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Deployment of Active Directory 1...
DNSの構成

 Active Directoryを運用するには,SRVレコードに対応したDNSが必須となる。本稿の執筆時点では,Windows 2000に添付されているMicrosoft DNSまたはBIND8.1.2以降であれば,Active Directoryと相互運用することができる。DNSは,ドメインコントローラと同じコンピュータ上で運用することもできるし,別のコンピュータ上で運用することもできる。したがって,UNIX上でBIND8.1.2以降を運用していれば,Microsoft DNSを導入しなくともかまわない。

Table 1 Active Directoryが利用するDNSの機能
重要性 内容
必須 Domain administrators operations guide(RFC1033)
必須 Domain names − concepts and facilities(RFC1034)
必須 Domain names − implementation and specification(RFC1035)
必須 DNS encoding of network names and other types(RFC1101)
必須 Requirements for Internet hosts − application and support(RFC1123)
必須 New DNS RR Definitions(RFC1183)
必須 A DNS RR for specifying the location of services(DNS SRV)(RFC2052。ただし,実際にはRFC2052の改訂であるdraft-ietf-designed-rfc2052bis-*.txt)
強い推奨 Dynamic Updates in the Domain Name System(DNS UPDATE)(RFC2136)
推奨 Incremental Zone Transfer in DNS(RFC1995)
オプション A Mechanism for Prompt Notification of Zone Changes(DNS NOTIFY)(RFC1996)
オプション Using the UTF-8 Character Set in the Domain Name System(draft-skwan-utf8-dns-*.txt)
オプション Secret Key Transaction Signatures for DNS(TSIG)(draft-ietf-dnsind-tsig-*.txt)
オプション Secret Key Establishment for DNS(TKEY RR)(draft-ietf-dnssec-tkey-*.txt)

注意 ただし,Windows 2000 Serverを起動したときにデフォルトで表示される[サーバーの構成]を利用して,Active Directory,DHCP,DNSを自動構成させた場合には,ここで改めてDNSをインストールしたり構成したりする必要はない(この場合,自動的にActive Directoryも導入されるので,後続するActive Directoryのインストール作業も不要となる)。

 なお,Windows 2000の利用を想定したDNSの展開方法には,さまざまな形態が考えられる。特に,ネットワーク内にすでにDNSが導入されている場合には,Microsoft DNSに移行するのか,既存のDNSと相互運用させるのか,BIND8.1.2以降に移行するのかなど,考えなければならない点は数多い。DNSの展開方法については,連載記事『Windows 2000時代のDNS展開作法』で詳しく説明されているので,ここではMicrosoft DNSを利用した場合の展開方法に絞って概説する。

注意 Windows 2000に添付されているMicrosoft DNSを利用すると,(1) DNSのゾーン情報をActive Directoryと統合してマルチマスタレプリケーションで運用できる(Active Directory統合モード),(2) Dynamic DNSで登録されたリソースレコードのセキュリティを維持できる(セキュアDynamic DNS),という利点がある。

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