ハッピーな公園をつくるためにレッツらゴー! 花咲か“ちびロボ”、ここに見参「咲かせて!ちびロボ!」レビュー(1/2 ページ)

ニンテンドーゲームキューブで発売された「ちびロボ!」の続編がニンテンドーDSに登場した。今度の舞台は公園、そしてちびロボの目的は公園に花を咲かせること。花を咲かせるゲーム? それってどんなもんなの? なめてかかっちゃいけません。しっかり王道の探索型アクションアドベンチャーなんです。

» 2007年07月26日 15時59分 公開
[仗桐安,ITmedia]

身長わずか10センチ。世のため人のため公園のためにちっちゃなロボが大活躍

画像

 ニンテンドーDS用ソフト「咲かせて!ちびロボ!」は、2005年にニンテンドーゲームキューブで発売された「ちびロボ!」の続編だ。実に2年ぶり、プラットフォームを据え置き型から携帯型へ移しての新作登場となる。

 「ちびロボ!」に登場したプレーヤーキャラ“ちびロボ”は、身長わずか10センチの、まさにおちびなロボットさん。架空の企業・オレンジ社が開発した量産型のお手伝い用ロボットで、作品の中ではサンダースンという家族のために毎日あくせくと働き、おもちゃたちと交流し、スパイダーという敵ロボと戦い、不思議な冒険を繰り広げた。

 お手伝いを続けることで家族たちからハッピーをもらい、そのハッピーを「ワッツ」(電力)に変換し、変換したワッツをチャージすることで動くことができるのが、ちびロボの特徴。最初はできることが限られているが、少しずつできることが増えていき、行動範囲も広がり、さまざまな個性的なおもちゃと交流していき、より大きな目的に立ち向かっていくという内容は、正統なる探索型アクションアドベンチャーとして好評を博した。また、常におしりからヒップラグ(充電用の電源プラグ)が飛び出ているちびロボのデザインや、登場するキャラたちのノリ、全体の世界観が何ともほんわかしており、不思議な癒しの感覚を与える作風も幅広い層に評価された作品だ。

画像 今回もちびロボはヒップラグをひっさげてがんばってます。咲かせちゃって!

 このたび発売された「咲かせて!ちびロボ!」も、前作で楽しめたアクションアドベンチャー要素や、味わえたハッピーな世界観はバッチリ健在だ。そしてなんと、今回の舞台はサンダースン家の家の中ではなく、1つの公園。家から公園へ……行動範囲の広がりっぷりは半端ではない。身長10センチのちびロボにとって公園という舞台は、かなり広大なものになるだろう。公園でちびロボに課せられた任務は、タイトルにもある通り“咲かせて!”の1つにつきる。花が枯れてしまった公園に花を咲かせることが目的なのだ。とは言え、公園でちびロボができることはプレイが進むごとに増えていき、その自由度は限りなく広がる。公園を走ってパトロールしているだけでも楽しい、そんな不思議な面白さを持つ作品になっている。

リズミカルに踊り、シュコシュコと水を出せ――花咲かちびロボの不思議な能力

 本作の操作方法はいたってシンプル、そしてとても親切。ちびロボの移動は十字ボタンもしくは、A、B、X、Yボタンで可能。上画面にちびロボが表示され、タッチスクリーンである下画面で、調べる、話しかける、アイテムを使うなどの、さまざまなアクションをすることができる。つまり、右利きならば右手にタッチペンを持って、左利きならば左手にタッチペンを持って、という操作の切り替えが、オプションなどに頼らずにいつでもできるようになっているのだ。

 また、LボタンおよびRボタンは「ちびどうぐ」、「ちびのりもの」などの使用で使うのだが、こちらも右利きならLボタン、左利きならRボタンというように基本的に左右どちらの手で本体を持っても大丈夫なように設定されている。地球にやさしいちびロボ同様に、プレーヤーにやさしい配慮がなされているわけだ。

 前作ではサンダースン家のお手伝いを任せられたちびロボだが、本作の舞台は前述したように広大な公園。新天地でのちびロボは通称“花咲かちびロボ”と呼ばれる新しいちびロボだ。その目的は、荒れ果ててしまった公園を再生すること、もっと平たく言えば、公園にたくさんの花を咲かせて、人がたくさん訪れるハッピーな公園にすることである。

画像画像 タッチスクリーンではアイテム使用の他に視点切替、マップ切替などさまざまなことができる
画像 ちびロボハウスを管理する相棒のトンペーとともに公園を再生せよ!

