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2008年08月27日 17時31分 更新

PSPで人生について考えた

PSPの新モデルが発表になった。PSPと聞いて苦い想い出がよみがえってきた……。

 今週の1位は、ダントツでPSPの新モデル発売の記事だった。そろそろ買い換えようかなと思っていた人も多いのではないだろうか。

 ワタシのPSPは恥ずかしながら初代機で、いまやロケフリと組み合わせたお風呂テレビ状態になっているので、コレは買い、だ。

 お風呂テレビ化はまれな例かもしれないが、PSPは高機能だし、モンハンしか使わないのはもったいない(いや、それで十分かもしれないが)と、常々思っていたワタシは、友人と旅行に行く前にひらめいた。いまどきホテルに無線LANくらいあるだろうから、PSPをネット端末として使おうという作戦だ。

 旅行に出てまでネットかよ、といわれそうだが、訪れる予定の観光名所や天気のチェックなどネット環境があればなにかと便利。しかしPCを持っていくのは重いし、なんとなく旅先で仕事をするハメに陥りそうだし、避けた方が賢明だ。そう考えたワタシは、バッグに愛機初代PSPをしのばせ、機上の人となった。

 そして観光を終え、ホテル着。就寝前のくつろぎのひととき、友人に「そうそう、ネット使えるかもと思ってコレ持ってきたよ」とPSPを取り出したところ、「あっPSP!」と友人。てっきりその後には「わたしも持ってるわ〜」というセリフが登場すると思ったワタシの耳に飛び込んできたのは、

 「ウチの息子がこれに夢中なのよ〜。もう食事時も手放さなくて困るの」

 ……持ってるのは息子かい。

 微妙な空気が流れ、2人の間には沈黙が訪れた。

 断っておくが(断らなくてもいいが)、彼女とワタシはほぼ同じ年齢だ。自分の息子が夢中なブツを、海外旅行先まで持ってきてうれしそうに取り出す同年代の女。友人がワタシを見る目が少し変わったように思えたのは気のせいではない。

 思えば彼女は子育てをしながら姑問題に悩みつつも、ダンナの経営する会社を手伝う主婦のかがみ。かたや、出勤すれば「ヒマそうでいいね」とイヤミをいわれる役立たず社員で、金曜の夜に映画とゲームと長風呂でおもいっきり夜更かしして、土曜は廃人となって1日寝倒すことが楽しみの独身女(持ち家ナシ)。

 一緒に海外旅行までする仲ながら、彼女とワタシの歩いてきた人生には大きな隔たりがあることを、PSPによって改めて思い知らされたのだ。しかも異国の地で。

 これ以降、異国の美しい町並みも雄大な風景も、私の目には、まったく違ったものに映った。アルファベットの看板が「LOOSER」と叫んでいる。ああ涙。しかもこんな思いまでして持っていったPSPは使えなかった。泊まった部屋には有線LAN環境しかなかったのだ。再び涙。

 こうしてPSPによって自分の人生を思い知らされたワタシは、帰国後生き方を変えるべく行動を起こし……はしなかった。それどころか「これが人生」と開き直って“土曜は廃人”生活を続けている。

 そして、新型PSPのニュースを目にした先週、今度彼女に会うときには、新型PSPを持っていこうと心に決めた。C'est la vie。

[松山由美子,ITmedia]

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