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2006年03月25日 16時59分 更新

Game Developers Conference 2006:

キャラクターの葛藤や苦悩が伝わり、何が本当の正義なのか深く考えさせられる――「Ninety-Nine Nightsのすべて: 次世代キャラクターデザイン」 (1/2)

日韓共同で開発された、Xbox 360期待のファンタジーアクション「NINTY-NINE NIGHTS」。発売日である4月20日を目前に控え、開発に携わった水口哲也氏とサンユン・リー氏によって、キャラクターデザインやシナリオ構築の課程など、N3がどのようにできあがっていったのか、その詳細が語られた。

大軍勢を前にした戦闘シーンをどう表現するか、これがもっとも重要な要素だ

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 まずはじめに、「NINTY-NINE NIGHTS」(N3)のディレクターである、韓国ファンタグラムのサンユン・リー氏によって、N3のゲームデザインがどのように組み上げられていったのか解説された。

 「大軍勢の敵を前にしてプレイするアクションゲームを作るにあたって、特に重要だと考えていたのが、戦闘シーンをどう表現するかという点でした」とサンユン氏。大勢の敵をなぎ倒すようなアクションゲームの戦闘シーンでは、これまでは100〜500人ほどの敵を相手にするというのが一般的だったが、N3では1万人ほどの敵を相手にする、ということを目標としたわけだ。

 また、敵を倒す方法についても複数のスタイルを用意したいと考え、複数のプレーヤーキャラクターを用意し、しかもそれぞれに独特な攻撃方法を複数持たせている。キャラクター間で手にできる武器を独立させ、もちろん攻撃時のモーションもキャラクターや利用する武器に応じて全て異なるパターンを付けているそうだ。これによって、既存のゲームの戦闘シーンとは大きく異なる印象を与えることに成功している。

 ところでN3では、プレイ時のアクション要素と戦術要素を80対20という割合で考えて構成したそうだ。そして、戦術部分のキモとなるのが、「ガーディアンシステム」と呼ばれるもの。これは、味方の兵に命令を出して行動を指図できるというシステムで、いわゆるストラテジゲームの要素が盛り込まれていると考えていい。この要素によって、単純に大軍勢で1人で立ち向かっていくゲームにはない戦略要素が加えられている。「ガーディアンシステムによって他のゲームとの差別化が実現できたと思っています。」とサンユン氏は語っていたが、確かに、ただ単純に敵を倒していくアクションゲームとは異なるプレイ感が得られるのは間違いないだろう。

 とはいえ、8割を占めるアクション部分が、やはりN3のメインの要素となるのは間違いない。いかに大勢の敵を爽快に倒しつつプレイできるか、それが重要となる。そこで、各キャラクターごとにさまざまな技を用意することで対処している。武器を使った通常の攻撃はもちろん、多数の敵を一度に倒せる様々な技が、各キャラクター個別に用意されている。もちろん、利用する武器も異なれば、エフェクトも異なり、モーションも異なる。それにより、キャラクターにより異なるプレイ感や爽快感が得られるように工夫しているそうだ。

wk_060324gdc01.jpg N3のディレクター、韓国ファンタグラムのサンユン・リー氏
wk_060324gdc02.jpg N3は、アクションと戦術の要素が80対20の割合でデザインされている。これにより単なるアクションゲームとは異なるプレイ感を実現している
wk_060324gdc03.jpg キャラクターに独自の技を持たせることで、キャラクターごとに異なるプレイ感が得られるように工夫している

ワールドワイド展開には、キャラクターがワールドワイドで受け入れられる必要がある

wk_060324gdc04.jpg 初期のキャラクターデザイン画像。左が「アスファ」、右が「インフィ」というキャラクターになる

 N3のプレーヤーキャラクターには、東洋系からアジア系まで、さまざまな容姿のキャラクターが用意されている。これは、N3をワールドワイド展開させたいという、水口氏とサンユン氏の考えによるものだそうだ。日本や韓国はもちろん、アメリカ、ヨーロッパなど、全世界で受け入れられるようにするには、それぞれの国で受け入れられるキャラクターを作る必要がある。そこで、キャラクターの表情や容姿はもちろん、衣服や細かな装飾品に至るまで慎重に作り込むことによって対処したそうだ。キャラクターの雰囲気が現実に近すぎてもいけないし、アニメのようにデフォルメされすぎてもいけない。そのバランスが重要であると考えて、キャラクター製作には非常に長い時間を費やしたのである。

 まず、プロトタイプとしてヨーロッパの中世をイメージとしたキャラクターイメージを作成し、そのイメージを基に3Dモデルを製作。そして、その3Dモデルを使ってイメージを詰めていったそうだ。つまり、イメージを作成して3Dモデルを製作て問題点を洗い出し、イメージに変更を加える、という一連の作業を何度も何度も繰り返したわけだ。そして、キャラクターのイメージがある程度固まるまでに約6カ月の期間を要したそうだ。キャラクターデザインの担当者は、過去のキャラクター製作でここまでイメージを変更したことはないと言っていたそうだが、確かに、開発当初と最終段階でまったくイメージの異なるキャラクタ画像を見ると、いかにキャラクター製作に力をかけていたかがよく分かる。

 また、キャラクターデザインだけでなく、プレーヤーにキャラクターの感情が伝わるような映像効果もこだわった部分だそうだ。例えば、涙で潤んだ瞳や、りりしい眉、光を反射する唇などだ。こういった効果を追加して、より感情を豊かに表現できるように工夫しつつキャラクターを作っていったそうだ。

wk_060324gdc05.jpgwk_060324gdc06.jpg 初期のデザイン画をもとに作られた、アスファとインフィの3Dモデル

wk_060324gdc07.jpgwk_060324gdc08.jpg デザインと3Dモデリングを繰り返し、慎重にキャラクターをデザインしていった

wk_060324gdc09.jpgwk_060324gdc10.jpg アスファとインフィの最終デザイン画像。全キャラクターが完成するまでに、実に8カ月もの時間をかけたそうだ

wk_060324gdc11.jpg キャラクターデザインはもちろん、涙で潤う瞳やりりしい眉、光を反射する唇などを表現することで、より豊かな感情表現ができるようグラフィック面も工夫されている

 結局、最終的に全キャラクターが完成するまでに、実に8カ月もの期間がかかったそうである。アクションゲームでここまでキャラクター製作に時間をかけるというのは、あまり例のないことのように思えるが、しかしN3にとってはこれが非常に重要なことであると水口氏やサンユン氏は考え、実際にそれを成し遂げたわけだ。

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[平澤寿康,ITmedia]

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