劇場で「ダークライ」をプレゼント――ポケモン映画10周年(1/2 ページ)
7月14日から全国東宝系でロードショー公開される映画「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」で、幻のポケモン・ダークライを、ワイヤレス通信でプレゼントすることが決定。その発表会が開催された。
今年で10周年を迎える「劇場版ポケットモンスター」。今回、世界初の試みとして、上映する全国全ての劇場で、本年度上映作品の主役である幻のポケモン・ダークライを、ワイヤレス通信でプレゼントするという企画が決定した。会場には、今回の映画にゲスト声優としても登場する中川翔子さんが駆けつけ、ダークライをプレゼントされる第1号となった。
会場にはこのほか、劇場版ポケットモンスター エグゼクティブプロデューサーである久保雅一氏、ポケットモンスター 総合プロデューサーであり、株式会社ポケモン 代表取締役社長でもある石原恒和氏、東宝 専務取締役の千田諭氏も登壇した。
久保氏はまず、1作目の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」が654万人の動員と、72.4億円の興行収入を記録し、海外を含めると300億を超えていることを紹介しながら、これだけの成績を残せるのはジブリの映画くらいであり、ポケモン映画の影響力はかなり大きいと語る。その後毎年夏に公開しているが、10年間戦い続けて来られたのは自信につながっているとしながら、「今回公開されるのは、昨年から『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール編』として新シリーズを展開した第1弾の映画。10周年にふさわしい、人気のあるポケモンが3隊もまとめて登場するなど、スケールの大きい映画となった」とのこと。5月にアフレコが行われるそうだが、ゲスト声優として石坂浩二さん、山本耕史さん、加藤ローサさん、山寺宏一さん、ロバート、中川翔子さんも参加し、豪華なメンバーとなっている。主題歌もサラ・ブライトマンさんが担当する。
なお、いつも行われている前売券でのポケモンプレゼントしては、今回はファン投票によりデオキシスがプレゼントされることが決定しているが、この10年支えてくれたファンに何か恩返しをしたいということでこの企画が決定したそうだ。
石原氏は、ニンテンドーDSソフト「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」が発売以来500万本を突破したこと、そして4月22日には北米で発売され、日本を超える勢いで売れていることを紹介。またこのあと、ドイツ語版、スペイン語版、フランス語版、イタリア語版の欧州バージョンが7月に発売されるとのこと。今回のプロジェクトについて石原氏は「映画メディアとゲームメディアが連携した究極の体験を観客の皆さんに体験してもらうことが大きな目的。映画の中で活躍した主役が、ゲームの中にやってくることで、映画の中でのリアリティが、ゲームの中でのリアリティとかけ算される、これまでにない体験をしてもらえることと思っている」と語る。
千田氏は劇場版ポケットモンスターを“東宝の夏休みの顔となる作品”とし、平均で428万人の動員、46億の興行収入というのは、邦画では例を見ないダントツの成績であると語る。「夏休みというのは毎年、洋画・邦画配給会社が一押しの作品をぶつけてくる。その中にあって、ポケモンは常に勝ち続けてきている。ただし、第1作が驚異的な成績でスタートを切ったために、その後5年間は右肩下がりだった」そうだ。しかし2002年の『ポケットモンスター ルビー・サファイア』の発売を契機に、2003年の『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ』で、前売券にジラーチの引換券をつけたことからV字回復をして現在に至っているとのこと。今年の前売券は、5月13日現在で販売枚数が50万枚を超えているそうで、2005年に175万枚を販売したことがシリーズ最高であったのだが、これを超える勢いになっているそうだ。
なお、今回ダークライをワイヤレス通信でプレゼントできるようになるまでには、さまざまな紆余曲折があったとのこと。「2004年11月に、映画制作10周年に向けて、新しいプロモーションにトライアルしたい、という要請が製作委員会からあった。それが今回披露するワイヤレス通信。ジラーチをプレゼントしたときには、配信に時間がかかったり、プレゼントされないなどといった例もあったりと、さまざまな問題をクリアする必要があった。それから3年間の努力により、技術的な問題をクリアしてきた。これにより劇場の了承を取ってゴーサインを出した」(千田氏)。3月から公開劇場を周って実験したそうで、現在では276館でテストを行い、何も問題がなかったとのこと。今年の公開数はシリーズ最高の350館を予定しているそうだが、5月末までに公開する全劇場での実験を終了する予定となっている。
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