクションゲームの敵は、ゾンビなどあまり知能が高くないものばかりですが、本作の敵は非常に知能が高い。“死にたくない”と思っているため、逃げたりもしますし、われわれと同じ武器を使ってきたりもします。

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サバイバルホラーというだけあり、ちょっと怖いシーンもあるようだ。敵は光が弱点なだけに、このような暗闇で戦うのは自殺行為?

―― なるほど、敵も知能を持っているとなると、確かに苦労しそうですね。それにしても、最初に本作のデモで戦闘を見せてもらった時には、FPSだと思っていたのですが、3人称視点だったんですね。日本人的にはとっつきやすく、安心しますが、なぜ3人称視点を選ばれたのですか?

マーク・レイン氏(以下マーク) 当社のFPSである「アンリアル」シリーズは、成功を収めたと言ってよいタイトルでした。そこで、今度は「アンリアル」シリーズとはまったく別の視点からゲームを打ち出そう、ということで本作が誕生したわけです。

 三人称視点では、キャラクターたちの表情をよく読みとれ、ストーリーがわかりやすく伝わり、さらに格好良い(キャラクターが見える)、といった利点があります。とは言え、本作にFPSの要素がないかと言えばそうでもありません。射撃するときFPSに近い視点となるため、照準を正確に合わせる楽しさも味わえます。つまり、本作はFPSと3人称視点の、両方の良いとこ取りなわけです。

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大ヒットFPSの開発メーカーだけに、武器にはかなりこだわりがありそう。SFらしく、やや近未来的な武器が多めになるのだろうか

―― 本作ではさらに、協力プレイも楽しめるとお聞きしたのですが。

クリフ そうです。基本はシングルプレイですが、ふたりで同時に遊ぶことも可能です。その場合、2プレーヤーは、仲間であるドミニクを操作することになります。また、強力プレイはオフラインでも楽しむことができ、この場合は画面分割でのマルチプレイとなります。

―― オンラインでの協力プレイは最大で何人になるのでしょうか?

クリフ 現状ではふたりですが、最終的に何人になるかはまだ未定です。

―― デモを見させていただいた際には、ドミニクもいましたが、特に誰かが操作している感じではありませんでした。2プレーヤーがいない場合、コンピューターが操ることになるということですか?

クリフ はい、シングルプレイ時はドミニクや他の部隊などに指示を出しながら、ゲームを進めていくことになります。ただし、ここでの操作はなるべく簡単なものにしています。と言うのも、コンピューターとの協力プレイよりも、さまざまな状況をどのようにカバーしていくか、多くの武器をどのように活用するか、といった部分に楽しみを感じてほしいからです。

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クリフ氏もお気に入りだというシーン。右キャラクターが行っているのは、銃だけを障害物の上からだし、狙いをつけずに撃ちまくる「ブラインドファイア」

―― 今回見せていただいたデモは、どれくらいまで完成したものになるのでしょうか? 見た感じですと、30フレーム程度で動いているように見えましたが。

マーク 実は、現段階のバージョンはまったくといって良いほど最適化を行っていない状態なんです。Xbox 360はCPUが3つあるのですが、それを1つしか使用していません。ただ、Xbox 360の性能を100%使用していなくても、これほどの映像がリアルタイムで動かせる、ということを理解していただければと考えています。

 3年前に「アンリアル エンジン 3」の開発に着手したとき、“このレベルまでは実現したい”というプランを決めました。Xbox 360は、そのレベルをクリアーできた初めてのハードであり、とても嬉しく思っています。

―― では、今後はもっとフレームレートが上昇すると考えて良いのですか?

マーク それはわかりません。ゲームというものは、タイトルごとにどこにポイントを置くかが変わってきます。本作では、息をもつかさぬ驚きの映像や、キャラクターなどの細部をしっかりと再現すること、さまざまなことがめまぐるしく起こる、ということを目標として制作しています。

 つまり、本作においてフレームレートは最重要課題ではないわけです。それよりもビジュアルのクオリティを上げ、もっと楽しいことをたくさん盛り込んでいきたいと考えています。もちろんフレームレートも高いレベルを目指しますが、最終的に60になるかどうかはわかりません。

―― 「アンリアル エンジン 3」について、もう少し詳しく教えてください。本作を初め、エンジンを使ったたくさんゲームが実際に動いていますが、エンジンはすでに完成しているのですか?

マーク ゲームエンジンの開発というのは、ゲーム同様に永遠に終わりがないものですから、そういう意味ではまだです(笑)。本作をリリースしたあとも、どんどん改良を続けていきますよ。現時点では、日本の企業を含め、多くのメーカーにこの「アンリアル エンジン 3」を使用していただいているわけですから。

―― 過去の「アンリアル エンジン 2」を採用した日本のメーカーは、ほぼ皆無だったと思います。ですが「アンリアル エンジン 3」は、マイクロソフト ゲームスタジオやナムコを筆頭に数社が採用しています。この違いの理由は何だと考えていますか?

マーク 「アンリアル エンジン 3」が素晴らしいという理由のほかに、Xbox 360やプレイステーション3といった次世代機では「アンリアル エンジン 3」を簡単に導入できるからという理由が挙げられます。また今後は、ハードの性能を極限まで引き出しつつ、さらに開発コストもできるだけ抑えなければなりません。そのための選択肢として、「アンリアル エンジン 3」が最も優れていたのだと感じています。

―― では最後に、日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

マーク とにかく買ってくれ!(笑)

クリフ (マークに突っ込みつつ)シューティングゲームで、走り回って撃つだけだとつまらないですよね。本作では、生き残るために必要なことや、どうすれば現状を打開できるか、といった考える要素をいっぱい詰め込んでいます。日本のゲーマーは進んでいるので、きっとそんな本作を楽しんでもらえると思いますよ!

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クリフ氏は主にゲームの内容を、マーク氏はゲームエンジンなど技術的なことについて回答してくれた。マーク氏はXbox 360本体も強烈にアピールしていたのが印象的だった。余談だが、クリフ氏は今回が2回目の、マーク氏は数えきれないくらい来日しているとのこと。ちなみにクリフ氏が好きなのは「秋葉原」と「ポッキー」だそうだ

[板橋舟人,ITmedia]

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