レビュー
2006年03月13日 15時59分 更新

「ガンスターヒーローズ〜トレジャーボックス〜」レビュー:

10年以上を経てもなお色あせない、メガドライブのマスターピース (1/2)

何とはなしに思い出して、もう一度プレイしたくなる懐かしのゲームというのがいくつかある。メガドライブの「ガンスターヒーローズ」もそのひとつだが、それが十数年の歳月を経てプレイステーション 2で復活を遂げた。いまになって遊んでも陳腐さをまるで感じさせず、当時と同じように夢中になれるなんて、これはまさしく“トレジャーボックス(宝箱)”の名にふさわしい。

メガドライブ時代のトレジャー作品を3本収録

 昨今のゲーム市場は、ちょっとしたリバイバルブームの様相。それというのも、かつての家庭用ゲーム機やアーケードゲームのヒット作を、現行のハードに移植して発売するケースが目立って増えているからだ。近年発売されたものを思いつく限り挙げてみても、ざっとこれだけある。ビデオゲームが娯楽として認知されるようになって約四半世紀が過ぎ、そろそろゲームにも“クラシック”にあたるジャンルが形成される時期にあるのかもしれない。

近年発売されたリバイバルゲームの一例
タイトル 発売年月 価格(税込) 対応ハード コメント
ファミコンミニ(任天堂) 2004年2月(第1弾)/5月(第2弾)/8月(ディスクシステムセレクション) 各2000円 GBA 「スーパーマリオブラザーズ」など、ファミコンのヒット作をゲームボーイアドバンスで再現したシリーズ。「ディスクシステムセレクション」を含め、これまでに計30タイトルがリリースされている。パッケージも当時のものをミニチュアで再現するなど、コレクション性の高いアイテム。
ナムコミュージアムVol.1/Vol.2(ナムコ) 2005年2月(Vol.1)/2006年2月(Vol.2) 各3990円 PSP ナムコ往年のアーケードゲームを集めたシリーズ。「Vol.1」には「パックマン」や「ギャラクシアン」などの7タイトルが、「Vol.2」には「ゼビウス」「ドルアーガの塔」など11タイトルがオリジナルのまま収録されている。また、グラフィック等をリニューアルした「アレンジ版」(一部タイトルのみ)も入っているのが特徴。
ナムコミュージアムアーケードHITS!(ナムコ) 2006年1月 5040円 プレイステーション 2 「パックマン」「マッピー」「ディグダグ」など、70年代から80年代にかけてヒットしたナムコのアーケードゲーム16タイトルを収録。
タイトーメモリーズ上巻/下巻(タイトー) 2005年7月(上巻)/8月(下巻) 各5040円 プレイステーション 2 78年から97年までにタイトーからリリースされたアーケードゲーム50作品を、上下巻に分けて収録。上巻には「ルナレスキュー」「奇々怪界」など、下巻には「スペースインベーダー」「エレベーターアクション」などが各25タイトルずつ収録されている。
タイトーメモリーズポケット(タイトー) 2006年1月 5040円 PSP タイトーのアーケードゲームのうち、「クイックス」や「エレベーターアクション」など、80年代の代表作16タイトルを収録。さらに、「バルーンボンバー2005」など、ニューバージョン4タイトルも収録されている。
ハドソンベストコレクション(ハドソン) 2005年12月(Vol.1〜4)/2006年1月(Vol.5〜6) 各2940円 GBA ハドソンがファミコン向けにリリースした作品をジャンル別にまとめたシリーズで、現在までに6本が発売されている。1本あたり2〜4タイトルが収録されており、たとえば「Vol.5シューティングコレクション」には、「スターフォース」「スターソルジャー」「ヘクター’87」の3タイトルを収録。
コナミアーケードゲームコレクション(コナミ) 2005年11月(ベスト版) 2625円(ベスト版) GBA 「フロッガー」や「イーアルカンフー」など、コナミの名作アーケードゲーム6タイトルを収録。2002年5月に発売されたものを「コナミ ザ・ベスト」として2005年11月に廉価で再発売。
オレたちゲーセン族(ハムスター) 2005年7月〜 各2000円 プレイステーション 2 「クレイジー・クライマー」や「スクランブル」など、往年のアーケードゲームをシリーズ化。1本に付き1タイトルのみ収録だが、ゲームソフトの他に音楽CD、開発者インタビューなどを収録したDVD、復刻版インストカードなどが付いている。現在までに12本が発売済み。
アタリアンソロジー(アタリ) 2005年8月 5040円 Xbox 「アステロイド」や「ミサイルコマンド」など、アタリのアーケードゲームや「ATARI2600」で発売されたソフトを総計85タイトル収録。
カプコンクラシックスコレクション(カプコン) 2006年3月 5040円 プレイステーション 2 「1942」「戦場の狼」「ファイナルファイト」など、カプコンの名作を22タイトルを収録。当時使われていたイメージイラストや、各ゲームの攻略法なども併せて収録されている。

