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2008年05月23日 23時58分 更新

「ドラゴンクエストIX」はDSで1000万本!?――スクウェア・エニックス決算発表会

スクウェア・エニックスは5月23日、2008年3月期の決算発表会を開催した。和田洋一社長は発売が心待ちにされている「ドラゴンクエストIX」について改めて「本年度中に発売できればと思う」と語った。

環境の変化への準備期間

 スクウェア・エニックスは5月23日、2008年3月期の決算発表会を開催した。連結決算としては売上高が1475億円で、経常利益は288億円となっており、前年度を下回った。特に、ゲーム事業の落ち込みは大きく、経常利益が前年度を97億も下回った結果となった。

photo スクウェア・エニックスの和田洋一代表取締役社長

 ゲーム事業落ち込みの要因について「ゲーム事業は苦戦も苦戦。今年は引き続き抜本的な改革を行わないと、今後戦い抜けないだろう」と同社の和田洋一代表取締役社長。全体的に前年度の数字を下回ったことも、ゲームソフト事業に対する損益の影響が大きいようだ。ただし和田氏は、実際の収益としてはもっと大きい数字が出ており、その利益分をゲームソフト事業の抜本改革に充てた、とも。

 和田氏はゲーム事業についてさらなる変革を進めるため「カルチャー、制作工程そのほか全てに渡り、一度腰をかがめて整備をしている状態、目下リフォーム中」だと語る。具体的には、進んでいるプロジェクトに関して“やり直し”の措置を取ったり、見通しが甘いものについては見直しもしくは中断という決断をしたとのこと。昨年に続いて今年も抜本改革を行っていくという意思を示した。

 ゲーム事業以外の動向だが、オンラインゲーム事業については、「『ファイナルファンタジーXI』(以下、FF11)から次のゲームタイトルにスイッチをする時期」と、次期大型タイトルの存在に言及。まだはっきりとは言えないものの、FF11の後継ソフトは今年または来年あたりに発売ということだ。昨年は不調だったアミューズメント事業に関しても、タイトーをグループ化したことにより生まれた「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」が45億の売上を計上するなど、実績を出しつつあるとのことだ。

タイトーグループ化による多様性への耐性

 2006年9月にタイトーがスクウェア・エニックスの連結子会社となってから1年半が過ぎようとしているが、これまでの経緯について和田氏は解説した。

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 現在では家庭用ゲーム機の新規参入がほぼ不可能に近い状態だが、業務用ゲーム機市場についてはまだ参入の余地がある、と和田氏。業務用ゲーム機器の市場は家庭用ゲーム機器の市場よりかなり大きい上に、一時縮小していた海外市場についても復活の兆しが見えているとのこと。「業務用ゲーム市場からの利益貢献を図ることで、売上げを増大していく」(和田氏)。

 また、“家庭用ゲーム機とのシナジー”も目的の1つ。今後ゲーム業界周辺の環境が変化していく中で、環境の変化への耐性をつけていくことが必要であると和田氏は語る。和田氏はまた、過去に業務用のソフトを開発してこなかった同社について「ゲームデザインが偏りつつある。環境の変化にも対応できるような、より強固なコンテンツ作成体制を作るためには、違う物同士の化学反応が必要」(和田氏)とのこと。和田氏は「家庭用ゲーム機では、コントローラー1つをとっても、このインタフェースは20数年間ほとんど変化していない。これら以外のハードを知らないままでは、ゲーム業界の多様化に対応できなくなる可能性がある。変化に対応するためにも、自らハードを開発し、自らの施設に設置することで実験的施策を行っていく」と語った。

 アーケード部門については、高額な家賃を低額に交渉することで施設運営費を改善してきたとのことだが、これ以外にも寄りやすくFC展開を視野に入れているとのこと。「他業態を巻き込んでゲーム施設業界を盛り上げていきたい。そのフックとしてレンタル、FCをしていく。」(和田氏)とアーケードゲーム業界の活性化についての意欲を語った。

2010年に起こるパラダイムシフトに対応する

 「大きく勝つヒット作が出ないとそろそろ次の段階に間に合わない」。そう語る和田氏だが、同社の課題は“強力なコンテンツの創造能力”、“グローバル展開力”、“強じんな企業文化”、“最低限の規模”の4つとのこと。現行のゲームソフト事業における改革では、先ほども述べたように“変化の遅いコンテンツ創造能力の改革”と“染みついた企業文化に変化を与える”という2点に絞って改革を行っている。だがまだ道半ばで苦戦中と語る和田氏は「(スクウェア・エニックスに)根深く染みついた、作り方や文化における問題点は今後変えていかなくてはならない。かといって従来の長所を失ったら何をやっているか分からない。そのせめぎ合いが非常にむずかしい」とも。同社に根付いたクオリティを追求する文化の長所を残しつつも、柔軟に動けるような組織への変化を目指しているようだ。来年以降の計画については、もう少し継続して改革を行うことを視野にいれている。

 和田氏は「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」について「本年度はきっと発売されるだろう。しかし去年も同じことを言っていたが出なかった」と苦笑気味。しかし売上本数に関しては「『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』はプレイステーション 2で発売して450万本。プレイステーション 2では1000万本という数字はあり得なかったが、ニンテンドーDSではあり得ない話ではない」と語り、「昨年発売したニンテンドーDS版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』がそれなりに売れたことから下限の数値については認識を持った。上限についてはわたしたちも期待している」と、1000万本ヒットへの期待を述べた。

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[小笠原由依,ITmedia]

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