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2008年03月21日 16時48分 更新

ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」:

ファミコン初のRPG「ハイドライド・スペシャル」 (3/3)

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荷物の重さと空腹に苦しむ冒険者

 1989年、ファミコンに「ハイドライド3 闇からの訪問者」が登場。「ハイドライド・スペシャル」は東芝EMIだったが、「3」はナムコから発売された。1987年にPCで発売されて大ヒットした、「ハイドライド3」の移植である。

 前作同様のアクションRPGだが、フィールドが広くなり、迷宮もモンスターの種類も大幅に増えた。そのためファミコン版では、パスワードではなく、バッテリーバックアップでデータをセーブできるようになっている。

 フィールド上での体力回復はできなくなったが、かわりに町が登場し、宿屋に泊まったり、アイテム(傷薬など)を買って使ったりすることで体力を回復できる。

 町ではさまざまな武器も売られている。弓矢やスリング(パチンコ)など遠くの敵を攻撃できるものや、短剣や長い剣など壁越しに攻撃できるものもあり、状況によって使い分けられる。また、町には人が歩いていて、彼らから情報を聞くことができる。

 魔法も変わった。敵を遠ざける「幻覚」(「ハイドライド・スペシャル」の「ターン」に相当)、体力を回復させる「治癒」、最初の町に戻れる「移動」など、いわゆる便利魔法が増えた。主人公のクラス(スタート時に選べる)が戦士か強盗なら6種類、僧侶か修道士なら12種類の魔法を覚えられる。

 しかしこのゲーム最大の特徴は、“リアリティーを追求したゲームシステム”。ゲーム内で特定の時刻になると、お腹がすいてきて、食事をしないと体力が減っていく。さらに、夜11時を過ぎたら、寝ないと力が落ちていく。規則正しい生活を要求されるのだ。

 また、すべての持ち物に重量が設定されており、限界を超えた重さの物を持つと、動きが鈍くなってしまう。もっと荷物が重いと動けなくなる。

 ゲームをしていると、この重量制限には相当悩まされる。レベルが低いうちは制限がきついため、防具を1個買っただけで動きづらくなる。防具がないと、モンスターから受けるダメージが大きい。宿屋に泊まらないとセーブできないので、ゲームオーバーになったら、その日の朝からやり直しだ。

 敵から半分下にずれた位置だとダメージを受けないので、慎重にそのポジションに入って戦う。そのうち、主人公の動きが鈍くなってきた。なんと敵から入手したお金が重くなって、重量制限に引っかかったのだ。フィールド上の宝箱に入っている「両替機」があれば、額面の大きなコインに変えて重量を減らせるが、この両替機もそこそこ重い。

画像 アイテム欄を開いたところ。このとおり、すべての物に重量が設定されている
画像 夜になると、敵の動きは活発になるし、町のお店も閉まってしまう。閉店ガラガラ
画像 怪しいお店「NUMBER13」。入ると20000ドルもぼったくられる。もし20000ドル持ってないと、大変なことに

画像 いろんなジョークグッズがあるのもこのゲームの特徴。ナムコットグッズ、ニベアんクリーム、漬物石、……

 あと、攻撃してこないモンスターを倒してしまうと、主人公の心が汚れる。心が汚れていると、町で売ってる物の値段が高くなる上、後半のゲーム進行にも支障が出る。攻撃してこないのに高速で飛びまわる上、体力が低くてすぐ死んでしまう、吸血コウモリがとりわけ厄介。

 こういう厳しい重量制限や、時間による制限、さらに、経験値稼ぎがかなり必要なゲームバランス、わずかに存在するわかりにくい謎などが、「ドラゴンクエストIII」(1988年発売)に慣れたプレイヤーからは、“めんどくさいゲーム”と思われたかもしれない。

 もっとも、レベルが上がるにつれて、持てる重さは増えるので、徐々に装備を整えていける。経験値稼ぎの手間はかかるが、根気よく頑張れば何とかなる程度だ。

天空から地底、そして宇宙へ

 多彩な迷宮があるのが、このゲームの魅力。200階建ての「ハーベルの塔」(PC版と違って、行く必要のない階に行くことはできないが)と、それを上り切ったら行ける、雲の上にある「天空の町」。地下の洞くつには、巨大な3つ首のドラゴンが出現する。湖の中からは神殿がせり上がってくるし、条件がそろえば宇宙へも行ける。BGMも良かった。

画像 ハーベルの塔内部。突破した後も、経験値稼ぎに都合がいいので、かなり長い間ここで戦うことになる
画像 マッドドラゴンは炎を吐く。開いた口を攻撃すればダメージを与えられる。武器が飛び道具だと有利
画像 湖から出現した神殿の内部。護衛ロボットやオートアタッカーが守る。ここから物語はSFめいてくる

 ちなみに「ハイドライド3」は、ファミコン版と同じ1989年、メガドライブにも移植された。タイトルは「スーパーハイドライド」になっている(発売元・アスミック)。

 ファミコンでは「ハイドライド・スペシャル」の次がいきなり「ハイドライド3」だが、PCでは「ハイドライドII」ももちろん発売されている(1985年)。「ハイドライド」よりマップが広くなり、アイテムが増えた。14種類の魔法が使えるようにもなった。街が登場し、お店で物も買えるし、人々に話を聞くこともできる。前作よりRPGらしくなっているのだ。

 ただし謎解きが格段に難しく、ノーヒントだと多くのプレイヤーが途中で詰まってしまうようなゲームだったためか、家庭用ゲーム機には移植されていない。わたしもMSX版を持っていたが、やはりクリアできなかった。

 1995年にセガサターンで出された「ヴァーチャルハイドライド」(セガ)は、「ハイドライド」のシナリオを基にした3Dポリゴンの世界を旅するゲームで、プレイするたびにマップが変わるらしい(残念ながらわたしはプレイしたことがない)。

 このほか、1〜3ともWindows版が発売されていたり、携帯電話アプリになっていたりする。レトロゲームを配信するサイト「プロジェクトEGG」では現在、PC各機種版のハイドライド1〜3が配信されている。

 「ハイドライド・スペシャル」の攻略法的なものを書いたために、今回は文章量が異様に多くなってしまった。せっかくティーアンドイーソフトのあった名古屋まで行って、名古屋の名所とハイドライドを強引に結びつけるネタを書こうと思い、写真まで撮ったのに、カットせざるを得なかった。

 「中日ドラゴンズの強さをほうふつとさせるウォータードラゴン」「ひつまぶし100人前の大ウナギ」「駅地下街よりも広い地下迷宮」「JRセントラルタワーズよりも高いハーベルの塔」「名鉄セブンのナナちゃん人形並みに強烈なインパクトのバラリス」とか(結局書いてるけど)。

 「ハイドライド3」の迷宮内に、“アツタのおまもり”なんていう、明らかに地元を意識したアイテムがあるだけに、ドラゴンあたりはホントに中日ドラゴンズを意識したキャラなんじゃないかという気がする。MSX2向けに、名古屋名物満載のシューティングゲーム「あーぱーみゃあどっく」を作ったメーカーでもあるし。

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