「大戦」? それとも「対戦」? 1粒で2度おいしい、Xbox 360初の「スパロボ」「スーパーロボット大戦 XO」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年12月14日 12時00分 公開
[鷲尾トモノリ,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ネットの向こうに強敵(とも)がいる!

 Xbox Liveによるオンライン機能を使って、他のプレイヤーと対戦バトルをすることができるのが、「スパロボXO」のもうひとつの楽しみである「スーパーロボット対戦」だ。そこでまず、前もって言っておくと、この「対戦」は、「スパロボXO」本編とは完全に独立した内容のゲームで、お互いに関連性はない。別のゲームがもう1本入っていると思ってくれればいいだろう。また、ゲーム内容についても、本編のようなシミュレーション戦闘をするのではなく、完全に独自のシステムによるものとなっている。

 そこで、内容を大まかに説明すると、まず、双方がフィールドに2機ずつのユニットを出撃させる。ユニットの移動などは無く、お互いに攻防を行うことでゲームは進んでいく。どちらかの側の小隊が全滅すれば決着だが、各小隊は2機だけとは限らず(ユニットごとに決まっているコストの合計が15になるまで組み込める)、1機がやられても控えのユニットを補充したり、途中で交代したりすることが可能だ。

 戦闘が開始されると、最初にそのターンの「戦闘方針」を選択する。これは、「各個撃破」、「一斉射撃」、「強行突破」、「威嚇射撃」、「迎撃態勢」の5種類があり、それぞれが他の4つの方針に対し、2つに強くて2つに弱くなっている。そして、互いのプレイヤーが選んだ方針を比較し、より強い方に、ボーナスとして追加のAPが与えられるのだ。

 APというのは、フィールドに出ている2機のユニットがそれぞれ持っているポイントで、これを消費することで、攻撃を行ったり、精神コマンドを使ったり、あるいはその他の行動を取ったりする。そして、消費するAPの量はそれぞれの行動内容ごとに決まっていて、より強力な内容のものほど、消費するAPも多くなっている。つまり、APの総量が多いほど、より多くの行動、あるいは、より強力な行動が取れるわけだが、その時あるだけ使えばいいというわけでもない。APは毎ターン一定の量が回復するが、前ターンの消費APが少なかった場合、それに応じた増加分が加えられるからだ。ここぞという時のためにAPをためることも、場合によっては必要だろう。

 また、APを消費して行わせる行動(コマンド)の順番にも注意が必要だ。例えば、攻撃力を上昇させる精神コマンドを使った後で攻撃を行うようにコマンドを設定したとしても、その精神コマンドと攻撃の間に、ターゲットの敵ユニットが防御系の精神コマンドを使用してしまえば、攻撃の効果は低くなってしまう。この場合、何もせずにいきなり攻撃した方が効果はあったことになるのだ。防御に関しても、防御系の精神コマンドを使うべきなのか、回復するべきなのか、控えのユニットに援護防御させるべきなのか、あるいは交代させるべきなのか、といったように多くの選択肢があり、AP消費や相手の行動とのタイミングなどを考えた上で選ぶ必要があるだろう。

 各行動のタイミングに関しても、APの消費と同様、強力な行動ほど実行が遅くなる傾向が強いため、ただ強力なものを使えばいいというわけではない。精神コマンドを重ねがけした上で強力な攻撃を放とうとしていたら、その前に集中攻撃を受けてユニットが破壊されてしまった、などという状況も考えられる。さらに、2機いる敵のうち、どちらを狙うかにも考えるポイントはある。例えば、2機のうち片方にばかり集中攻撃していたのでは、相手もそのユニットの防御を固めて対応するはず。そこで、最初はある程度ダメージを散らしてこちらの狙いを隠しつつ、ここぞというチャンスに一気に撃破を狙う、というのもひとつの戦術だ。もちろん、相手小隊の編成や戦い方などに応じて、臨機応変に戦い方を変えるのがベストだ。

 とにかく、この「スーパーロボット対戦」は、一見シンプルなのだが、実はいろいろな所に読み合いの要素があり、かなりやり応えのあるゲームとなっている。最初のうちは漠然としたプレイになりがちだが、ポイントがわかってくるごとに基本となる立ち回り方やさまざまな戦術が見えてくる。加えて、最初は決まったパターンからしか選べないユニットやパイロットも、プレイすることで得られるコインを使って購入したり、他のプレイヤーとトレードしたりして、より個性的で強力な小隊を編成していくことが可能なのだ。特に、最初の“個性的”というところは重要。ちょっとマニアックな関連キャラクター同士による小隊を組んで対戦相手をニヤリとさせたり、超個性派ユニットで固めてウケを取ったりと、まさにスパロボならではのコミュニケーションが図れるのだ。ぜひとも勝ち負けにこだわりすぎず、遊び心を持ってプレイしてほしい。

 というわけで、1本のソフトで2つのゲームを楽しむことができる、この「スパロボXO」。もともとあった要素に加え、オンライン対戦が組み込まれたことで、シリーズの中でもかなり個性的でマニアックなスパロボになっていると思う。そのため、これまで多くのシリーズ作品をプレイした人は、より新鮮な感覚でたのしめるだろうし、特にシリーズのファンではないという人にも、1本の独立したソフトとして遊びやすいものになっているはず。今からお正月にかけてじっくりプレイする1本として選んでみてはどうだろうか。

画像画像画像
(C) 葦プロ
(C) 国際映画社・つぼたしげお
(C) サンライズ
(C) 創通エージェンシー・サンライズ
(C) ダイナミック企画
(C) 東映
(C)BANPRESTO 2006


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」