失った記憶のピースが集まるとき、あなたの隣にいるのは誰？：恋愛AVG「セパレイトハーツ」出演声優インタビュー（2/2 ページ）

[高橋宏知，ITmedia]

魅力的な少女たちとの恋、アナタは誰を選ぶ？

　恋愛AVGのポイントは、やはり登場するヒロインたちが魅力的であること。そして多くの恋愛AVGの例に漏れず、本作にも多数のヒロインが登場する。プレーヤーはどのヒロインと恋を深めていこうかと、迷わされることになるはず。

　特に本作では「主人公には行方不明になった恋人がいる」という設定があることで、今はいない恋人を選ぶか、それとも今一緒にいるヒロインにするかという選択に悩まされるだろう。そして、この葛藤こそが本作の肝となってくるようだ。行方不明のひかりのことで迷う主人公を助けたいと、碧、藍、朱という3人のヒロインたちが手を差し伸べてくる。その恋愛模様はまるで、主人公の手をひかりとほかのヒロインたちが綱引きするような関係にあるらしい。

　「碧が主人公のことを好きと言っても、彼はひかりの面影をずっと探しているんです。それでも彼を助けたいと思って碧が言った“私はお役に立ててますでしょうか”というセリフが切なかったです」と斎藤桃子さん（双葉碧役）は自分が印象的だったセリフを語ってくれた。そのセリフからは、ひかりのことを忘れられないまま過去にとらわれている主人公に今を見つめて欲しいと願う、碧の強い気持ちがうかがえる。また宮川美保さん（燈香朱役）も、朱が演劇部の芝居中にセリフとして喋った「あの人のところに行かないで欲しい」という言葉が印象的だったという。彼女たちの言葉からもわかるように、物語中では主人公をはさんで、姿を見せないひかりと、ほかのヒロインとの三角関係が描かれるようだ。

　ちなみに、主人公が彼女たちに揺り動かされなければ、恋人であるひかりの元へとたどり着けるのだとか。小清水亜美さん（日向ひかり役）は、恋愛AVGでは珍しい主人公の恋人役にどう演じていいか戸惑いつつも、「本命彼女の意地として、プレーヤーの方が私のところへ帰ってきたくなるような女の子を演じました」とコメントしてくれた。主人公をほかのヒロインには渡したくないという、ひかりの強い想いが感じられる。

　ただ、このような関係が一般の恋愛における三角関係とは微妙に異なるところが本作のキーポイント。というのも、ひかりは過去の象徴として、朱、藍、碧は現在の象徴として物語に存在しているからだ。どのヒロインを選ぶのかということは、過去と現在、どちらを大切にするか、ということと同じ意味になる。過去の想いを振り払って今を生きるか、それとも過去を大切にし続けるのか。そのどちらにも正解がないだけに、プレーヤーはヒロインの誰を選ぶかで悩まずにはいられないだろう。そしてその現在と過去の葛藤こそが「忘れたい記憶と忘れられない想い」という本作のテーマをも表しているのだ。

　つまり本作ではどのヒロインを選ぶのか非常に悩むであろうし、またその葛藤こそがこの作品の醍醐味なのだ。

　というわけでヒロインを演じてくれた出演声優の方々が、そんな風に悩むプレーヤーを手助けするべく、「最初のプレイでは私を選んでね」と各ヒロインの魅力をアピールしてくれた。コメントを読んで、誰を選ぶのかプレイをする際の参考にしたり、逆に、さらに悩んでみたりしてもらいたい。

左から宮川美保さん、本多陽子さん、小清水亜美さん、斎藤桃子さん

斎藤桃子さん（双葉碧役）：「碧ちゃんはいつも一生懸命な子なんです。主人公にお弁当を作ってきて『美味しいですか』ってつい気にしちゃうところが、めちゃめちゃ可愛いんですよ。ひかりさんという存在に遠慮しながらも、主人公の言葉に一喜一憂して、彼に近づこうとドギマギするところが、もう青春って感じで。尽くされたい方はぜひ碧ちゃんを選んでくださいね」

本多陽子さん（水瀬藍役）：「藍は普段は主人公に対して意地を張っちゃうけど、本音は彼に想いを寄せているといういわゆる“ツンデレ”キャラなんです。第一印象は怖いかもしれないけど、付き合っていると最初の印象と違う一面がどんどん見えてきて、とっても可愛いんですよ。きれいなお姉さんにお世話してもらいたいという方は、ぜひ藍のところへ来てください」

宮川美保さん（燈香朱役）：「朱ちゃんはいつも芝居一筋だけど、芝居を離れたところでは、女の子らしく男性とデートをしたいなと思っている子なんです。はじめはとっつきにくいかもしれませんが、マイペースでぼけぼけ〜っとしたところは親しみやすくてかわいいいんです。プレイされたらぜひ、朱ちゃんとデートしてあげてください」

小清水亜美さん（日向ひかり役）：「ひかりはとても素直で、女性の私から見てもつい憧れてしまうような自然体な女の子。よそ見もいいけれど、最後は私のところに戻ってきてくださいね」

今回は時間の都合で深月真夜役の広橋涼さんからお話をうかがうことができなかったが、真夜という名前がひかりと対照的であるのも、なかなか興味深い。物語の中で彼女がどういう活躍を見せてくれるのかおおいに期待したいところだ。

　果たして魅力的な5人のヒロインたちの中から、最終的にアナタが一緒にいたいと思うのは誰か？　本作の主人公のように大いに葛藤しつつ、発売を期待して欲しい。なお、現在公式サイトではプロモーションムービーを配信中。発売前に、本作の世界観やヒロインたちの魅力の一端に触れてみるのはいかがだろうか？

セパレイトハーツ
対応機種	プレイステーション 2
メーカー	KID
ジャンル	恋愛AVG
発売日	2006年2月23日
価格	通常版：7140円（税込）　限定版：9240円（税込）

（C)KID