本体の売上を牽引するとは誰も期待していなかった名作「ガンダム オペレーショントロイ」レビュー(2/2 ページ)

» 2008年07月11日 20時01分 公開
[Alexander服部,ITmedia]
前のページへ 1|2       

補って余りある魅力、オンライン

 問題点が山積みにも関わらず、連日かなり多くの人々がオンラインで楽しんでいるようだ。これはなぜだろうか?

 それはマルチモードが我々に“ガンダムゲーム”としての楽しみを提供しているからだ。特に筆者がお勧めするのは陣地を占領する「コンクエスト」。このモードはマップに3か所ある“旗”(占領ポイント)を占領することで勝敗が決まるのだが、旗の占領は歩兵でしか行うことができないというルールだ。何度やられても勝敗が決するまでは再出撃ができる。

画像画像 「コンクエスト」モード。中央にあるのが占領ポイント

 MSの性能差を考えると、基本的には連邦の方が勝つはずなのだが、旗の占領は歩兵。これが重要なポイントなのだ。旗の近くまで移動し、MSから降りて旗を占領する。歩兵になればMSの性能差などはないのとおなじ。しかも、下手に高性能MSを旗の近くに置いておくと敵に奪われてしまうことすらあり得るのだ。

 歩兵でMSに踏みつぶされる恐怖、鹵獲(ろかく)できるかもしれない緊張感、旗を奪って勝利する快感。これらはほかのゲームでは決して体験できない。ガンダムを見ていた人間であれば誰もが想像する「ジムの足元で逃げ惑う」、「味方のMSに踏みつぶされないように走り回る」こういった状況を楽しめないわけがない。プレイしているとガンダム世代の筆者は「これが一兵卒の戦場なのか!」と心から感じてしまう。兵士の無力さを感じながらも、MSの性能差だけでは勝敗が決しない漢のロマンに燃える。いくら問題点が多かろうと乗り越えるだけの価値を見出してしまうのだ。

「ガンダム オペレーショントロイ」の正しい楽しみ方

画像

 やはりガンダムの世界を堪能するのであれば、オンラインで遊ぶことが一番いい。加えてマイクを付けるといいだろう。他のゲームでもマイクを利用することで同じチームの人々と会話しながら連携できるのが楽しいが、外国人とのトークが苦手ということで、あえて付けていない人も多いと思う。しかし、このゲームは違う。プレイヤーは日本人が多いようだし、しかも“ガンダムオタク”なのだ。それでコンクエストモードを遊ぶのが最も楽しめるはずだ。

 実際に筆者が体験したマイクでのやり取りを軽く紹介しよう。

  • 「貴様の死、無駄死にではないぞ」
  • 「ゾックにはジオンの魂を感じるね」
  • 「占領に向かうので踏み殺さないでください」
  • 「隊長、連邦の白いやつがぁぁぁ」
  • 「ジオンに兵なしだな」
画像

 このようなテンションの高い人々ばかりが遊んでいるとは言わないが、これらのセリフを口にしても誰も変人扱いはしない。“ガノタ”の戦場では、むしろ正しいとすら言えるのだ。それでいてザクのクラッカーにおびえる兵士として走り回り、ジムでグフに切り刻まれる。ゲリラとして森林中央の旗のそばで待ち伏せして、相手のMSを盗む機会をうかがう。こういったプレイができるのであれば、このゲームにいくら不満があったとしても、遊び倒してしまう人はいるはずだ。なぜならこれらの楽しみ方は、我々が30年前に新聞紙でビームサーベルを作り、ダンボールでシールドを作って遊んでいたころの「ガンダムごっこ」そのものだからだ。

 勝敗を競うことや面白いゲームで楽しむなら、Xbox 360ならいくらでも素晴らしいゲームがある。だが、このゲームでしかできないことが確実に存在する。あの頃の想像を、あの頃の妄想を、ゲームの中で多くの同志たちとともに遊ぶことができることだ。君も名もなき兵士として“ガンダムごっこ”に興じてみないか?

(C)創通・サンライズ


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」