狩猟の季節到来! PSPでのハンターライフはここまで快適になった:「モンスターハンター ポータブル 2nd」レビュー(2/2 ページ)
どの武器を持ってどの防具を着るのか、それが問題であり大きな魅力だ
「MHP」では片手剣、双剣、大剣、ランス、ハンマー、ライトボウガン、ヘヴィボウガンという7種類の武器が存在した。本作は左記の武器に太刀、ガンランス、狩猟笛、弓が加わり、11種類の武器を自由に扱える。各武器はそれぞれ生産、強化をする際に特定のモンスターから剥ぎ取れる特定の素材が必要になる。モンスターを倒し素材を手に入れ、強い武器を作り上げることも楽しみのひとつだ。
本作の武器のラインアップには、新たな武器が追加されている。筆者もそのすべてを確認したわけではないが、かなりの新武器が追加されているのは確かだ。色々と武器を作っては派生に迷うあの悩ましき楽しさがまた味わえるというわけだ。
防具に関しても新防具はバッチリ存在する。そして防具に関してエポックメイキングな変更点は、強化システムの抜本的な改革だ。鎧玉と呼ばれるアイテムとお金さえあれば防具を強化できる。また、防具にはスロットと呼ばれる穴が開いており、そこにスキルポイントを付加できる装飾品を付けることで、足りないスキルポイントを補い、スキルを発動させることができる。
各武器に関しても細かい変更点がある。大剣は溜め斬りの溜め時間が少し短くなった。ランスはバックステップが3回連続で可能、かつ、突進が加速するようになった。ガンランスは竜撃砲の威力がアップ、その代わりに冷却に要する時間が長くなった。ライトボウガンは連射機能が使いやすくなった。その他の武器に関しても微調整が加わっており、どの武器も極めればどんなモンスターとも渡り合えるようになっていると言っていい。あとは己のスキルを磨いて華麗にガードしたり、軽やかに回避したりしつつ、手強いモンスターたちに挑むのみだ。
快適プレイの農場やキッチンで、村での生活を極める
「MHP」で好評だった“農場”と“アイルーキッチン”は本作でも健在。ポッケ村のポッケ農場には、相変わらずいろんなアイルー(ネコ型の獣人種)が点在し、ハンターたちにさまざまな素材をもたらしてくれる。
ポッケポイントと呼ばれる特殊なポイントをプレイ中に貯めることで農場の拡張ができたり、お得なアイテムとの交換ができたりするのだが、このポッケポイントは特定の精算アイテムの納品やトレジャーハンターと呼ばれる特殊なクエスト(1人もしくは2人で行けるトレジャーアイテムを探しては納品し、高ポイントを狙う一風変わったクエスト)のクリアなどで入手できる。ポッケ農場の拡張は、そのまま素材を手に入れる環境につながり、ひいてはプレイそのものにもいい影響を与えるので、ぜひとも最大限の拡張を目指してポッケポイントを貯めていただきたい。
アイルーキッチンは、クエストに行く前にアイルーから提供されるご飯を食べることで、さまざまな効果が得られるのだが、指定できる2種類の食材を何にするかで効果がまったく変わってくる。アイルーが何匹いるかによっても変わってくるので、ベストの食材を探していろいろ食べてみるといいだろう。また、アイルーごとに気まぐれスキルというものを持っており、キッチンで食事をすることでプレーヤーに役立つスキルをつけてくれることがある。どのアイルーを雇うかは得意な食材と持っているスキルを見て慎重に選びたいところだ。
また、今回新要素として「よろず焼きサービス」が追加されている。これは、アイルーに生肉や魚を渡すと、こんがり肉やこんがり魚にしてくれるというもの。こうして調理してもらうと、アイルーたちのネコレベルが上がっていく。
ポッケ農場、アイルーキッチン、そして最大4人でクエストに行ける“集会所”。この3つの施設には本作では「小型アイテムボックス」なるものが設置されている。これは装備の変更はできないが、アイテムの出し入れや整理、売却などができるという便利なボックス。
かつてアイテムボックスは自室に1つしかなかった(「MH」「MHG」では鍛冶屋エリアにもあった)。それでもプレイしていて問題はなかったが、農場、キッチン、集会所で自由にアイテムが出し入れできる本作では、プレーヤーの利便性が飛躍的に向上している。今までどうしてなかったのか!と目から鱗が落ちる勢いで、この便利さは癖になってしまいそうだ。
また、ポッケ農場、アイルーキッチン、集会所などの移動がいちいち村の中を移動せずとも△ボタンで指定してジャンプできるようになったのも、とても便利な機能。移動時のロードが多い本作なだけに、これもうれしい配慮だ。
