「超電磁ロボ コン・バトラーV DVD-BOX」発売――豹馬とちずるの座談会(1/2 ページ)
今年生誕30周年を迎える「超電磁ロボ コン・バトラーV」が、DVD-BOXで発売される。発売日の7月21日を前にして葵豹馬役の三ツ矢雄二さんと南原ちずる役の上田みゆきさんによる座談会が開催された。
「超電磁ロボ コン・バトラーV」は、1976年4月〜1977年5月まで現テレビ朝日系列で放映された合体ロボットアニメで、生誕30周年を迎えた現在でも根強い人気を誇っている。「レッツ、コンバイン!」のかけ声とともに、5人の心がひとつになってはじめて5台のバトルマシンが合体可能となる超電磁ロボ コン・バトラーVは、超電磁ヨーヨーや超電磁スピンなどの必殺技も多彩で、回を重ねるごとにパワーアップしていくグランダッシャーなどの新兵器で、多くの子供たちやアニメファンを魅了した。当時としては珍しく、主人公サイドの描写だけでなく、敵となるキャンベル星人側のドラマ性も取り入れたことで、戦争の悲惨さや仲間との信頼の大切さといったメッセージ性を持つ、単なるロボットものという枠に収まらないエンターテインメント作品として成立していた。
脚本を辻真先氏、キャラクターデザインを安彦良和氏が担当したほか「勇者ライディーン」のサンライズスタッフが参加、そして「超電磁マシーン ボルテスV」や「闘将ダイモス」などを手がけることになる長浜忠夫氏が総監督を務め、今回の座談会に登場する主人公である葵豹馬役の三ツ矢雄二さんや南原ちずる役の上田みゆきさんらが声優として参加している。葵豹馬を中心とした5人の主人公だけでなく、美形キャラの先駆けともなるガルーダ将軍も、敵でありながらその美しさと悲劇的最期で多くの女性たちの心をつかんでいた。
今回、この「超電磁ロボ コン・バトラーV」の全54話を完全DVD化し、7月21日に発売することとなった。特典として1977年の東映まんがまつりで公開された劇場版や、CMコレクション、海外版のオープニング&エンディングが収録される予定で、解説書や安彦良和氏の書き下ろし豪華収納BOX、越智一裕氏書き下ろしデジスタックなどが同梱される。価格は5万6700円(税込)。
ストーリー
先史以来、地底に潜んでいたキャンベル星人が地球侵略のために行動を開始した。これを予期していた南原博士は、超電磁の力で合体する巨大ロボ「コン・バトラーV」を建造。全国から4人の若者を集め、孫娘のちずるを含む「バトルチーム」を結成する。どれい獣との戦いの中、南原博士は命を落とし、四ッ谷博士がチームの指揮をとることに。大将軍ガルーダの悲劇、そして新たな敵マグマ獣と女帝ジャネラの出現。地球の平和を取り戻すまで、豹馬たちの戦いは続く。
―― 今回こうしてDVD-BOXとして「コン・バトラーV」が発売されることになりましたが。
三ツ矢 この作品が栄えある声優デビューだったこともあり、単純にうれしかったり恥ずかしかったりといった感じですね。かれこれ30年くらい前ですか。
上田 私は以前から声優として活動していましたが、アニメのレギュラーは10年ぶりくらいだったんです。最初はエイトマンでした。それから10年の空白があって、コン・バトラーVに関われたことをきっかけに以後、アニメ作品に多く参加できるようになった記念すべき作品です。やはり発売されることはうれしいですね。
三ツ矢 自分はNHKの連続ドラマをきっかけに、子役として芸能界デビューしたんです。でも、年齢を重ねるうちにオーディションに落ちることも多くなったんです。成長すると求められる、身長が足りなかったんですね。それで、脚本や演出の勉強をするために東京に出てきたわけです。でも生活に困ってしまい、以前からの知り合いがNHKの人形劇番組のディレクターをしており、誘われるままに収録に臨みました。そこで声優という仕事があることを認識したんです。その後、その番組の打ち上げがあったのですが、当時はまだ18歳くらいで、打ち上げに参加することを遠慮していたら、当時のバイト先の社長さんに「それも大人の付き合いだ」と諭されまして、2次会から参加したわけです。そこには、べろんべろんに酔っぱらったサザエさんの波平さんでおなじみの永井一郎さんがいて、「明日あるアニメのオーディションがあるからそれを受けなさい」と言われ、紙ナプキンに場所と時間を書いて渡されて。とりあえず行ってみたものの、迷ってしまって30分ほど遅刻したのかな。それがコン・バトラーVのオーディションだったんです。だから僕はバイト先の社長と永井さんがいなければ、今の自分はなかった。
三ツ矢さんはアニメも知らなかったし、声優になる気もなかったと明かす。何も知らなかったので、アテレコの仕方を学びに「宇宙戦艦ヤマト」の収録現場に見学に行ったこともあったとか。しかし、その手の専門学校など出ているわけでもないので、台本のチェックの仕方すらわからずに、なにからなにまで現場で教えてもらったのだとか。
三ツ矢 コン・バトラーVが声優としての学校でした。現場では先輩の中に1人の新人といった感じで、びびってましたね。何度もNGを出しました。今でも覚えているのが、「コン・バトラーV」と叫ぶ一言がうまく言えなくて、気がついたらテイク70から80を重ねてて、ついにはスタッフに「テイク……わかんなくなっちゃった」と言わせてしまった。
上田 あったねー。
三ツ矢 アニメでの叫び声などは、今までの演技セオリーにないもので、どうやっていいかわからなかったんです。たまたま住んでいる方向が野沢雅子さんと一緒だったんですが、毎回一緒に帰りながらダメ出しをもらって反省しながら帰ったものです。そういう意味では野沢さんが先生だったのかもしれません。先輩ばかりだから怖くてね。間違っちゃいけないというプレッシャーで押しつぶされそうでした。その中でも上田さんは唯一の安らぎでしたよ。すごく優しくて。いい作品が声優としての第一歩となれたのは幸運でした。
上田 私は諸事情いろいろあって、仕事を一度リセットしてたんです。それこそ事務所も変わって心機一転というところに舞い込んできた仕事が「がんばれ!!ロボコン」のママ役と「コン・バトラーV」の南原ちずる役だったんです。いい再スタートが切れました。それ以後、総監督の長浜さんの作品を中心に多くのアニメに参加できたし。
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