この特集のトップページへ
>
Chapter 1:NetBIOSの基礎知識
1.1.4 NetBIOS名 |
これまでに説明してきたように,TCP/IPを基盤としたWindows NT 4.0までのMicrosoftネットワークでは,NetBIOS名を元にIPアドレスを取得することになる。それでは,NetBIOS名はどのように命名されるのだろうか。
NetBIOSで使用されるコンピュータの名前を設定する場合,Windows NT 4.0であれば,[コントロールパネル]から[ネットワーク]を実行して[識別]パネルを開き,[コンピュータ名]に該当する名前を設定すればよい。RFCではNetBIOS名に最大16バイトまで使用できることになっているが,Windowsで指定可能なNetBIOS名は最大15バイトまでとなっている。その理由は,Windowsでは16バイト目に特殊な文字列を追加していることにある。コントロールパネルから指定するコンピュータ名は,16バイト目に特殊な文字列が追加され,computer_name<00h>という形で,アプリケーションから利用するNetBIOS名となる。この16バイト目の文字列の違いにより,1台のコンピュータが複数のNetBIOS名を持つようになる。
また,「コンピュータ名+16バイト目の文字」というNetBIOS名だけではなく,使用するドメイン名やユーザー名を使用したNetBIOS名も存在する。ドメイン名は,ドメインコントローラへのログオンやブラウジングサービスに利用(後述)されている。代表的なNetBIOS名をTable 1-6とTable 1-7に示す。現在使用されているNetBIOS名の一覧は,Microsoft社のサポート情報(文書番号:J042523)から取得できる。
Table 1-6 ユニーク名
|
Table 1-7 グループ名
|
各コンピュータが使用しているNetBIOS名は,コマンドプロンプトから「nbtstat -n」と実行することで確認できる。
C:\>nbtstat -n NetBIOS Local Name Table Name Type Status --------------------------------------------- LILY <00> UNIQUE Registered LILY <20> UNIQUE Registered DSL <00> GROUP Registered LILY <03> UNIQUE Registered DSL <1E> GROUP Registered INet~Services <1C> GROUP Registered USER <03> UNIQUE Registered |
nbtstat -nコマンドを実行したときに表示されるNameとTypeというパラメータは,それぞれ次のような意味である。
○Name
NetBIOS名。<>で囲まれているのが16バイト目の文字である。実際には<00>は0x00であり,表記不可能な文字であるため,このように表示するようになっている。16バイト目の文字は,そのコンピュータが提供しているサービスを表す。たとえば,“LILY <20>”は,LILYというコンピュータのServer Serviceを表している。
○Type
「UNIQUE」は,名前に対して1つのIPアドレスのみが対応するものを指す。各コンピュータのNetBIOS名などが,これに該当する。「GROUP」は,名前に対して複数のIPアドレスが対応するものを指す。ワークグループ名やドメイン名などが,これに該当する。
8/14 |