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2008年07月31日 13時16分 更新

日々是遊戯:

ニンテンドーDSのマジコン訴訟――なぜ「不正競争防止法」?

すでにご存知のとおり、ニンテンドーDS用のいわゆる「マジコン」を販売していた業者に対し、任天堂ほかゲームメーカー54社が集団で訴訟を起こした。しかしこれ、なぜ「不正競争防止法」なのだろうか?

マジコン自体に罪はある? ない?

wk_080731hibikore01.jpg 今回、対象となったいわゆるマジコンと呼ばれるもののひとつ「R4 Revolution for DS」

 既報のとおり、7月29日、任天堂ほかゲームメーカー54社がニンテンドーDSのマジコンの輸入・販売を行う5社に対し、不正競争防止法に抵触するとして訴訟を起こした。

 ここで気になったのが、「不正競争防止法」で提訴している点だ。マジコン最大の問題は、インターネットなどに氾濫するコピーROMで遊べてしまう点であり、ここだけ見るとアヤシイのは「著作権法」ではないか? ということになる。

 ここが法律の難しいところなのだが、マジコンとは本来「バックアップツール」であり、自分が持っているソフトが壊れた時のために、バックアップで遊ぶためのもの、というのが表向きの存在理由だった。基本的に、自分で自分のソフトをコピーして遊ぶだけなら著作権上何ら問題はない。またコピーROMをインターネットにばらまいている人を著作権法で罰することはできるが、マジコン自体はあくまで「バックアップをとっているだけ」なので、マジコンの販売業者をこれで訴えることはできない、というわけだ。

 そこで今回持ち出されたのが「不正競争防止法」だ。「不正競争」にあたるケースはいろいろあるが、今回問題になったのは恐らく、「技術的制限手段を解除する製品等の販売」という部分だろう。任天堂が発表したリリースでも、「これらの機器により、インターネット上の違法アップロードサイト等から入手した本来ニンテンドーDS上では起動しないはずのゲーム・プログラムの複製物が、起動可能となるため、当該機器の輸入・販売等の行為により、当社およびソフトメーカー各社は極めて大きな損害を被っている」としており、ソフトのコピー行為ではなく、「本来起動しないはずのコピーソフトが起動できてしまう」点を論拠に持ってきていることが分かる。

 同じようなケースで、かつてプレイステーションやセガサターンなどに取り付けることで、CD-Rなどに焼いたコピーソフトが動くようにできてしまう「MODチップ」という商品が、やはり不正競争防止法に抵触するとして販売できなくなっている。今回のケースも「本来動かないものを動くようにしている」という点ではほぼ同じであり、論拠としては十分だろう。

 実際、今回の発表と前後して、インターネット上の通販サイトなどでは、これらのマジコンを取り扱うサイトや店舗は急速に減ってきている模様。ソフトメーカー側は今後も「継続して断固たる法的措置を講じる所存」としており、今後の動きが注目されるところだ。

[池谷勇人,ITmedia]

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