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ADSL接続の開始と停止

 ここまでで設定が完了したので,ADSL接続する際の方法を説明しよう。

●ネットワークカードの初期設定
 ADSL接続する前に必要なのが,ネットワークカードの設定だ。LANなどの通常のネットワークを構築する場合には,ネットワークカードの設定をし,IPアドレスを割り当てるのが一般的だ。しかしADSL接続する場合には,Linuxの起動時にネットワークカードの設定やIPアドレスの割り当てをしないように設定しなければならない。

 今回は,Linuxには1枚のネットワークカードしか装着していないことを想定しているので,そのデバイス名は/dev/eth0となる。Red Hat Linuxの場合,/dev/eth0の設定は,/etc/sysconfig/network-scriptsディレクトリ下のifcfg-eth0ファイルに記述されている。ADSLモデムを直結するネットワークカードは,ネットワークカードを起動時に動作させず(アップリンクにせず)またIPアドレスも割り当てない設定をしなければならないので,ifcfg-eth0ファイルを次のように変更する。

DEVICE=eth0
ONBOOT=no

 これにより,起動時に/dev/eth0(1枚目のネットワークカード)が初期化されなくなる。この設定変更は,再起動後に有効になるので,変更したならば,サーバーをいちど再起動してほしい。

●接続の開始
 ではいよいよADSL接続をする方法を説明しよう。ADSL接続を開始するには,adsl-startコマンドを使う。rootユーザーとしてログインしてから,次のようにadsl-startコマンドを実行するだけでよい。

$ su
Password: rootユーザーのパスワードを入力する
# /usr/sbin/adsl-start

 すると画面にいくつかのピリオドが表示された後,「Connected!」と表示される。

.Connected!

 このようにConnected!と表示されればADSL接続は完了だ。これでサーバがADSL回線でインターネットと接続された状態となる。

 もしConnected!と表示されない場合には,次の3つのポイントをチェックしよう。

1. ADSLモデムとの配線(とくにEthernetケーブルがクロス結線なのかストレート結線なのかに注意)。
2. 電話回線のノイズ。
3. adsl-setupコマンドによる設定の誤り。

 Linuxの場合,配線や電話回線のノイズが原因か,設定上の原因なのかを切り分けるのは難しい。このため,正しく接続できないようであれば,ADSLプロバイダが標準でサポートしているWindows版のADSL接続ツールなどを使ってみるのが無難かもしれない。まずは回線状況が正常かどうかを判断すれば,あとは設定の問題なのだと原因を狭めていけるだろう。

 なおRP-PPPoEは,そのログ情報を/var/log/messagesファイルに出力するようになっている。正しく接続できない場合には,/var/log/messagesファイルも参照してみるとよいだろう。

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