モップやコショウまで武器にして戦う“あの刑事”が帰ってきた:「SEGA AGES 2500シリーズ Vol.26 ダイナマイト刑事」レビュー(2/4 ページ)
グラフィックを大幅強化。で、あの大統領の娘はどうなった!?
ダイナマイト刑事のストーリーを大まかに説明しておくと、武装したテロリスト集団が大統領の一人娘を人質に取り、高層ビルを占拠しているところへ、刑事が単身(あるいは2人で)現場に乗り込んで彼女を救出するという、何とも分かりやすいお話。このミッションに起用されたのは、サンフランシスコ市警察(S.F.P.D)所属で、「140億ドルの男」の異名を持つブルーノ・デリンジャー警部補。S.F.P.Dきっての検挙率を誇る凄腕ではあるが、犯人逮捕に手段を選ばないため、その物的損害額の累計が140億ドルにものぼっているのだ。また、新任の超エリート婦警であるシンディ・ホリデイ警部も、ブルーノとともにミッションに参加する(2Pコントローラー側でプレイするとキャラがシンディになり、2人同時プレイも可能)。
操作に使用するボタンも、パンチ、キック、ジャンプの3つだけと、昨今のゲームと比べたら驚くほどシンプルでわかりやすい。たったこれだけのボタンで、落ちている武器を拾って撃つ、敵に投げつける、振り回すといった多彩なアクションを楽しめるところも魅力だ。また、敵に近づくと自動的につかみ状態になり、コマンド入力でさまざまな投げ技を繰り出せるほか、ハンドガンを所持しているときは、後ろ手に縛り上げて手錠をかけ、逮捕できるというのがおもしろい。
プレイステーション 2版では、オリジナルのゲーム性はそのままに、グラフィックを一から作り直していることが大きな特徴。元がセガサターンだったということもあるが、プレイステーション 2版はグラフィックが驚くほどキレイになっていて、一見するとまるで別のゲームのように感じる。ダイナマイト刑事は、1999年にドリームキャストで続編(「ダイナマイト刑事2」)も発売されているが、キャラクターのモデリングやテクスチャの詳細さでは、そのドリームキャスト版を上回るほどのできばえだ。しかし、モーションや当たり判定などにはあえて手を加えず、セガサターン版のままなので、プレイ感覚は紛れもなく“ダイナマイト刑事”そのものである。
セガサターン版をご存じの方なら、グラフィックの向上で一番気になるのは、「大統領の娘がどう変わったか」に尽きると思う。2Pキャラに婦警がいるとはいえ、このゲームのヒロインは間違いなく大統領の一人娘キャロライン・ヨーコ・パウエル(12歳)であり、彼女の存在がなければもしかしたらセガサターン版のヒットもなかったかもしれない。きっとそうに違いない。そう思いたくなるくらい、強烈な存在感を放つヒロインだったのだ……。
また、ステージ間の移動時に突然「CAUTION」と表示され、とっさのボタン操作を要求されるビジュアルシーンもそのまま再現されている。カメラアングルを変えてのショートリプレイが挿入されるなど、アクション映画ばりの演出を楽しめるが、これもグラフィック向上の恩恵を受けて、よりダイナミックに感じられるようになった。
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