●ウイルススキャンの実行

 インストールが終了したら,実際にウイルスを検索してみよう。今回は任意のディレクトリをスキャンする方法について紹介する。qmailやPostfixなどといったMTAと,ウイルススキャンの連携については,次回解説する予定だ。

・/homeのウイルスをスキャン

 たとえば,「/home」ディレクトリのファイルをスキャンしたい場合は,「sweep /home」のようにすればよい。結果は以下のように表示される。

# sweep /home

SWEEP virus detection utility
Version 3.53, January 2002 [Linux/Intel]
Includes detection for 71229 viruses, trojans and worms
Copyright (c) 1989,2002 Sophos Plc, www.sophos.com

System time 21:48:22, System date 10 February 2002

IDE directory is: /usr/local/sav

Using IDE file palukka.ide
Using IDE file gigger-a.ide

----(略)---

Quick Sweeping

383 files swept in 12 seconds.
No viruses were discovered.
End of Sweep.

・サブディレクトリ内もスキャン

 ディレクトリの指定だけでは,サブディレクトリ内はスキャンされない。指定したディレクトリで,サブディレクトリを含むすべてのディレクトリ内のファイルにウイルススキャンを行うには,「-all」オプションを付けてスキャンを行う。

# sweep -all /home

・データファイルのウイルススキャン,駆除(実行ファイルは駆除しない)

 /home内のデータファイルをスキャン,ウイルスを駆除したいときには,「-di」を付ける。

# sweep /home -di

・実行ファイルのスキャン,削除

 実行ファイルをスキャンするとともに削除したい場合は「-remove」を付けてスキャンする。

# sweep / -remove

・ウイルス定義ファイルのアップデート

 ウイルスの定義ファイルは「/usr/local/sav」以下にあるので,最新の定義ファイルをSophosのWebサイトよりダウンロードして,/usr/local/savに展開すればよい。また,定義ファイルを集めて圧縮しているZIP形式のもの以外にも,定義ファイルは個々にダウンロードすることもできる。

 最新の定義ファイル(ZIP形式のもの)をダウンロードしたら/usr/local/savに展開する。

$ wget http://www.sophos.com/downloads/ide/354_ides.zip
# su
password:(パスワードを入力)
# cp 354_ides.zip /usr/local/sav
# cd /usr/local/sav
# unzip 354_ides.zip

以上で定義ファイルのアップデートが完了する。

・Cronを使った定期的なウイルススキャン

 アンチウイルスソフトをCronを用いて自動的にスキャンさせるには,下記のように/etc/crontabに記述しておけばよい。

# vi /etc/crontab

としてviを起動してcrontabを編集し,

02 4 * * * /usr/local/bin/sweep / -di

のように入力しておけば,毎日,午前4時2分にウイルススキャンを実行してくれる。

 なお、パターンファイルを自動的にアップデートする方法は「第5回:プライバシーフィルタの導入」の「Sophos Anti-Virus定義ファイルの自動アップデート」を参考にしてほしい。

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