インタビュー
2006年05月16日 19時30分 更新

「エースコンバットX」インタビュー:

PSPの「エース」では、凝縮感、高密度感を楽しんでほしい

エースコンバットシリーズ初のPSPタイトルとなる「エースコンバット X スカイズ オブ デセプション」。2006年秋に発売を控えているこのタイトルについて、E3 2006のバンダイナムコゲームスブースにて、ディレクターである加藤正規氏と、プロデューサーの一柳宏之氏に話を聞いた。
画像 加藤正規氏(左)、一柳宏之氏(右)

――まず、「エースコンバット X スカイズ オブ デセプション」(以下、ACE-X)のコンセプトについてお聞かせください。

加藤 プラットフォームがPSPとなったこともあって、手軽に、なるべく長い時間プレイしていただこうと考えています。プレイステーション 2版でずいぶんと愛していただいた「エースコンバット」シリーズですので、それを遜色なくPSPに再現することも1つの目的です。

 また、PSPはユニークなハードウェアですので、その特性を十分に生かしたい、という考えもありました。1人でもいろいろな遊び方ができること、またみんなで遊べる、という点に注意しました。みんなで遊ぶ「マルチプレイヤーモード」では、新しいエースコンバットが実現できたと思っています。

――そもそもなぜPSPというプラットフォームを選択されたのですか?

加藤 PSPは画面がきれいでですし、CPUの処理能力もありますので、これまでの携帯ゲーム機よりも表現能力は高いわけです。どちらかというと、PSPでエースコンバットシリーズを出さないというのは、ユーザーを裏切っていることになるのかなと。きっとユーザーのほうでも、これだけの性能を持っているPSPで、当然発売されるだろうと考えているでしょうし。

一柳 また、今後のエースコンバットシリーズの方向性を考えたときに、いろいろなハードが存在する中で、携帯ゲーム機で作るとどのような表現方法があるのか、どのような楽しみ方があるのかを追求していく必要がありました。また開発者として「このようなことを実現したい」と興味をそそられるハードだった、ということもあります。PSPを見たら自然に「是非作りたい」と思えるハードだったわけです。

――新しいチャレンジ、ということですね

一柳 その通りです。

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――E3 2006のバンダイナムコゲームスブースで展示されていた「ACE-X」のプレイアブル版をプレイしたのですが、これまでと変わらない“エースの画面”が再現されていますね。

加藤 わたしは1作目がディレクター、2作目にはプロデューサーという形でエースコンバットシリーズにかかわりました。当時はプレイステーションの時代ですが、その中でやり残したことや、今後実現したかったことがまだまだありました。

 またそののちにプレイステーション 2が登場して表現力がさらに高まり、ゲーム性だけでなく、グラフィックの進化も含めた、さまざまな部分での表現が可能になったおかげで、プレイステーション 2版のエースコンバットシリーズも進化してきました。表現が進化する一方で、“別の進化”の可能性がわたしの中では残っていまして、その別の方向での進化を一番活かせるハードが出てきた、と思ったのがPSPでした。

――“別の方向”というのは、PSPの持つネットワーク機能でしょうか

一柳 それもあります。ユーザー同士が対戦するということに対しての敷居が低いので、今回その機能を導入したということと、シングルプレイでも表現したいことがありました。

加藤 本作の特徴として、すでに公開している「Strategic AI System」というものがあります。いままでのエースコンバットシリーズですと、命じられた1つのミッションをクリアしていくのがゲームプレイの流れだったのですが、プレーヤーが自分でミッションをどう進めていきたいかを考えながらプレイできるのが、今回のStrategic AI Systemです。詳細は今後明らかになっていきますが、プレーヤーが選択するミッションによって、次に展開するミッションがまったく変わります。登場する敵機が違う、といったことだけでなく、ミッションそのものの内容が大きく変化していきます。ですから、プレーヤーが話を紡いでいくというか、プレーヤーの選択が次のストーリーを作っていくことになるわけです。

一柳 ストーリーが別分岐するといったことでなく、プレイ内容も大きく変化します。プレーヤーがストーリーを主体的に変化させる、といった感覚を得られるようなゲーム展開になります。

――「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」のように、自分がたどった道のりで敵機が変わるといったものより大きい意味での変化があるのですね。

加藤 そうですね、プレイ内容そのものが変化します。

一柳 プレーヤーがストーリーの変化を受動的に受け入れるのではなく、状況を見てプレーヤーがこの方向に進みたいと思った方向に展開できるなど、よりストーリーにかかわっていくというか、参加型の、インタラクティブ性の深いストーリー展開を目指しています。

加藤 是非一度プレイして味わっていただきたいと思っています。

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――プレイステーション 2のアナログスティックと、PSPのアナログパッドでは操作感が違うかと思いますが、そのあたりはどのように調整されているのでしょうか。