 “花を咲かせる”と一言に言っても、身長10センチのロボットがどうやって? と思っている方もいるかもしれない。そこはゲームの世界でのオハナシ。ちびロボには花から新たなタネを吹き出させ、ツボミを増やす能力が備わっている。その能力というのが“ダンス”なのだ。

 ダンスで花が増えるというのはユニークな設定だが、その操作方法や踊っている姿は輪をかけてユニークで愛らしい。ちびダンスというちびどうぐを選択すると、上画面のちびロボはラジカセを肩に乗せ、下画面にはレコードが表示される。このレコードをタッチペンでリズミカルにくるくるっと円状にスライドすると、上画面のちびロボがダンスするという仕組みだ。

 ダンスの種類は“ちびスイングダンス”、“ちびヘッドダンス”など複数あり、下画面右下の切り替えアイコンで切り替えられる。適当に踊ればいいというものではなく、スライドするリズムが適正でなくて、ちびロボがうまく踊れなかった場合は、花からタネが出てこない。いずれのダンスも10秒に満たないワンフレーズ程度のものだが、最初のうちはレコードをスライドするリズムがつかめず苦戦するかもしれない。慣れてくれば曲によってどれくらいの早さでスライドすればいいのかというコツがつかめてくるはずだ。

 最初にちびロボの前に提示されるのは、荒れ果てた公園にわずかに残った白い花。その花の前でダンスすることで、花は数個のタネを周囲にばらまき、そこからツボミが誕生する。ただ、この状態では花が咲いているとは言えない。花を咲かすにはツボミに水をやる必要がある。そこで登場するのがちびシャワーというちびどうぐだ。下画面で手に持つちびどうぐをちびシャワーに切り替えると、シャワーの取っ手部分が下画面に表示される。この取っ手を上下にスライドすることで放水することが可能。ツボミめがけて放水すれば見る見るうちにツボミが開き花が咲く。

 ちびシャワーの作業によって白い花が咲いた場合、またその花の前でダンスをすれば新たなタネが出る。この一連のプレイを繰り返すことで花が少しずつ増えていき、公園に人が訪れるようになっていく、というのが本作の大まかな流れだ。流血表現や暴力表現の激しいゲームも多く存在する中、“花を咲かせる”という目的の、何と平和で癒されることか。そして自分の操作で少しずつ公園に花が増えていくことの、何とじんわりとうれしさが込み上げてくることか。この感覚は本作独特のもので、ハマるとやめどきが見つからないほどに花を増やし続けてしまうことだろう。

画像 ダンスの種類はゲームの進行に伴って追加されていく。多彩なダンスで花のタネを増やそう
画像 シュコシュコシュコと放水する操作は、何だか妙に楽しい。クセになりそうです
画像 一区画である程度の花が咲くと、その区画の土地が茶色から緑色になる。不思議な達成感を得られる瞬間だ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/15/news106.jpg 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  2. /nl/articles/2405/16/news184.jpg どういう意味……? 高橋一生&飯豊まりえの結婚発表文、“まさかのタイトル”に「ジワる」「笑ってしまう」
  3. /nl/articles/2405/16/news185.jpg “ジョジョ婚”じゃん! 結婚報告の「岸辺露伴」高橋一生&飯豊まりえ、“連名サインの本名”に集まる驚きの声「直筆見て初めて知った」「これが正解」
  4. /nl/articles/2405/17/news026.jpg トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」
  5. /nl/articles/2405/17/news019.jpg リモート会議中の“マナー違反”に共感の声が殺到 「全く同感」「マナー講師はなぜこれを教えないのか」
  6. /nl/articles/2405/16/news123.jpg “1K8畳”の新居を一人暮らし男子が模様替え→“ホテル”みたいに大変身する様子に「シャレオツ」「センスよー!」と称賛
  7. /nl/articles/2405/17/news054.jpg 「これは罠」「本当に紛らわしい」 現役清掃員が教える「保冷剤」を捨てる際の“落とし穴”が話題
  8. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. /nl/articles/2405/17/news046.jpg 北陸新幹線に空のペットボトルを持って乗ると…… “あるもの”が見える実験に「知らなかった」「教科書よりわかりやすい」
  10. /nl/articles/2405/16/news194.jpg 牛丼チェーン「松屋」、深夜料金を導入 一部の店舗で
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評