「VIII」サントラは12月発売！ドラクエコンサート

2004年10月19日

　10月18日，津田ホールにて「弦楽四重奏によるドラゴンクエスト・コンサート」が開催された。今回のコンサートはすぎやまこういち先生が指揮棒を持ち，壮大な人数とスケールで演奏するオーケストラではなく，2つのヴァイオリンと，ヴィオラ，チェロによって構成される合奏形態で演奏が行われるというもの。それが，弦楽四重奏だ。

　演奏者として舞台に立ったのは，第一ヴァイオリンが齋藤真知亜氏，第二ヴァイオリンが大林修子氏，ヴィオラは坂口弦太郎氏，チェロは藤森亮一氏。NHK交響楽団のオールスター的メンバーで構成された「マティアス・ムジクム・カルテット」のみなさんだ。

　2003年12月に弦楽四重奏「ドラゴンクエスト」を初演し，ファミリークラシックコンサートとはまた一味違う味を持つ弦楽四重奏によるコンサート。優雅な雰囲気を醸し出すマティアス・ムジクム・カルテットの演奏は，「同じ曲を演奏してもらっても，オーケストラとはまた一味違う顔を見せてくれる点に，意義や狙いがあるんです」とすぎやまこういち氏は語る。

　しかしこのマティアス・ムジクム・カルテットは，ファミリークラシックコンサートとは違い，1つのテーマ（タイトル）に縛られることなく，自由な選曲とアレンジが1つの魅力。その理由にはこんないきさつがあった。

「弦楽四重奏のメンバーと信州に演奏旅行をしたことがあってですね。みんな『ドラクエ』が大好きで，その話で盛り上がってしまった。その時に，このメンバーで演奏するならば何がいいかってことを，着メロをダウンロードしながら，あーだこーだと決めていったんですよ（笑）」とのこと。

　しかし弦楽四重奏は少人数での演奏ゆえに，オーケストラと違って，そうやすやすと「はい演奏！」なんてことはいかないのが難しいところ。が，「編曲ならば僕がやるよ」といったのがすぎやま氏なワケだ。そこから，カルテット用への編曲が始まった。

「カルテットでの演奏は，できれば毎回ある程度同じ楽曲でいきたいと考えているんですね。それは，毎回演奏者が成長するために，演奏するたびに違う音色が聞こえるから。それゆえ，毎回聞いていただいている方でも毎回楽しんでいただけるのではと思っています」とすぎやま氏。

　今回演奏されたのは，I〜VIIまでの楽曲から抜粋した15曲……ではあるが，間にあれこれとはさまれているので余裕で20曲以上は超えているのではないかと思う。なにゆえ4人による演奏ゆえに，ホールは500人規模という人数制限がかかってしまうものの，ファミリークラシックコンサートとはまた違う，ツウ好みの選曲と演奏が魅力だった。

　オススメは手放しですべて！と断言できるが，中でも印象に残りやすいのは，「III」から「ジパングの曲」，「II」の「Love Song 探して」，「III」の戦闘の曲は文句なしに素晴らしい！　　

　そんな素晴らしきマティアス・ムジクム・カルテットは今回で3回目を向かえるわけであるが，なんと！　「来年でいつかその音源をパッケージにしたい」という言葉も飛び出した。

　しかも，「せっかくなんでついでに宣伝しちゃいます」というすぎやま氏は，来年のコンサートスケジュールを早くも公開！　しかも楽曲は11月27日発売の最新作「VIII」からだという。（詳細は以下にて）　

　さらには「ようやくマスターアップのための音楽の調整も終わった」という，「ドラゴンクエストVIII　オリジナル・サウンドトラック」の発売が早くも決定したことを明らかにし，「このアルバムは観賞用というコンセプトの元に制作し，最大のボリュームとクオリティで仕上がった」とコメント。豪華2枚組みのCDに38曲以上を収録した構成となるそうだ。ちなみに発売日は12月22日。価格は3,045円となる。（発売はアニプレックスから）

　そしてもう1つ，アニプレックスより発足したSUGIレーベルですでに発売されている　東京都交響楽団による演奏が収録された豪華CD，「交響組曲ドラゴンクエストV」。それに引き続くシリーズとして「『II』『III』『IV』の楽曲はすべて撮り取りおえた」ことをアピール！　これまた会場は大きく興奮した。

　と，ネタもいい音も豊富に飛び出した約2時間のステージにお客様は大満足。すぎやま氏も「お話係長」として，曲もおしゃべりも堪能しきったご様子だった。いやはや，次回の公演に期待したいところでございますなぁ。

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