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Chapter 3:DNS(Domain Name System) 〜概要〜

3.2.1 ゾーンとドメイン

 いま述べた名前空間を管理することが,DNSの役割である。ただしDNSサーバーでは,WINSサーバーのようにすべての名前が1つのサーバー上で管理されているわけではない。あるDNSサーバーが管理している範囲を,「ゾーン」と呼ぶ。通常,ゾーンはドメイン名の任意の部分――たとえば,coやjp,itmediaなど――を単位として分割される。つまり,個々のDNSサーバーの役割とは,自分の監督すべきゾーンにかかわる情報を管理することである。このように,自分の監督すべきゾーンの情報を管理することを,「権威を持っている」と表現することもある。

Fig.3-5 ゾーンとドメイン
fig.3-5

 一般的に「ドメイン」といった場合には,それ以下に存在するサブドメインをすべて含む。つまり,jpドメインといった場合には,co.jpドメインも,itmedia.co.jpドメインも,すべて含まれていることを意味する。ゾーンはDNSサーバーの管理単位なので,たとえばjpゾーンであれば,jp以外の情報はまったく含まないこともある。この場合,jpゾーンとjpドメインは,名前空間の異なる部分を指している。つまり,ゾーンとドメインは重複していることもあるし,そうではないこともある,ということである。

 この点は非常に重要なので,例を挙げて解説しておこう。たとえば,小規模なbridgemw.co.jpドメインには,bridgemw.co.jpゾーンを管理する1台のDNSサーバーのみが存在し,このDNSサーバーがbridgemw.co.jpドメイン全体を管理しているとする。その配下にサブドメインは存在しないし,仮にあとから設置するとしても,そのドメインの管理をほかのDNSサーバーに任せる(委任する)ことはなく,同じゾーンとして管理する。この場合,bridgemw.co.jpゾーンを管理しているDNSサーバーは,bridgemw.co.jpドメインにかかわるすべての権威を持っていることになる。これは,ドメインとゾーンが一致している例である。

Fig.3-6 ドメインとゾーンが一致している場合
fig.3-6

 では次に,大規模なsoftbank.co.jpドメインを考えてみよう。仮に,softbank.co.jpドメインには,pub,commerce,adminという3つのサブドメインがあり,commerce.softbank.co.jpドメインとadmin.softbank.co.jpドメインはsoftbank.co.jpゾーンを管理しているDNSサーバーでまとめて管理され,pub.softbank.co.jpドメインのみが別のゾーンとして管理されているものとする。これは,ドメインとゾーンが一致していない例である。この場合,softbank.co.jpゾーンのDNSサーバーは,pub.softbank.co.jpゾーンの管理を別のDNSサーバーに任せていることが多い。サブドメインを作成して別のゾーンとして管理する場合,通常は別のDNSサーバーに管理を任せるが,同じDNSサーバーで複数のゾーンを管理してもかまわない。詳細は次回説明する予定である。

Fig.3-7 ドメインとゾーンが一致していない場合
fig.3-7

 このように,あるDNSサーバーが,自分の権威の及ぶドメインの管理を別のDNSサーバーに任せることを,「委任」と呼ぶ。委任された別のDNSサーバーは,委任されたドメインに対する権威を持つ。つまり,あるドメインが別のゾーンになるかどうかは,DNSサーバーがドメインの管理を委任しているかどうかにより異なる。管理を委任している場合は別のゾーンとなり,委任してしない場合は,同一のゾーンとして扱われる。委任に関しては,次回に再度取り上げる予定なので,ここでは詳しく述べない。

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