画像 「ガンスターヒーローズ〜トレジャーボックス〜」には、トレジャーのデビュー作「ガンスターヒーローズ」をはじめ、「ダイナマイトヘッディー」「エイリアンソルジャー」と、93年から95年にかけてメガドライブで発売された3作品を収録

 ゲーム業界古参のセガにも、やはり過去のソフト資産が豊富にあるわけで、それを活かして「SEGA AGES 2500」というシリーズをプレイステーション 2に展開している。これは、往年のアーケードゲームや、メガドライブ、セガサターンといった家庭用ハードで発売された名作を復刻するというもので、2003年に「Vol.1 ファンタシースター generation:1」が発売されて以来、息の長いシリーズになっている。当時のゲームをそのまま移植するだけではなく、タイトルによってはグラフィックを現代風にアレンジしたり、複数の関連タイトルを1本にまとめてリリースしていることも、このシリーズの大きな特徴だ。

 シリーズ最新作の「Vol.25 ガンスターヒーローズ〜トレジャーボックス〜」は、トレジャーという開発会社がメガドライブ向けに制作した「ガンスターヒーローズ」、「ダイナマイトヘッディー」、「エイリアンソルジャー」の3本を収録したもの。当時、まったく無名の新会社がリリースしたデビュー作は、メガドライブユーザーの間でセンセーショナルを巻き起こし、この1作でトレジャーの名を世に知らしめた。それが、1993年に発売された「ガンスターヒーローズ」というアクションシューティングだった。

アイデア満載で何度プレイしても飽きない「ガンスターヒーローズ」

 このソフトに収められている3作品は、いずれも2Dタイプのアクションゲームで、当時のメガドライブ版をそのままプレイステーション 2上で再現している。今回、グラフィックやゲーム内容にあえて手を加えなかったのは、正解と思える。メガドライブ時代の作品なので、いま見るとさすがに映像が粗く感じられるが、十年以上も前に、メガドライブでこれだけ美しいグラフィックや躍動感のあるモーションが表現できていたことにむしろ注目したい。

画像 発売当時、メガドライブユーザーから絶大な支持を集めた「ガンスターヒーローズ」。いままで一度も復刻されなかったのがむしろ不思議?

 まずは、表題作の「ガンスターヒーローズ」から。これは先ほども述べたようにトレジャー創立後の初作品で、娯楽性と爽快感に満ちあふれた作品だ。滑らかで生き生きと動き回るキャラクター、スピーディーでテンポのよい展開、そして数々のアイデアが盛り込まれたゲーム性に魅了されて、発売当時は何度も繰り返しプレイしたのを覚えている。

 このゲームで画期的と思えたのは、さまざまなタイプの武器を使い分けられるという点。武器には、マシンガンタイプの「フォース」、敵を貫通するレーザータイプの「ライトニング」、火炎放射型の「ファイヤー」、そして敵を自動追尾する「チェイサー」の4種類がある。しかも、これらの武器を2つ組み合わせることで、単体で使う場合とは異なる効果を発現できるのがおもしろい。例えば、フォースとライトニングを組み合わせれば、32方向に細かく打ち分けられる「レーザー100」になるといった具合。単体で4種類、その組み合わせが10種類あるので、全部で14種類の武器が使えることになる。

画像 初めに、移動しながら弾を撃てる「FREE SHOT」か、移動時に弾を撃てないが8方向に撃ち分けられる「FIXED SHOT」を選び、続いて初期装備の武器を4種類の中から選ぶ
画像 「アイテムキャリアー」や、特定の敵を倒すと武器を落とすので、それを拾うと、2つの武器が組み合わさってより強力になる。ちなみにこれは、チェイサー+ライトニングを組み合わた「シャチョーレーザー」で、ショットボタンを押しているだけでレーザーが敵を追尾してくれる。なぜ“シャチョー”かというと、トレジャーの社長がテストプレイでこの武器ばかり使っていたからだとか……

 武器で攻撃するだけでなく、投げやスライディングといったアクションで敵を倒すこともできる。「よく処理落ちしないものだ」と思うくらいにたくさんの敵が出てくる中を、多彩な武器やアクションで暴れ回れるのがとにかく痛快で、やみつきになる。また、ステージごとにさまざまなギミックが用意されていたり、多関節で動く巨大なボスにもインパクトがあり、いっぺんクリアしても再び遊びたくなる魅力に満ちている。メガドライブが現役だった頃にも数え切れないほどプレイしているはずなのに、十数年経って今回のプレイステーション 2版を手にしても、やっぱり二度三度と遊んでしまうのだから、このゲームが持つ中毒性の高さを改めて思い知らされる。

画像 あるステージでは、このようなすごろく風の作りになっており(その名も“双六要塞”)、サイコロを投げて出た目の数だけ先へ進める。「Fight」のマスには敵が待ちかまえているので、できるだけ止まらずに進みたいところだが、実はこのサイコロ、1〜3の目しか出ない……
画像 各ステージの巨大なボスも多関節で滑らかに動く。これだけの動きを2Dで表現していること自体が、当時のハード性能を考えると驚異的
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[小泉公仁,ITmedia]

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