ロードといえば忘れてはならない本作の機能が“BGロード”。これはオプションでオンオフができる機能で、オンにするとクエスト中にエリア移動する前から、次に移動するエリアの情報を先行して読み込んでくれる。これで、読み込みにかかる時間を短縮というわけだが、代わりに消費電力が大きくなる可能性がある。実際、出先でやってみると、心なしかバッテリーの持ちは悪くなるかな、というくらいの印象。肝心のロードはどうかというと、BGロードの恩恵を受けて一瞬でエリアチェンジできるときもあれば、オフのときと大差ないロード時間がかかるときもある。一瞬でロードするときは本当にビックリするほど早いので、確かにオフにしているよりはオンの方が快適にプレイできる。ただ、常に早いわけではないので、劇的な効果はあまり期待しないほうがいいようだ。
4人で狩れば楽しさも4倍? ネットワークを介して仲間たちとハンティング
前述したように、本作は最大4人同時のネットワークプレイを実現している。1つのクエストを4人で受注し、1つの目標に向かってプレイするのは「MH」シリーズの醍醐味だ。幸い友人が本作を購入したので、「今日ひま?」などと連絡を取り合い、筆者の家で狩猟してみた。アドホックモードによる通信プレイは特に問題はなく「MHP」同様に快適。2人で行けるトレジャーハンターもなかなか楽しい。しかし3人や4人でのプレイもしてみたいじゃない! 周りにもっとプレイしているひとはおらんのかね! とたまらなくなってきた筆者は、某サイトの某コミュニティでハンター仲間たちを発見した。そして、都内某所にて日夜突発的に行われているオフ会に参加したのだ。
実は「MHP」の頃にもお世話になったコミュニティなので、その頃から面識のある人もいれば、まったくの初対面の人もいる。都内某所の某カフェは(某が多くてすいません)ノートPCを使う人たちのために(?)電源を使うことが許可されているので、無論PSPで電源をとることもOK。昼のうちは3、4人しかいなかったのに、夕方ともなれば最大10人以上のハンターたちがカフェの一角を陣取り、本作に没頭していたりするのだ。
客単価が安いのも何だか申し訳ないな、とたまにドリンクを頼みつつ、ハンターのみなさんはそれぞれ片耳にイヤフォンをつけてひたすらに狩猟をしている。なぜ片耳なのかというと4人での連携で「今から閃光玉投げます」とか「エリア9に逃げたみたい」などと会話をしながらやったほうが効率がいいし楽しいからだ。ここでの4人プレイに慣れてしまうと1人で手強いモンスターに挑む気がなくなってしまうくらいに、みなさんそれぞれ頼もしい。「やっぱ みんなでプレイしたら楽しいな」と感慨にふけることしきりである。
周りに本作をやっている人がいない孤高のハンターたちは、各種サイトで交流してハンター仲間を見つけてみるといいかもしれない。
あえて“傑作”と断言させていただきます
あえて最後に触れさせていただくが、PSPという携帯型ゲーム機でこれほどのグラフィックで、これほどの面白いゲームができるという事実には心底驚嘆する。何の遜色もなく「MH2」で描かれたフィールドと同じところを同じ感覚で走れるという喜びは、ともすれば忘れてしまいそうになる。PSPにはニンテンドーDSのような特殊なインタフェースはないが、この驚異的なグラフィックがあるじゃないか! と誇っていいほどにその美しさは比類ない。「MH2」ではコントローラの右スティックで可能だった武器の扱いが各種ボタンに振り分けられているため、「MH2」をプレイしていたユーザーにとっては、最初は戸惑うかもしれないが、これも要は慣れで、慣れてさえしまえば本作での狩猟も難なく楽しくできるはず。
前述してきたように「MHP」から格段にシステムまわりが洗練されており、プレイの快適さに磨きがかかっている本作。そのうえボリュームもアップし、武器や防具も増えているのだから、これで面白くないわけがない。累計1000時間以上を「MH」シリーズにつぎ込んできた筆者が、あえて個人的な、まっぱだかの素の自分の心の叫びとしてここではっきりと言っておきたい。
「モンスターハンター ポータブル 2nd」は、現時点での「モンスターハンター」シリーズ最高傑作です!
これは本当に胸を張って言えることだ。「MH」や「MH2」が好きな人なら、そしてどうにも本作が気になっている人なら、PSPとともに購入してもいっこうに差し支えないと個人的には思っている。そんな筆者の本作のプレイ時間は150時間を越えた。まだまだやっていないクエストもあるし、作っていない武器や防具もある。どうやら長い狩猟生活になりそうだ。
「モンスターハンターポータブル 2nd」 | |
対応機種 | PSP |
メーカー | カプコン |
ジャンル | ハンティングアクション |
発売日 | 2007年2月22日 |
価格(税込) | 5229円 |
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