ランバ・ラル曰く「この風、この肌触りこそ雀荘よ」:「機動劇団はろ一座 ガンダム麻雀DS 親父にもアガられたことなにのに!」レビュー(1/3 ページ)
麻雀ゲームは数多くあるが、中でもキャラクターをたてたシリーズというのは、市場でも一定の人気を得ている。そんなタイトルの中から今回は、バンダイから発売されるガンダム麻雀をピックアップしてみよう。
まだまだ根強い人気を誇る麻雀
昔から遊ばれてきているギャンブルの1つに麻雀がある。全部で136ある牌を使い、運と頭脳で勝負するゲームに、一度は虜になった人もいることだろう。現在、NHKでは将棋と囲碁の番組を放映しているが、その昔はこれに麻雀も加わっていたというと、驚く方も多いかと思う。それほど、一時期はメジャーなジャンルだったのだ。現在でも、民放の深夜番組などで麻雀アニメや対局模様などを放映しているところをみると、やはり一定の人気はあるのだなあ、と思ってしまう。
そんな麻雀の醍醐味といえば、人間の頭脳と頭脳のぶつかりだろう。卓を囲んだ面々は和がるために捨て牌を操作し、他の面子は捨て牌から和がり牌を導き出し、振り込まないようにする。そして、その間隙をぬって上がりを目指す。この駆け引きが、精神を痺れさせてくれるのだ。もちろん、頭脳だけで勝負が付くのであれば、将棋や囲碁、チェスなどと代わりはない。他と大きく違うのは、運(ツキ)の要素が大きく絡んでくることだ。それ故に、どんなプロでもツキに見放されれば負けるし、素人でも運を味方につければ勝利を手中に収めることができる。
これからお正月シーズンと言うことで、親戚などと卓を囲む人も増えるかもしれない。その時にまず考えるのが、“自分はツイているか?” ではないだろうか。ツキだけは自分ではどうにもできないし、それ故に上手な人と対局しても勝てる可能性があるだけに、麻雀は面白いのだ。
歓迎すべき、気軽に遊べる4人打ち麻雀ゲーム
プレイすると楽しい麻雀だが、その前に大きな泣き所がある。それは、4人揃わないとゲームを始められない、ということだ。街中にあるフリー雀荘へ出かけ、見ず知らずの人と対局するなら別だが、仲間内4人で集まり麻雀をやろうと思うと、意外にタイミングが合わないことが多い。4人ともに暇な時間がマッチすることはなかなかないので、当たり前といえばそうなのだが……。となると、コンピュータ相手で麻雀はできないものか? という考え方が自然と浮かんでくる。その結果、ゲームセンターやPC、ゲーム機用として、数多くの麻雀ゲームが登場することとなった。一時期は脱衣麻雀などというジャンルが確立されるほど、数が溢れたこともあったほど。
ちなみに、コンピュータ相手の麻雀は、大別すると2人打ちと4人打ちに分けられる。2人打ちは文字通り、対面と卓を挟んで1対1での対局となり、上家(自分の左側)と下家(右側)には誰もいない。また、ほとんどの場合は特殊ルールを採用しているので、通常の打ち方とは違う戦い方が要求される。例えば、通常よりも数多く牌がツモれたり、対面からもチーができる。さらに、イカサマが使えるのも特徴だろう。牌配時の牌交換を始め、ゲーム中の牌交換やドラの積み込みなど、当たり前のようにできるタイトルもある。ところが4人打ちになると、ほぼ通常の麻雀そのままになるので、本当に卓を囲んでいる気持ちになれるのだ。
2人打ちと4人打ちにはそれぞれ一長一短があり、どちらがいいとは一概には言えない。和がりやすいのは2人打ちで、リアル感が楽しめるのは4人打ちなのは間違いないだろう。だがこのほかにも、イカサマのしやすさや臨場感など、いくつもの要素が絡んでくる。そのため、コンピュータ麻雀から入った人は2人打ちが好きで、卓を囲むことから始めた人では4人打ちがよいという傾向があるようだ。プログラムを組む側としても、2人打ちのほうが楽だった記憶があるので、4人打ちは避けていた思い出があるほど。
今回取り上げる「機動劇団はろ一座 ガンダム麻雀DS 親父にもアガられたことなにのに!」(以下、ガンダム麻雀)」は、2人ではなく4人打ちが楽しめる麻雀ゲームとなっている。といっても、メインとなる目的は麻雀ではなく、ガンダムのフィギュアを獲得すること。そのためには、麻雀勝負で勝つだけでなく高い手を目指したり、特定の相手から和がるなど、いろいろな手段を尽くす必要があるのだ。しかも、設定はファーストガンダムなので、20代後半〜30代のプレーヤーにはうれしいものがあるだろう。
知っている人なら爆笑できるネタが詰まりまくり!
本作の主人公は、ファーストガンダムなのでもちろんアムロ。メインとなるストーリーモードは各話ごとに分かれているのだが、それぞれのタイトルが凝っていて、いきなり笑わせてくれる。例えば、ファーストガンダムの第1話は「ガンダム大地に立つ!!」だったが、本作では「ガンダム大地に立直!!」なのだ。こんな感じのパロディが、そこかしこに散りばめられているので、元ネタを知っている人はもう、ニヤニヤしっぱなしになれる。対局中のセリフも、オリジナルでお馴染みの名ゼリフがそのまま入っているかと思えば(シャアの“認めたくないものだな〜”など)、オリジナルを少し変更したものがあるなど(ブライトの“捨て牌迷うぞ?何やってんの!”など)、とにかく見て聞いて楽しい内容に仕上がっている。なお、セリフはすべてフルボイスで収録されており、この作品のために録り下ろししたのかと思うと、ファンならばこれだけでも購入価値があるだろう。
対局が始まる前にはミニシアターが入るのだが、こちらもパロディいっぱいの内容になっている。ここで、対局する相手と初対面するのだが、セリフのすべてが面白い。電車の中で見ていて、思わずにやけてしまったほど。おかげで周りから、怪しい視線でにらまれているのではないかと心配になってしまった。
ストーリーモードを始めると、ミニシアターの後に手持ちのフィギュアをベットすることになる。最初はグレードCのフィギュア、それも61式戦車とジムしか持っていないが、対局中に高い手を和がればグレードBやAのフィギュアも入手できるのだ。なお、一部を除くフィギュアには特殊な能力が割り当てられていて、ジムなら開始時に+200点、アッザムでは牌配やツモが少しよくなるようになっている。どうせベットするのだから、自分のプレイスタイルに合ったものを選択したい。また、フィギュアのバリエーションは180種類にものぼるため、すべてを集めるのは至難の技だ。しかも、条件を満たさないとゲットできないレアフィギュアも存在するので、しつこいぐらいの回数プレイすることになる。とはいえ、おもしろおかしく対局できるので、それほど苦にはならないのがいいところ。
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