2年ぶり感動の再会。音楽ジャンルを飛び越えた、FFオーケストラコンサート(2/2 ページ)

» 2006年02月20日 13時38分 公開
[塙恵子,ITmedia]
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 “斬新”。この言葉がぴったり当てはまる公演だった。歌とレーザーによる演出が目立ち、3連スクリーンには、FFのムービーが流れる。オーケストラ演奏だけにとどまらない、エンタテインメントショーで観客の心を掴んだ。

1曲目の頭から合唱で始まる。特に歌にこだわったコンサートだった。MCを務める植松伸夫氏から「素敵だね」を歌ったRIKKIさんと、「石の記憶」〜「Distant Worlds」を歌った増田いずみさんのダブル“おめでた”が知らされる。FFXIIの発売もあり、2006年はうれしいニュースが多い

 モーグリーズのパフォーマンスで会場のテンションは最高潮になる。歌い疲れて倒れるモーグリーズの前にポーションを差し出す美女。飲むとたちまち元気になり、またドゥアップを歌い上げてみせる。2部ではアンジェラ・アキさんがピアノ演奏とともに、FFXII挿入歌「Kiss me good-bye」を初披露したほか、オペラ「マリアとドラクゥ」を盛り込むなど終始会場を沸かせた。

指揮者のアーニー・ロス氏(中央右)は「MORE FRIEDSの発売の週に来日できてうれしい」と話す

 アンコール曲「再臨:片翼の天使」では、コンサートの司会者であり、FFシリーズの作曲を手がける植松伸夫氏がロックバンド、THE BLACK MAGESを率いて演奏に参加、オーケストラと共演を果たした。アンコール曲が終わっても長い間拍手が続いたため、ファンサービスとして同曲を再演奏する場面もあった。観衆は、すべての演目を終えたメンバーに、スタンディングオベーションを送り、最高の形で3時間に及ぶステージは幕を閉じた。


スタンディングオベーションに応え、挨拶するメンバー

 終幕後、興奮冷めやらぬままインタビューに応えてくれた植松氏。同氏は「静かなインストロメンタルばかりでは眠くなるので、合唱、ソロシンガー、オペラ、ドゥアップなど歌の要素をたくさん盛り込んだ」と選曲のポイントを明らかにした。アンコール曲の再臨:片翼の天使でのロックとオーケストラのセッションについて聞かれると「ロックバンドの低音とオーケストラの低音はキャラが違う。うまく融合させればロックバンドのリズムで前に進めて、オーケストラの色を出せるのではないかと試験的に行なった。今回分かったこともあるので、もっとバランスをとっていきたい。次も企んでますよ」と語り、意気込みを見せていた。

開口一番「いや〜、楽しかったですね〜」。公演を振り返りうれしそうに語る植松氏

 XIIの発売もあり、久々に国内で開催されたFFコンサート。今後欧州での活動も視野に入れているという。残念なことに今のところ国内での具体的な開催予定はない。しかし植松氏のことだ、次もFFファンの期待に応えるすばらしいステージ用意してくれるだろう。

第1部
曲順 曲目
1 プレリュード(ファイナルファンタジー・シリーズ)
2 Liberi Fatali(ファイナルファンタジー VIII)
3 フィッシャーマンズ・ホライズン(ファイナルファンタジー VIII)
4 祈りの歌(ファイナルファンタジー X)
5 素敵だね(ファイナルファンタジー X)
6 ファイナルファンタジー・ドゥワップ・メドレー
7 いつか帰るところ〜Melodies of Life(ファイナルファンタジー IX)
8 ファイナルファンタジー(ファイナルファンタジーシリーズ)

第2部
曲順 曲目
1 プリマビスタ楽団(ファイナルファンタジー IX)
2 約束の地(ファイナルファンタジー VIIアドベント・チルドレン)
3 オープニングテーマより石の記憶〜Distant Worlds
4 Eyes On Me(ファイナルファンタジー VIII)
5 Kiss me good-bye(ファイナルファンタジー XII)
6 オペラ「マリアとドラクゥ」(ファイナルファンタジー VI)

アンコール
曲順 曲目
1 スウィング de チョコボ(ファイナルファンタジーシリーズ)
2 再臨:片翼の天使(ファイナルファンタジー VII アドベントチルドレン)
(C)2006 SQUARE ENIX CO., LTD.


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