永遠に終わらないものに――サクラ大戦・歌謡ショウファイナル「新・愛ゆえに」記者会見(1/2 ページ)

2006年6月10日、「サクラ大戦・歌謡ショウファイナル『新・愛ゆえに』」記者会見が開催。1997年7月「帝国歌劇団・花組特別公演『愛ゆえに』」より始まった歌謡ショウも10年目。2006年8月12日〜22日に開催される「新・愛ゆえに」でファイナルを迎える。

» 2006年06月12日 04時45分 公開
[ITmedia]
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 2006年6月10日、「サクラ大戦・歌謡ショウファイナル『新・愛ゆえに』」記者会見が開催された。

 1997年7月「帝国歌劇団・花組特別公演『愛ゆえに』」より始まった歌謡ショウも、2006年8月12日〜22日に青山劇場にて開催される「新・愛ゆえに」でファイナルを迎える。


「新・愛ゆえに」あらすじ

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 帝国歌劇団レビュウショウが華やかな幕を開ける。しかし、支配人大神一郎は、月半ばでその公演を終了し、「新・愛ゆえに」へ変更を決断した。一方、秘密部隊帝国華撃団の存続をかけ、米田一基、藤枝かえでは賢人機関と交渉を重ねていた。

 そこへ、元賢人機関の科学者であった暗闇博士が、帝都崩壊をもくろみ人造人間(モンスター)を帝都に放つ。花組は緊急出動するが、人造人間に苦戦する。さくら絶体絶命の危機に、花組の「愛」が輝いた。

 帝都は再び平和を取り戻し、そして第3幕ミュージカル仕立ての全5景「新・愛ゆえに」の幕が上がる。



photo 広井王子氏

 記者会見ではまず、作・総合プロデューサーの広井王子氏が「実は一番最初の『愛ゆえに』がここ(上野静養軒)の記者会見からスタートしたんです。ゲームからショウをやると言った時は相当たたかれたのを覚えています(笑)。ファイナルですが、どんなショウになるかまだ分かりません。10年目もよろしくお願いします」とあいさつを行う。

 続けて10年続いた歌謡ショウ、区切りが良いとは言えなぜ終わらせることを決意したかについては、次のように語ってくれた。「2、3年目くらいの時に10年やろうと決めたんです。ただ、まさか続くとは思っていなかった。既成の劇団でも、中の人間が入れ替わったりで10年はなかなか持たないですよ。ましてウチは劇団でもないわけで、“10年やるのは無理だろうけど10年やろうね”は、合い言葉みたいなものだった。誰も20年やろうとは言わなかったし、約束通り10年なのでプロデューサーとして約束は守ったのかなと。ちょっとホッとしている部分とすごく寂しい部分、今は入り交じってますね」(広井氏)

photo 田中公平氏

 「ゲキテイ」、「花咲く乙女」など、サクラ大戦を語るうえで欠かすことのできない名曲を手がけ、舞台では音楽監督を務める田中公平氏も出席。「広井さんから話をいただいた時は、1回限りということで、気軽に始めたような気がします。ただ、やっぱり1回でやめられないという舞台でした。2回目の時は逆にやりたいことがどんどん出てきました。『つばさ』(第2回の演目)の曲は個人的にも気に入ってますが、もっと良いのが書けるかもしれないと。5年目でオーケストラがなくなり、自分としては寂しい思いもしていたのですが、ファイナル公演ではオーケストラが復活するということで、すごくうれしく思っています。最後ということで、このためだけに25曲作りました。すべてがサプライズです。『ゲキテイ』は一番良いところで聞かせたいと考えています」と、この10年を振り返りつつ、ファイナル公演の見どころなどを語ってくれた。

photo 茅野イサム氏

 このほか、2003年8月に行われた「新宝島」より演出を手がける茅野イサム氏は、歌謡ショウの面白さについて「僕みたいに芝居をずっとやってきた人間にとって、一番すごいなと思わせてくれたのはお客さんです。ただワーワーキャーキャー言うだけなら、タレントさんの舞台でもたくさんありますが、歌謡ショウのお客さんは舞台の呼吸を作り上げてくれる。僕らが作ってきたものは、舞台上でできあがるんです。これまでもいろんなところで舞台を作ってきていますが、こういったお客さんを持っているサクラ大戦はすごい。ファイナルを迎えて歌謡ショウがなくなってしまうのは寂しいですけど、それ以上にお客さんとのつながりがなくなってしまうのが惜しいなと思っています」とコメント。広井氏、田中氏もそうだが、主要スタッフ3人からはやはり“寂しい”という気持ちが強く感じられた。

photo 大神一郎役の陶山章央さんに花組メンバーとの10年について話が振られ、メンバー全員の視線を受けた陶山さんがしどろもどろになるなど、いつも通りの和気あいあいとした雰囲気で記者会見は行われた

 なお、ファイナル公演を「新・愛ゆえに」にしたことについては、広井氏が「ほかの演目も考えたんですが、『愛ゆえに』をもう1度行うことで永遠に終わらないものにしてしまおうと。バーチャル空間ではまだ花組は(「新・つばさ」や「新・紅蜥蜴」などを)演じているんだろうな、と考えてもらえる再演にしました」との理由を説明する。

 また、当時のメンバーとしてはソレッタ・織姫がいないことになるが、こちらについても「1人いないということで終わるということがはっきりと見える。もしかしたら2、3人いなかったかもしれない。それはつまり花組は永遠じゃないということなんです。花は散っていくから美しい。欠けているからこそ見えるものがある舞台になっています」と語ってくれた。


photo ファイナル公演を飾る新曲「さくら咲いた」も披露された

 まだ稽古は始まっていないということで、ショウの詳しい内容については触れられなかったが、帝都花組メンバーを代表して、真宮寺さくら役の横山智佐さんが「悔いのないように務めます。お客さんとスタッフとキャスト、みんなと一緒にすばらしいサクラワールドを完結させたいです。最後は楽屋で『勝利のポーズ、決めっ!』で締めたいと思います」とコメント。ファイナルに向けての十分な気合いを意気込みを感じることができた。

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