人間撃っちゃダメです! 敵を撃って、敵を!――「RESISTANCE 〜人類没落の日〜」:東京ゲームショウ2006
プレイステーション 3とともに11月11日に発売を予定している「RESISTANCE 〜人類没落の日〜」をプレイしてきた。今回試したのはシングルプレイのみだったが、オンラインプレイも楽しみで、見た目にも美麗な本格的FPSだ。
期待が高まるローンチタイトルのひとつ
プレイステーション 3の発売日は今年のE3期間中に大々的に発表されたわけだが、その後ローンチタイトルに関する情報がなかなか出なかったので、やきもきしていた人もいるかもしれない。徐々にではあるがローンチタイトルの発表が増えていくなかで「RESISTANCE 〜人類没落の日〜」(以下、レジスタンス)の本体同時発売も明らかになった。
「レジスタンス」はアメリカのインソムニアック・ゲームズが開発した本格的なファーストパーソンシューティング(1人称視点シューティング:略称FPS)だ。1950年代のヨーロッパを舞台にしており、大量発生した謎の生物“キメラ”を駆逐していくアメリカ人兵士が主人公。設定としてはリアルな昔のヨーロッパが描かれるが、そこに登場するのは世にも恐ろしいクリーチャーたちだ。
「レジスタンス」のプレイアブルコーナーは完全に壁で仕切られた特設エリアのなかにあり、その建物に入館することでプレイできる、というスタイルをとっていた。建物の周りにはプレイステーション 3でFPSを遊びたいファンたちが多く並んでいた。
筆者もしばしの待ち時間を経て「レジスタンス」館に潜入。シングルプレイエリアとオンラインプレイエリアがあったのだが、シングルプレイをすることにした。基本操作は左スティックで移動し、右スティックで視点変更、×ボタンでジャンプができるなど、FPSのツボをおさえた分かりやすいものになっている。残念だったのは射撃がR1ボタンだったこと。プレイステーション 3のコントローラはR2がトリガー状態になっていて、深いストロークが用意されているので、R2ボタンで実際の引き金のように撃ってみたかった、というのが正直なところ。製品版ではオプションのキーコンフィグなどで解決するかもしれない。
コンパニオンの女性から操作を教わり「あ、だいたい分かりましたー。ありがとうございます」と、さっそくプレイに集中しようとした。画面上に見える洋館に向かっていく途中で、動くものがあったので、とりあえずバリバリバリッと射撃してみたのだが、そこでコンパニオンから「それ人間です。味方です。撃っちゃダメです!」と人間撃っちゃダメ警告がくだされた。撮影禁止区域もあったりする東京ゲームショウだが、人間射撃禁止区域まであるとは驚きだ。
いやいやいや。まあそりゃそうだ。味方の人間を撃っちゃダメだ。でも始まっていきなり画面外から何か飛び込んできたら撃ってしまいますよ、と言い訳をしたかった。コンパニオンのおねえさんは「敵を撃ってください、敵を。ほら、あれです」と敵を示してくれた。よっぽどできない子だと思われたみたいで何だかしゃくだったが、それもまあぐっとこらえて敵らしき移動物体を狙って撃ってみる筆者だった。
FPSによっては射撃1発で敵が死ぬものもあるが、本作の敵は妙に頑丈で、何発かくらわさないと倒れてくれない。なかなか死なない敵に恐怖を覚えつつも、前へ前へと進み、洋館にたどりついた。洋館の中で階段を上がっていく間も容赦なく敵の攻撃は続く。隠れたり撃ったりのやりとりが続き、だんだん面白くなってきた。グラフィックのクオリティも申し分なく、次世代の息吹を感じさせてくれるレベルのものになっていた。
不思議なのはめったに3D酔いしない筆者が、本作の移動時にけっこうぐるんぐるんとした感覚を味わったということ。館の中が真っ暗だったので画面に集中しすぎたせいかもしれない。古風なヨーロッパの屋敷のなかで異形の者と戦いつつ、軽くめまいがしたほどだ。むしろ、それだけ没入できるビジュアルや世界観が提示されていた、というのはプラスに評価していいだろう。最初は人間を撃つというミスを犯した筆者ではあったが、試遊の後半では確実に敵を狙って撃つ快感に酔いしれていた。
そんなこんなで5、6分の試遊は終了。人を撃ったり酔ったりといろいろあったが、ローンチの中ではかなり期待が持てるタイトルだと思った。オンラインプレイにも興味津々だ。最近はすっかりひとつのジャンルとして定着し、なおかつ人気を誇っているFPSだけに、注目している人も大勢いるだろう。そういう人にはまず手にとってほしい。「レジスタンス」をプレイすることで次世代のFPSのリアルさを体感することができるだろう。
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