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Chapter 4:データストア層の構築

Chapter 4...
ビジネスロジック層の構築
〜COM+の概要〜

 データストア層のデータベースを作成したら,次にビジネスロジックを設計する。ビジネスロジックを設計するということは,「データベースに対してどのような処理を実行するのか」というルールを定めることである。そして,Windows DNA環境における3階層アプリケーションモデル(N階層アプリケーションモデル)に基づいてビジネスロジックを設計するということは,「どのようなCOMコンポーネントが必要なのかを考えること」にほかならない。

 すでに「Chapter 1 クライアント/サーバーアプリケーションの仕組み」でも説明したように,Windows 2000環境で稼働するビジネスロジックをCOMコンポーネントとして実装した場合には,それをCOM+で管理することになる。本章以降の3章では,COM+の技術的な側面を解説しつつ,ビジネスロジックに相当するCOMコンポーネントを具体的にどう構築してゆけばよいのかについて説明する。その導入部である本章では,COM+に対応したビジネスロジックを開発してWindows 2000 Serverにインストールするまでの手順,そしてCOM+の管理方法を説明する。COM+の技術的な詳細については,次章以降に譲る。

 なお,本連載では,全般的にCOM+における動作のみを説明する。サンプルプログラムをWindows NT 4.0のMTS(Microsoft Transaction Server)環境で動作させるためには,一部のプログラムを修正する必要がある。COM+とMTSとの違いについては,「Appendix C COM+とMTSの違い」としてまとめる予定なので,そちらを参照していただきたい。

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