加藤 もちろん、PSPのアナログパッドで操作したときでも、アナログスティックで操作したときと同じ感覚を再現できるようにしています。ただしアナログパッドはストロークが短いですし、PSPはプレイステーション 2に比べてボタンが2つ少ないわけです。このようにいろいろと制約はありますが、必要なボタンをユーザーが割り当てることで、カスタマイズできるようにしています。ユーザー自身のプレイしやすさを考えて、それぞれでボタンを指定していただいて、プレイしていただければと思っています。

一柳 操作性に関しては「安心してください」と申し上げておきます。エースコンバットに長く携わっているスタッフが作っていますし、わたしはエースコンバット4、エースコンバット5、エースコンバット・ゼロに携わり、加藤は1作目、2作目に携わりました。今回PSPを作るに当たって、是非にとお願いしたディレクターですので、エースのそもそものプレイ感はまったく損なわれていません。

――マルチプレイヤーモードとして、個人対抗戦やチーム戦、さらにはCPU機を加えた対戦やポイント戦といったモードが発表されていますね。

加藤 個人対抗戦とチーム戦は、いくつかあるルールの中でそのスタイルを選んで戦うことになります。E3 2006で展示したのはガチンコ勝負のドッグファイトと、ビーコンを取り合う2つのルールとなっていますが、まだまだほかにもルールは用意されています。それぞれのルールは、ただ単純に組み合わせが違うというものではなく、ミッションの内容がまったく異なります。それぞれのルールについての詳細は次報にて詳しくお伝えする予定ですので、楽しみにしていて下さい。

 マルチプレーヤー戦の場合、プレーヤー同士のレベル差が大きく開いていると、何度対戦しても似たような結果になりがちですが、そうならないような仕組みを考えています。

一柳 先ほど申し上げたように、エースコンバットに長く携わっていますので、こういう風にしたら使い勝手がいい、ここは適していないといったことは分かっています。後ろが見えない状況や戦闘時の臨場感など、すべてをひっくるめてどのようなことをしたらおもしろいのか、ということについては十分考えています。

――オリジナル機のチューンアップはどのようなことができるのでしょうか

加藤 まだ詳細は秘密ですが、オリジナルチューンアップを通して、飛行機を大好きな人には“飛行機はバランスが大事だ”という点を理解していただけると思います。ですので、バランスをどのように調整していくか、力だけでない、技だけでない、いかにバランスを取るのかが、大事になってくると思います。

一柳 マルチプレイヤーモードでは、対戦相手から自分の機体を認識されるという意味で、シングルプレイヤーモードよりもカスタマイズのしがいがあると思うんです。自分でカスタマイズした機体を愛せるような仕様になっています。

――開発進行度はどのくらいなのでしょうか。

加藤 今のところ60%くらいですね。

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――このほか、PSP版を送り出すに当たって心がけたことはあるのでしょうか。

加藤 PSPは画面がきれいだといっても、ふつうのTVに比べて画面サイズが小さいので、その中でユーザーがいかに情報を認識しやすく作れるか、という点に気をつけました。

一柳 16:9の画面については、これまでのエースコンバットシリーズでもワイド画面に対応してますので、それほど苦労はありませんでした。TVの画面に比べて物理的に小さいのは仕方ありませんが、ではどのような方法でプレーヤーにエースの世界へ浸っていただくか、については考えていますし、PSPというプラットフォームでのおもしろさを追求しています。

加藤 プレイステーション 2の場合、ワイド感というか、“広がり”がエースコンバットシリーズのポイントだと思いますが、それは今後、高性能なハードウェアが出てくるに従って、より重視していくポイントになると思います。ただし携帯ゲーム機では凝縮感、高密度感といいますか、“これだけのものにこれだけ詰まっている”、“こんなに小さなものなのにこんなにいっぱい楽しめる”、といった感覚を重視して作っています。「開戦! 超高密度エースバトル」がテーマです。

――“トンネル”は用意されているのでしょうか。

加藤 詳しくは明らかにできませんが、今までのエースシリーズがどうだったかを考えていただければ分かると思います(笑)。

――話は変わるのですが、PS3のモーションコントローラーについてはどうお考えでしょうか。

一柳 とても興味深い仕掛けだと思っています。

加藤 1作目ではネジコンに対応していましたが、それ以来のユニークなハードが出てきたな、という感じですね。

エースコンバット X スカイズ オブ デセプション
発売日 2006年秋
価格 未定
ゲームジャンル フライトシューティング
メディア UMD
仕様 メモリースティックデュオ対応(必要容量未定)
その他 アドホック通信対戦(4人対戦)対応
開発進行度 60%
(C)NBGI

(C)GeoEye
(C)JAPAN SPACE IMAGING CORPORATION

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※画面は開発中のものです


[聞き手:今藤弘一,ITmedia]

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