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Chapter 3:データストア層の構築

Chapter 3...
データストア層の構築

 本章より,実際にサンプルとなる3階層アプリケーション(N階層アプリケーション)を構築しながら,その開発手法について説明する。

 N階層アプリケーションに限らず,特にデータベースがかかわるアプリケーションを開発するときには,まず最初にアプリケーション全体をある程度まで設計しなければならない。本連載の目的は設計手法の解説ではないので詳しい解説は省くが,データベースが複雑化し,システムが大規模化するほど,設計の重要性は高まる。現行システム分析,要求分析,基本システム設計,ネットワーク設計,ハードウェア設計,認証設計,データベース設計,ビジネスロジック設計,プレゼンテーション設計など,検討すべき設計項目は多岐にわたる。もし迂闊な設計のままで開発作業を強行すれば,最終的に出戻りの工数が増えて無駄が多くなったり,期待されるだけのパフォーマンスを発揮できずに実装方法の見直しを迫られたり,要求仕様の掘り下げが不十分で再開発を余儀なくされたり,といったことになりかねない。特に,複数の開発者の手によることが多いN階層アプリケーションの開発にあたっては,設計段階で仕様を固め,開発者の意志統合を図り,足並みを揃えることが重要である。

 そこで本章では,ビジネスロジックの実装を始めるまえに,本連載で構築するサンプルアプリケーションの概要と,データベーステーブルの定義について解説する。併せて,データベースエンジンをインストールし,実際にデータベーステーブルを作成する手順についても説明する。

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