“エブリパ”でオンラインデビューすることは、この上なく幸せなことである「エブリパーティ」レビュー(3/4 ページ)

» 2006年01月12日 12時00分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

“エブリパ”の真価はオンラインで発揮される

 1人用の「おはなしすごろく」のほか、「わいわいすごろく」や「ミニゲームたいけつ」モードでは、複数のコントローラーを用意することで最大4人でプレイすることもできる。そして、Xbox Liveを通じてオンライン対戦が楽しめる「こうみんかん」モードこそ、エブリパーティのおもしろさをもっとも強く実感できるものと思う。

画像 Xbox Liveを通じてオンライン対戦が楽しめる「こうみんかん」。対戦方式には、勝敗の結果がポイントやランキングに反映される「大会」と、ポイントなどの変動がない「練習」の2つがある。プレイするマップやミニゲームの発生頻度などは、部屋を作って参加者を待つ“部屋長”が設定する

 はじめにも述べたが、以前からPCやXboxなどでオンライン対戦を楽しんでいる方ならともかく、見ず知らずの人たちとオンラインで一緒にゲームをすることには、何となく抵抗感を抱く方もあるはず。オンラインはゲームの上手い人ばかりで、自分の腕前では全く勝負にならないのではないか。あるいは、顔の見えない世界だけに、心無い行為で不愉快な思いをさせられるのではないか。そういった敷居の高さを感じて、オンラインでのプレイに二の足を踏んでいる方も少なくないだろうと思う。

 だが、このエブリパーティに関しては、疎外感や不快感を覚えることがほとんどない。それは、キャラクターデザインを含め、全体的に和やかなムードが漂っていることに加えて、絶妙なゲームバランスが奏功しているように感じる。ルーレットの出目など運に左右される部分と、ルーレットの使い分けやミニゲームの巧拙といったプレーヤーのテクニックによるところ。そのどちらかが突出することなく、ほどよいバランスの上にゲームが成り立っているので、手慣れた上級者がいつも独走するといった展開になりにくい。

 実際にオンラインで遊んでみると、上級者と思しき人が入り交じっても、4人のプレーヤーが最後の最後まで競り合うケースが多い。「ここまで来ると1Pさんの勝ちで決まりかな?」と思うような場面でも、予期せぬ逆転劇でほかのプレーヤーが“あがり”マスを踏んでいることもしばしば。この“誰にもチャンスが巡ってくる”というバランス調整の巧さには、大変感心させられた。

画像 終盤では、4人中3人がリーチの状態に。異なるスキルのプレーヤー同士が対戦しても、1人が抜け出すことはむしろまれで、最後まで接戦になることが多い

 また、オンラインでプレイしている人たちが皆“大人だなあ”とも思った。実際の年齢が云々ではなく、礼節をわきまえている人が多いと感じる。ヘッドセットを着けて参加しているプレーヤーがいると、その声がスピーカーからも聞こえてくるのだが、少なくともわたしが一緒にプレイした方々は雑言を浴びせることなどなく、好感の持てる方ばかりだった。たとえば、ミニゲームで勝ったプレーヤーに対して「おお、2Pさんおめでとー」と声をかけていたり、アイテムをもらうと「“黄色いカサ”いいなぁ」なんて呟いているのが聞こえる。ゲームなのだから、誰でも当然“勝ちたい”と思ってはいるのだろうけれど、それよりもゲームの中で時間を共有し、一緒に楽しむことを優先しているようにも見えた。

画像 参加者を募っている部屋に入ってみたところ、部屋長のキャラクターがまるでお辞儀をするように上下に動き(コントローラーの右スティックでキャラクターを動かすことができる)、それに応じてわたしも“ペコリ”……。些末なことだが、こんなやりとりが何だか微笑ましい
画像 道中、アイテムをもらえるイベントが発生することもあるのだが、オンラインでプレイしているとき、ヘッドセットを着けたプレーヤーから「いいなぁ」との声が……。タバコで咽せたのか風邪気味なのか、“ケホンケホン”と咳き込んでいるのも聞こえたりして、ちょっとおかしかった

 アイテムについて言及していなかったので簡単に説明しておくと、これはゲームの進行に関係するものでなく、“マイキャラ”を作成する際に使うもの。「わたしのへや」モードの「マイキャラ」でオリジナルキャラクターを作るときに、アイテムを頭や背中などに付けることができる。ここで作成した“マイキャラ”は、もちろんオンライン対戦時にも使用可能だ。

画像 「わたしのへや」モードでは、好みのキャラクターにアイテムを付けて“マイキャラ”を作成することができる

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